続・本物を探していたら本物に出会った話

今日は舞台を見に行くから定時で上がるからね!って朝から宣言すると、あらどんなお芝居?って尋ねられ。でも、なんて説明したらいいのかわからない。
宝塚みたいな、でもそうじゃなくてもっと、なんて言うかその、あの、あのね。

自分でも、まだきっとちゃんとわかってない。
でも絶対に楽しい事が起こるんだって事だけはわかってる。
とにかく、この目で見たいのよ。



道新ホールに来るのは、もしかしたら10年ぶり位だったかも。
普通のビルの普通のエレベーターなのに、その扉が開くと非日常が待っているというこのホールのつくりが、かなり好き。

ロビーにはツートップの等身大パネルがあって、先輩平民達が嬉しそうに記念撮影。私はそれを横目にロビーをぐるりと探検。

あ、ガチャがある。後で回そ。
コレはグッズ?あいざわライト?
んー、買った方がいいやつだな。

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ふふふ。領収書は出ないのか。



ひとしきりロビーを徘徊して、いざホールへ。
一歩入って、客席を見渡しその空気を吸った時、浮かんだのは相思相愛という言葉。

楽しそうに立ち話をしたり、遠くから誰かに手を振って笑う姿。もう席について、その時が来るのを待ちわびるようにじっとステージを見つめる姿。どの平民も、今自分がこの場所に居るという喜びに満ち満ちていて。
そしてそれはきっと、ここにいる誰もが 今からあのステージに現れる貴族たちをとても愛していて、そして愛されているからなんだろうな、というのが伝わってきてしまったんだと思う。


私はひとりぼっちなのも忘れて、何とも居心地のいいこの空間にいそいそと腰をおろした。
初めてでいきなりZ席はどうかと思って取ったF席だったけれど、通路から3列目、お隣はもうZ席というなかなかの良席。
お隣さんは2人連れみたい。はしゃいでおしゃべりして、楽しそう。私も楽しい。




いよいよ開演。
聞き覚えのあるあの曲が聞こえてきて、オープニング映像が流れる。それがもう面白い。そっかそっか、こんな感じで楽しく進むのね。と思いきや。

映像が終わり、暗転。
そしてステージに現れたのは絵画の様なセット。
椅子に座りまっすぐ前を見つめるツートップ。
初めて見た銀河さまと紅雅さまは美しく、本当に何処かの国の王子様みたいだった。

でもまたほんの数分で、その美しい人たちにあっさりと笑わされてしまう。見蕩れて、笑って、忙しい。しかも物語が進むにつれて切なくなったり涙したり、も加わるから、感情が大忙し。
ドキドキする。きゅぅんとする。ハラハラする。あったかくなる。たのしい。しあわせ。
見に来て良かった。ほんとに、良かった。


休憩を挟んで、後半はレビュー。
キャーキャー、ゲラゲラ、とにかくずっとたのしい!
ちょっと緊張していた「タオルを回す」タイミングも、貴族と平民のお陰で難なくクリア!

そしてずっと楽しみにしていたスイーツの時間。
ブログとか、YouTubeに先輩平民がupしていた動画で知って、心待ちにしていた時間。

私はF席だからツートップからのスイーツは頂けないけれど、その代わりに他の貴族の皆様が必死で走って来てくださる。それに加えて見ず知らずの周りの平民の皆様が、この人!この人まだです!って私をアピールしてくださったりして。
なんて可笑しくて、幸せな場所なんだろう!



帰り道、私はすぐにチケットぴあで翌日のチケットを抑えた。幸運にもZ席に「残りわずか」の表示が出ていて、迷わず購入。
そこでたまたま隣に座った平民さんが話しかけてくださって、ぼっち同士おしゃべりをして。その彼女は今でも大切な平民仲間のひとり。


宝塚の公演を検索していたはずが、なんだか様子のおかしな別の歌劇團を見つけて。
ニセモノじゃん!って切り捨てる気持ちになれない、得体の知れない魅力を持ったこの世界に巡り会えた私は本当に幸運だと思う。

だからたくさんの人に観て欲しい。触れて欲しい。シークレット歌劇團0931がたくさんの人達の本物になる様を見たい。


大丈夫。怖くないよ。


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