誕生日の思い出(泣)
明日誕生日です。コロナだから何もなし。コロナでなくても何もなし。まあよいです、それは。
誕生日と言えば、元カレと付き合っていた時に誕生日祝いということで民宿を予約してくれました。私はお気に入りの温泉街にあるお姫様系ホテルがお気に入りだったのでそこに行きたいと伝えてはいたのですが、彼は桜が見たいということで民宿になりました。
民宿は家族経営の古い民家で、4月上旬でも部屋はまだ少し寒かったです。その民宿には女将さん、もしくはご主人のお母さん(80歳台?)くらいの方がいらっしゃって私が到着早々挨拶するなり、曲がった腰を伸ばして顔を見て一言
「わあ~綺麗な人やね。旦那さん(違うけど)はこんな美人な奥さんがいて幸せだね~」
と褒めちぎってくれるので私は一瞬でこの古い民宿を気に入ったのですが、
女将さんに
「ごめんね、おばあちゃんちょっと呆けてるから」
と言われ、ビミョーな気分となったのでありました。
その夜、夕食を食べ終わって2人で部屋で寛いでいると女将さんがギシギシと狭い階段を上り、襖をトントン。
ショートケーキ2個と紅茶を持って私たちの部屋に来てくれました。なんだかドラえもんの世界!
「予約の時に誕生日って伺ったから、町まで行っておいしいと評判のケーキ屋で買ってきましたよ。」
このお心遣い!もう嬉しくって。初対面の私に誕生日ケーキを買ってきてくれるなんて!しかも町まで行って…(遠そう…)
私「ありがとうございます!すごく嬉しいです!!」
そして本当においしかった。
元カレ 「電話で誕生日アピっといて良かったなあ。得したなあ。これ、ほんまに美味しいわ」
と、頂いたショートケーキをすごい勢いで食べてながら彼の大好きな「得」を得た事を喜んでおりました。
私は民宿プラスアルファのプレゼントを少しだけ期待していたのですが、その年も何もありませんでした。
と言いますのも、4年ほど付き合っていましたが誕生日に何か物をくれたことは一度もありませんでした。
民宿代は払って頂きまして、それだけでも感謝すべきというのは頭ではわかっています。
物より思い出も良いですが、4年間一度もくれなかったのが逆にすごいと思えてきて、物をくれなかった思い出が今でも色濃く残っています。
ちなみに私は彼の誕生日には年々豪華に(と言ってもそれほどでもないけど)お祝いをするようになっていました。
美味しいレストランを予約して、割と高いワインをがぶ飲みされその場で少し値の張るプレゼントを渡していました。
もうお祝いの気持ちよりも、意地とやけくそみたいな感じでした。ちょっとおかしかったです。
彼の誕生日の数か月後に私の誕生日が来るのですが、毎回へらへらと
「なにも用意してなくてごめんね」
という彼。冗談かと思ったら本当に何もなくそのまま帰って行かれました。
ところで彼の年収は私の5倍くらいはありました。(概算)大変合理的な方だったのでお金をかける価値がないと判断されたのでしょう。
そして、お金をかけずに忘れられない(悪い意味で)人になるという彼の大好きな言葉「得」をきっちり成し遂げられ、レジェンドとなりました。
おめでとう!!!
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