才能のはなし

人は誰もが才能を持っている。
誰かがそう言っていた。

私にも色々才能はあると思う。

沈みゆく夕陽を綺麗だと感じられる才能。
いつでもどこでも直ぐに眠れる才能。
朝起きてから布団に包まってゴロゴロする才能。
どうでもいいことをつらつらと考える才能。
今しがた置いたばかりの自転車の鍵を無くす才能。
エトセトラ。

いろんな人が持っていて、けれどもちっとも役に立たない、お金にならない、そんな才能。

自分が当たり前にできていて、他人も当たり前にできることだと思っていること。

才能ってそういうものだと思う。

私にはどうやら
【ちょっとしたゆるい絵なら短時間で描き上げることができる才能】
が、あったらしい。

私のそんな才能を活かせるように考えてくれる人がいたり、気に入ってイラストの依頼をくれる人がいたり、周りの人に広めてくれる人がいたり、することが本当にありがたいことだと日々思っている私です。

友人が塾経営をするそうで、今その準備中だということで、営業チラシ用の似顔絵の依頼を受けました。
二つ返事で描いて喜んでもらうことが出来ました。

私は芸大に通ったわけでもないし、デザインの仕事に従事したわけでもない。
ただ、小さい頃から描くのが好きだった。
描いた絵を褒められることが、認められることが、役に立つことが、ただただ嬉しかった。

これからも素敵な人たちの素敵な何かの役に立つ絵を描くことができれば。
ううん、描こう。

そんなある日の昼下がりでした。