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研究会#18 ならぶかたち(小原流 准教授) 2023年4月

花型: ならぶかたち = たてるかたちの展開。3つの役枝が横方向に並んだ時の高さと間の変化による美しさを表現する。
花材: 丹頂アリウム(3)、ガーベラ(3)、玉しだ(5)
花器: 新様式花器

□当日の花の状態と意識したこと

▷丹頂アリウム
 ・1本が横へのカーブがとても強く、2本は縦に伸びる曲線だった。
  ⇒カーブがとても強い花を役枝にできたらおもしろそうだったが、役枝同士の間を作ることが難しそうだったので、主枝に添える中間枝として使った。
▷ガーベラ
 ・3本とも同じくらいの大きさかつ開き具合だった。
  ⇒丹頂アリウムや玉しだよりもピンクが強くなりやすそうだったので、花の向きを調節しながらピンクを全体に散らせた。
▷玉しだ
 ・全体的に小ぶりで枚数が足りなく感じた。
  ⇒役枝同士を繋ぐ役割として、葉先の方向や正面に向けるか横に流すかをよく考えた。
 ・曲線が綺麗だった。

□今回のお題で意識したこと(お稽古での学び 2023/4/5)

・剣山を隠すことと中間枝を十分に挿すことを考えて剣山を置く。
・丹頂アリウムとガーベラの強さが大きく違うので、アリウムを主枝とする場合は花器の長さと同寸にする。
・役枝の挿し位置も花頭の位置が横から見て重ならないようにする。※アリウムが要注意。
・主枝がど真ん中に来ることは避け、どちらかに寄せる。その際、役枝同士の間がなくならないように注意する。
・パッと見た時に役枝がぴゅっと抜きんでているように中間高の長さに注意する。
・役枝は上方向に伸びているように表情を捉える。
・アリウムとガーベラはそれぞれ雰囲気が異なるように挿し、正面から見て不等辺三角形ができているとよい。
・玉しだは5枚しかないので、うまく切り分けて枚数を増やす。
・葉がない取り合わせなので、出所が丸見えにならないように玉しだやガーベラでかくす。
・ガーベラは短く見せたい場合は短く切るのではなく、傾きで調整する。
・アリウムの茎の曲がりを見せようとしすぎると横広がりに見えるため、あくまでもたてるかたちの展開ということを忘れない。
・中間枝は横との連携をとるように配置する。
・副枝・客枝のふもとに挿す中間枝は主枝の1/3程度花器の外にはみ出す。

□研究会で学んだこと(講評・寸評: 諸岡啓子先生)

〔講評〕
・2種の花に葉がないため足元を埋めるのが難しい取り合わせだったため、間の作り方・埋め方がとても重要だった。
・丹頂アリウムの軸の曲がりをよく観察し、前後感をつけて抑揚を出す。
・ならぶかたちなので、横のつながりを
意識する。
〔寸評〕
・花器の手前にかかる花材が少ないため、器と花の境がぱつっと強調されているように見えてしまう。

□今回の研究会の感想

コロナ禍で研究会に参加し始めた私にとっては初めての寸評があった回でした。
楽しみにしていた花意匠の回だったにも関わらず、久々に札が上がらず落ち込みましたが、直接改善点を伝えてもらう時間があると、何がダメだったのかを客観的に言語化してもらえるのでよき機会でした◎

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