9.傷がついている自分に気がついてあげる本

「  傷を愛せるか/宮地 尚子 」

トラウマ研究の第一人者によるエッセイ。
ちょうど自分で自分に傷をつくってたから惹かれて購入。

◯おしゃべり階段がでてきて懐かしくなる
 母の持ってた漫画を読み漁る小学生時代、くらもちふさこさんやおーなり由子さんなどなどを。
線と円、っていう文字見ただけで急に記憶が蘇る。
口紅を塗ってもらうシーンとかあったな〜。

◯復讐の代わりに赦しを、支配の代わりに約束を
 体育会系の部活に入っていた中学生時代、あるあるな先輩からのお厳しいあれこれを受けて、私たちは後輩にそんなことしないようにしようねと誓った日々思い出す。
どこかでよくない連鎖を自分で断ち切るのが大事よな。自分が断ち切ったところで、それでも連鎖が続くことが多いけど。私はその連鎖にはのりませんよ、っていう姿勢をみせることに意味を感じたい。

◯医療現場の選択にも、十字路とY字路が複雑に入り組んでいるのだろうと思う。
 私のやっていることは本当に相手のための力になれているのか、無力感の渦に飲み込まれる。簡単に、すごくライトにもう終わりにしちゃいたい、って思うことも結構ある。技術然りなのはわかりきってるけど、それでも気持ちをこめた、心からの対応を認めてもらえると、本当に泣きたくなる。

表向きはポジティブに。前向きに。
内心は自己肯定感が低いくせに自分に甘い。
できてない、できない自分を攻撃するのは簡単で正しいことで、
いつも心に切腹してる気分。自分で自分を傷つけているので、許してね、っていう感情もあるのかな。
アンティークみたいなイメージで、
傷があるからこそよい、と思えるくらい、よい傷は積極的に作って、それを愛していきたい。

Aさんのことでは、自分なりによい傷をたくさん作ってる。その傷を癒して愛してくれるのは、自分だけかはたまたAさんか。

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