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#5 建築と社会の年代記 竹中工務店400年の歩み

リベラルアーツへの挑戦
vol.4「建築 × 音楽」開催にあたって、偶然見つけた、建築関連のイベントに出かけることにしました。
「建築 × 音楽」のfacebookのイベントページはこちらです

建築と社会の年代記 竹中工務店400年の歩み

先日出かけた、”デザインあ展”の会場であった、佐川美術館の設計は竹中工務店と知ったところだったので、拍車もかかりました。


講演会「竹中工務店が語る6つのかたち」の第二回に、佐川美術館・樂吉左エ門館についてレクチャーがあることを知り、日にちをその日に決めたのでした。

会場、神戸市立博物館へ 旧居留地エリアは素敵

講演会に駆け付けましたが開始時間には間に合わず、それでもダッシュ。
着いて、エントランスの美しい空間に身を投じ、見つけたメッセージは、「本日の講演会は満席で入場できません」と。
だいぶショックでしたが、コインロッカーに荷物を預け、展覧会を楽しみます。

工匠の道に入り、始まった400年

1610年 竹中藤兵衛正高が、寺社仏閣の造営を生業とする、工匠の道に入ったことが竹中工務店の始まりとなりました。そして、工匠竹中家 14代目藤右衛門によって、明治32年(1899年)に神戸の地に竹中工務店は創立されました。

建築とは生命や財産を守る器であると同時に社会の資産であり、その時代の文化を後世に伝え継ぐもの。そうした仕事に携わる誇りを込め、私たちは手掛けた建物を「作品」と呼んでいます。(竹中工務店ホームページより)

“建築とは、生命や財産を守る器” “社会の資産” “その時代の文化を後世に伝え継ぐもの”

建築のシビれるワード、新たに頂戴しました!

手掛けられた、いくつかの寺社仏閣の展示がありました。眺めていると、つぶさに佐川美術館のシンボリックな屋根が思い出されました。
講演会は聞けなかったけれど、佐川美術館は、きっと工匠時代から引き継がれている御業なのだろうと、ストンと心に落とし、展示を見続けることができました。実際のところもどうなのか、機会をみつけて知りたいです。


視点:建築と人との関わり方から、8つのかたちに分類された展示

1.はじまりのかたち
近代建築の「はじまり」に位置する建築物。創立期に、工匠が代々伝えてきた技術によって造営されたものの展示。
2.出会いのかたち
人々が、楽しみや癒しとの「出会い」を求めて赴いた、劇場、ホテル、商業施設。個性的な外観が、非日常との出逢いを演出している。
3.はたらくかたち
人々が「はたらく」オフィス、研究所。長時間にわたってなされる活動は、心地よく、かつ集中できる空間づくりが求められる。
4.夢を追うかたち
人々が「夢を追う」、その結果として実現した、革新的な建築物。
東京タワー、東京ドームなど、新しい技術は、それまで見たことのない風景を現出させた。
5.感性を育むかたち
人々の「感性を育む」、学校、博物館、美術館の教育施設。
感受性に大きな影響を与える建築が、そこで行われる学びや鑑賞の一助となることとができるようにという思いをこめ、工夫をこらした計画がなされる。
6.暮らしのかたち
個人や家族の「暮らし」を支える、邸宅、集合住宅、医療施設。
個人のスペースの確保と、家族や地域社会との繋がりの形成が求められる。
7.時を紡ぐかたち
過去から未来へと「時を紡ぐ」建築。人々による、保存、修復、復元、再現という行為がそこにある。
8.みんなのかたち
これからの「みんな」の建築がどうあるべきなのか、将来の姿について考える。25年前の阪神・淡路大震災などの災害が建築に与えた影響、今後活用が期待される新技術、建築分野における新しい動きを紹介。

多角的な展示がなされ、社会に対してこれほど万能でクリエイティブな分野は、他に探して何がみつかるだろう。
これらの人々との豊かな営みを、一社で取り上げられているなんて、一体どういうことなんだろうか。
映像資料も豊富に見応えが十分で、私には情報量が抱えきれず、7、8つめのエリアは展示スペースを歩くことがやっとだったくらいでした。

季刊誌 approach

1964年に創刊された、竹中工務店の季刊誌approachが、一斉に展示されていました。
文化的で多角なアプローチでとても興味深かったです。
2013年からは、WEB版も刊行されています。
approachのWEB版はこちらです→HP


神戸市立博物館にも、興味津々

カフェでは様々な蔵書が読め、神戸のパティスリーTOOTH TOOTHが楽しめます。
これはひっそり留めておきたかった情報です。笑 
ちなみに、神戸市立博物館は竹中工務店による建築物であり、2019年11月にリニューアルされたところです。神戸のお気に入りの場所がまた一つできました。

建築の社会への万能性、そこには夥しい計画と実行を日々繰り返されているのでしょう。背筋をピンとし、リベラルアーツへの挑戦vol.4「建築 × 音楽」へ、ワークショップの準備に、中身をギュッギュと詰めていくのでした。

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