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母子同室のスパルタ入院生活

出産からあっと言う間に一か月が経った。赤ちゃんとの生活にも徐々に慣れ始めた今、母子同室だった産後の入院生活のありがたさをひしひしと感じている。

産院は家から通いやすい総合病院を選んだ。特にこれといったこだわりもなく立地のみで選んだが、後になって無痛分娩の有無やエコーなどの設備面、入院中の食事や個室の有無など、こだわればいくらでも選択肢があることを知った。

出産した総合病院では無痛分娩の選択はできず、エコーは2Dだけ。入院中は大部屋のみで、出産当日から母子同室という病院だった。母乳育児を推進する病院だったため、入院中の授乳指導が厳しいらしく、口コミには賛否両論あった。

母子同室は基本的に出産当日からスタートするが、自分の場合は分娩時の傷が酷く、点滴やら導尿やらにつながれていたため翌日からのスタートだった。入院中はコットに入った赤ちゃんと24時間共に過ごすため、トイレもシャワーも気ままに利用できず、コットのワゴンをガラガラ引いてその都度新生児室に預けなければいけない。産後は尿意のコントロールが難しいこともあり、行きたいタイミングでトイレに直行できないのは苦しかった。

授乳は病室か授乳室で行うが、4人の相部屋のため泣き声が気になり、授乳室に向かうことが多かった。授乳室には24時間体制で助産師さんが数名控えており、授乳指導や相談に応じてもらえる。母乳育児を推進する産院であったため、退院後の母乳育児を軌道に乗せるために、文字通り手取り足取り熱心な指導が入る。

傷が痛み歩くのもままならない中、コットにすがりながら牛歩で授乳室と病室を往復し、24時間頻回授乳を繰り返す。入院中は母乳の分泌もわずかで、吸う側も初心者であるため、一度に飲める量が少なくすぐにお腹がすく。

「3時間おき授乳」とはよく言ったもので、少なくとも出産後しばらくは2時間を切るスーパー頻回授乳になる。しかも吸い始めるとものの3分くらいで疲れて寝てしまうので、起こしながら飲ましていると、1回の授乳に1時間近くかかったりする。そうなると、もはや前回の授乳時間が・・とか言っている場合ではない。授乳を終えて病室に移動して間もなく、次の授乳時間になる。

例え母乳が出ていなくても、吸わせれば吸わせるほど分泌量が増えていく、とのアドバイスに、「よっしゃ、とことん吸わせたろ!」とやる気を出し、24時間ぐずるたびにとりあえず授乳した。21時から朝の5時まで1時間ごとに授乳した日もあった。(みかねた助産師さんが、少し寝た方がいいよと午前の数時間赤ちゃんを預かってくれた笑)

精神的にも肉体的にもなかなかハードな5日間だったが、退院した今思うのは、あの5日間があって本当に良かったということ。

授乳室に行けば必ず助産師さんが声をかけてくれて、時間をかけて育児指導をしてくれる。10名程の助産師さんが日勤夜勤を交代で担当していたが、各助産師さんに母体と赤ちゃんの状況がしっかり引き継がれているため、余計な説明をする必要もなく、本当にきめ細やかにケアしていただいた。

産後1ヶ月が経つ今、特に何のトラブルもなく完母育児を続けられているのは、助産師さん方の指導のたまものである。本当に感謝しかない。

あの入院生活があったおかげか、退院後の育児ルーティーンにさほど負担感は無く、心に余裕をもって赤ちゃんと向き合えている。第二子を産む機会があったら、次もまた母子同室の産院を選びたい。

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