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【POG小噺】狂気のひまわり賞1点狙い戦略【ケイテンアイジン】

さて皆さん、馬券に様々な戦略があるように、POG(ペーパーオーナーゲーム)にも様々な戦略があります。ダート路線狙い・牝馬限定戦狙い辺りはよく聞くんじゃないでしょうか。

今日はそんな戦略の中でも一層イカれた戦略の紹介です。

ひまわり賞って何?

さて、ひまわり賞と一言に言っても意外と知らない方も多いと思いますので改めて紹介したいと思います。

九州産馬のレース体系…というのは北海道産の馬とは幾分か異なりまして、基本的には佐賀競馬や小倉で実施される九州産馬限定戦を戦いながら、ひまわり賞、たんぽぽ賞(佐賀3歳重賞)、霧島賞(佐賀重賞)等の九州産馬限定の高額賞金重賞を目指していく形が基本となります。
要はたんぽぽ賞というのは九州のホープフルSという訳です。
近年の勝ち馬ではヨカヨカ、イロゴトシ辺りは九州産馬の中でも群を抜いて有名ではないでしょうか。

とはいえ、クラシックトライアルレースで連帯していたヨカヨカが極めて外れ値なだけで、生産の規模が小さく馬質や設備の質で劣る九州産馬というのはなかなかPOGでは指名されません。

戦術としての「ひまわり賞狙い」

賞金面

そんな九州産馬ですが、今回伊達や酔狂でPOGで九州産馬を狙ったわけではありません。
よく考えると

  • レース体系が2歳戦特化

  • 九州産馬限定の新馬戦は他の新馬戦同様1着賞金720万円

  • ひまわり賞・たんぽぽ賞等を勝てばある程度の賞金も期待できる

こう考えると案外POG向きな気がしますね。
仮に新馬戦・ひまわり賞…と連勝した場合の賞金は720+1440=2160万円。

現3歳世代で見ると、この賞金ラインなのは皐月賞にも出走したホウオウプロサンゲ。世代の中では大体200番目に賞金が多く、これは同年に登録された国内の全サラブレッドの中でも上位約3%にあてはまる数字です。POGでも2000ポイント越えというのは何気に難しいという実感は経験者の方ならわかると思います。
つまるところ、ひまわり賞勝ち馬を指名するだけで少なくとも1頭分は上位3%に入れるという訳です。
(まぁ未勝利でひまわり賞を制する馬も多いですし、勝ち馬が簡単に分かったら苦労しませんが…)

筆者がこの戦術を行おうとしたのはそこそこ大規模なドラフト形式のPOG。人数が多いドラフト形式の10位指名なんて変な持ち込み馬とかを指名して案の状未勝利で終わるのが例年もパターンだったので、その下位指名枠でこの戦術が成功すればかなりのアドバンテージになります。

2024年特有の事情

そしてもう一つ、今年デビュー世代は特有の事情がありました。
それが

  • 7月小倉開催

  • 新種牡馬アレスバローズ

この2つです。
まず小倉開催に関しては、今年は阪神競馬場改修の関係で中京開催と小倉開催が入れ替わり。中京記念(小倉)なんてトンチキな事態が発生している事でも話題になりましたが、九州産馬限定戦もモロに影響を受けました。例年8月に実施されていた九州産限定新馬戦やひまわり賞が7月に移動、必然的に例年以上の早熟性が求められます。
反面、ひまわり賞→小倉2歳Sのきっついローテを行わなくて済むこと(まぁ今年の小倉2歳は中京開催ですが…)や、番組選択の幅が広がる点は大きなメリットです。

そしてもう一つが(実質)新種牡馬アレスバローズ。
アレスバローズ自体は昨年に産駒がデビューした種牡馬なのですが、2021年に北海道から九州の本田牧場に移動、九州の種牡馬としては2024年デビュー世代が初年度産駒となります。

https://db.netkeiba.com/horse/2012102017/

現役時代の勝ち鞍は北九州記念とCBC賞。OP入りこそ5歳末と晩成傾向でしたが、勝ち鞍自体は中京と小倉の1200mと九州の番組向き。そして特筆すべきはサンデーサイレンス・ディープインパクト系種牡馬である事。

「いやいや、サンデー系なんて珍しくもなんともないでしょ」って?

コレ、九州の主な種牡馬一覧なんですけど…
しれっとロトリゴデトリアーノやらケープブランコやら超弩級の名馬がいる魔境九州

ゴールスキー、ワンアンドオンリーは2022年・2023年から供用開始という事を考えると、九州ではディープインパクト系はおろかサンデーサイレンスすらほとんど入っておらず、アレスバローズにとってはブルーオーシャンということがよく分かります。
競馬ファンならサンデーサイレンス産駒初年度の恐ろしさはよくご存じだと思います。フジキセキにジェニュイン、タヤスツヨシ…
九州は短距離中心の番組構成故にこれまでサンデー系が普及してきませんでしたが、アレスバローズは短距離馬。筆者はアレスバローズが今年の九州でサンデーサイレンス旋風を起こすとと確信していました。

馬選び

そしてどの馬を選ぶか…というところですが、これに関しては今年の3月ごろには決まっていました。
九州産馬の期待株を選ぶ際は、だいたい九州1歳馬市場の落札馬の中から、テイエム牧場・ストームファーム・本田土寿牧場辺りの生産馬の高額落札馬を見ていくのが定石です。

https://db.netkeiba.com/horse/2022109119/

そして選んだのが同セールで715万円の最高額で落札された彼でした。
生産・本田牧場、馬主・岡浩二、谷潔厩舎というヨカヨカ同様の勝ちパターンの陣営。加えて母は2018年のひまわり賞を制したカシノティーダ、半姉には今年のたんぽぽ賞トライアル・ノカイドウ特別を制したカシノディーバという良血。
個人的には三代母サラトガデュー(ロードカナロア祖母)という血統背景も大変気に入りました。ロードバリオスの導入と言いサラトガデューに脳焼かれてますよね本田牧場さん?

こうして選んだ彼を今年の本気POG(ドラフト制)×3、そして父GⅠ未勝利縛りで参加したPOGで指名しました。

結果は…

ケイテンアイジンはPOG雑誌(赤本)に取り上げられるという衝撃の事件もありながらも順調に準備を重ね、6月30日の小倉の九州産馬限定戦を永島まなみ騎手を背に危なげなく勝利。前日にはアレスバローズ産駒が佐賀と小倉で計2勝、特に小倉ではエイヨ―アメジストが大差勝ちと、まさに予見していた通りのアレスバローズ祭りでした。

そしてひまわり賞では…

https://www.jra.go.jp/JRADB/accessS.html?CNAME=pw01sde1010202403070920240720/72

まさかの出遅れからの凄まじい差し切り勝ち。単勝5000円を仕込んでいたのもあり、柄にもなく「差せ!差せ!」と叫んでしまいました。もう脳汁半端なかったですよ。差し・追込の魅力を改めて教えてもらいました。

ひまわり賞1点狙い、大成功でした。

九州産馬の2歳戦は一旦一息つきますが、彼の現役生活はまだ始まったばかり。これからヨカヨカみたいに九州産馬として重賞戦線を賑わせてくれる可能性も十分にあります。ポイントもまだまだ積み重ねてくれるという面でも、九州産馬を代表する活躍という意味でも、これからも期待していきたいところですね。

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