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久石譲NYコンサートを聴きに行った

昨日、1ヶ月ぶりにニューヨークに繰り出して
Joe Hisaishi Symphonic Concert:
Music from the Studio Ghibli films of Hayao Miyazaki
久石譲さんが作曲したジブリ音楽のコンサート
を聴きに行った。

チケットをとったのは
日本マニアというほどではないけれど
ジブリ映画や、日本のNetflixアニメ、村上春樹とか
メジャーな日本の文化が好きな
アメリカ人の旦那。

わたしは
マンハッタンという人混みが疲れるので
いつもは旦那の付き合いで
やや 渋々 ついていく感じ
やる気は 13%くらいのことが多いけれど

今日のやる気は 75%
スカートを履いてみたりとかはしなかったけれど
いつもは着ない服を着て
旦那に提示された 3つあった電車の選択肢のうち
一番早い時間の電車に乗って
マンハッタンに向かった。

会場の Madison Square Garden は3回目。
10年前にJanet Jackson、
1年前に旦那の付き合いで行った(名前も忘れた)有名なシンガー、
そして本日、久石譲さんのSymphony楽団。

ああ、
順を追って全てを伝えようとすると
肝心なところに辿り着く前に
書くのを断念してしまうので
すっ飛ばそう・・。


わたしは久石譲さん本人が指揮者をやることも
ピアノを演奏されることも知らなかったのですよ!!

いよいよ始まる、という時
オーラをまとった
見慣れたアジア人の男性が入場してきて
「待って、久石譲 本人が来るの!!」と叫んでしまったよ。

眼光は鋭く
いかにもプロフェッショナル
仕事に対する厳しさが垣間みえた
そして
ピアノに着席したので
「ひえええ!まだピアノをご自分で弾けるのか!」
と失礼ながら驚いてしまった。
年齢はその時は知らなかったけれど
大画面に映った指先から
70歳以上であることはわかったから。

もののけ姫のピアノのピースから開始。
シンプルなのに
こころに残るメロディーと和音。
丁寧にしっかり叩く鍵盤から紡ぎ出される高めの音色が
立体的に、くっきり浮かび上がって
風にのって空間を漂う
あのジブリのピアノ・・

大して音楽やピアノやジブリも詳しくないのに
「これがジブリなんだよなあ・・」
って思ってしまう。

そしてピアノの後ろに列をなして控えている
オーケストラの楽団が
体ごと息を揃えて演奏し始めると
ジブリの世界が爆発的に開場中に広がるのだ。

大画面には、映画のダイジェストが映し出され
耳も目も心も 完全に持っていかれる
やすやすと使いたくはないけれど
久石譲さんの仕事は
「神がかっている」
という表現が適切。

個人的には
わたしが人生で初めて
自分の猫として飼い始めた
黒い野良猫は
まあ かなりベタだけれど
魔女の宅急便からジジと名付けたので

心のこもった美しいバイオリンと 共に
大画面に
トンボを助けて記者たちに囲まれたキキの肩に
もう人間語を話せなくなったジジがぴょんと乗ってきて
得意げに、猫らしい仕草で
ミャオと一言 鳴くシーンが映し出された時は
人生初
コンサートで号泣しました・・

何度も見た魔女の宅急便。

本気で
(ちょっと頭おかしいかもですが)
キキとジジみたいになりたかった
ジジと話してみたかった
もっとずっと一緒にいたかった

ああ
わたしに出会ったときは
体が弱くてうずくまっていることも多かったけど
長いお留守番の後は
ミャーミャー鳴き続けてわたしの後を追いかけてきたな
本当は
魔女の宅急便のジジみたいに
元気でやんちゃなこだったのかな
ああ
また会いたいな
どこかで元気にしてるかな
また誰かを幸せにしているかな

なんて
ジジを思い出させてもらった
ありがとう


ちなみに
鋭い眼光の久石譲さんは
アップテンポの楽しい曲になると
微笑みをたたえて
楽しそうに指揮をされていて
厳しいけれども、同じだけの
愛に溢れた方だということもわかりました。

そして
トトロやポニョの
こどものために作られた かわいらしい歌詞を
一部は英語で、一部は日本語の歌詞そのままに
大人の皆様が
めちゃくちゃ真剣に、心を込めて、美声で歌ってくださっている時は
感動と笑いが止まりませんでした。
いいね、いいね〜〜
です。


ジブリの映画の意味は
小さい頃は
難しくってよく分からないことが多く
ストーリーの意味よりも
世界観やキャラクター、音楽が心に焼き付いていて

大人になってもう一度見ると
ストーリーはまたもや まだ完璧には理解できないものの
もっと心の奥底に突き刺さる。

生きるって 何。
人間って 何。
この世界は 何。

わかるようで、分からない。
答えはない。
だけど問い続ける。
そんなエッセンスが散りばめられている
エンターテインメントの世界には
驚嘆する。

このちっぽけな私にも、
届いているんだから。




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