折角なので名レースを紹介しようのnote ─日本編─


普段は密度の高い競馬キチ向けに書いているnoteですが、せっかくなので今回は広い層向けに意外と知られていない名レースを紹介しようかなと思います。
具体的には
・意外と知られていない日本の名レース
・日本馬の参戦していない海外の名レース
この2つですね。

今回は前者の「意外と知られていない日本の名レース」をやっていきたいと思います。


元祖三強対決!
最強世代「TTG」、最後の勝負
1977年 有馬記念

タイトルホルダーにリバティアイランド、イクイノックス、ドウデュース... 今年の秋競馬は近年稀に見る絶対王者達の激突が見られそうですが、そんな豪華レースの代名詞こそが77年の有馬記念。
同世代の牡馬としてライバル関係であったトウショウボーイ、テンポイント、グリーングラスの3頭。「TTG」として競馬界を盛り上げた3頭ですが、トウショウボーイが引退することになりライバル対決はこれで最後に。
三強対決といえば三冠馬3頭の激突した20年ジャパンカップが記憶に新しいですが、それに押しも押されもしない三強対決は必見です。

なお前年に有馬記念を制したトウショウボーイ、これを制したテンポイント、最後に残り翌々年に引退レースで有馬記念を制したグリーングラスと、3頭共有馬記念を制し年度代表馬になっています。

新旧桜花賞馬対決!
これが逃げ馬!凄まじい二の矢を見よ!
1981年 巴賞

個人的にこのレースはOP戦史上最高のレースだと思っています。
今では聞くことも少なくなった「華麗なる一族」ですが、かつては黄金の馬・ハギノカムイオーや名スプリンターダイイチルビー、そしてその母であり今回紹介するハギノトップレディなど20世紀の日本競馬を大きく盛り上げた一族でした。

追込戦法で活躍した娘とは対照的に、彼女は類まれなる勝負根性とスピードで当時の牝馬路線を圧巻、牝馬二冠馬となりました。デビュー戦の函館芝1000m57.2秒というタイムは40年以上経った今なお破られていない不滅の日本レコードです。

そんな彼女に挑んだのが1つ年下の桜花賞馬ブロケード。奇しくも彼女も逃げ戦法を得意とする馬であり、新旧桜花賞馬対決としてOP戦とは思えない名勝負が生まれました。
また、ハギノトップレディの斤量は59kg、ブロケードは55kgと4kg差。その差をものともしない彼女の勝負根性は正に「二の矢」と言えるのではないでしょうか。

──砂の絶対女王、誕生
1995年 エンプレス杯

時は1995年、オグリキャップらの活躍の影響で中央と地方の交流が進み誕生した地方交流競走。エリザベス女王杯勝ちという称号を引っさげ地方に殴り込んできたホクトベガ。

まさかのGⅠ馬参戦に当時の地方競馬関係者も驚いたそうですが、当時の牝馬の大将格のアクアライデン、ケーエフネプチュンが迎え撃ちます。

待っていたのは大差どころか18馬身という意味不明な着差で始まった、無敵の砂の女王伝説の幕開けでした。

え?女王伝説はどんなものだったのかって?
その説明はこの画像1枚で事足りると思いますね。

日本よ、これが世界だ。
2010年 エリザベス女王杯

2000年代も後半になる頃には、日本に遠征に来た海外馬が勝つこともごく稀になってきました。
そんな中、イギリスとアイルランドのオークス制覇を引っさげて日本に来週した雪の妖精。

2010年頃の日本の競馬ファンの皆様

エリ女への遠征馬もここ最近ずっと馬券内来てへんし、遠征馬自体ここ数年勝負にならへんやん。去年のジャパンカップやってBCターフ連覇のコンデュイット来たけど馬券内にはこーへんかったやろ?

なんて感じで4番人気に舐め腐った日本のファンが目にしたのは「すんごい脚」
まさにエンジンの違う走りで三冠馬アパパネやホエールキャプチャを一蹴しました。

和田竜二の真骨頂!これが闘魂注入だ!
2016年 小倉記念

まずはこちらをご覧下さい。3番の馬をずっと見ておいてください。


ガジガジガジガジ......
和田竜二vsズブ馬、2000mひたすら闘魂注入を続けるリュージです。
和田=ズブ馬のイメージの代名詞とも言えるレースであり、彼の騎乗の魅力が詰まったレースではないでしょうか。

ちなみにこのクランモンタナ、01年阪神牝馬Sの勝ち馬エアトゥーレの息子...つまりシルヴァーソニックのお兄ちゃんでもあります。後に彼は障害転向をして中山大障害にも参戦する名ジャンパーになるのですが、シルヴァーソニックの長距離適性も兄譲りのものだったのかなぁと思ったり。


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