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竹富島との邂逅。

人生3度目。この夏、とても久し振りに竹富島を訪れた。「なぜ行くことにしたのか?」という理由は後付けでいくらでも語れるけれど、シンプルに「来たかった」というのが1番の理由だ。

飛行機のチケットと民宿の予約を取ったのは出発の1週間前。そもそものキッカケになったのは、その10日前に目にした知人のSNSだった。

「竹富島にいます」

私にとって、竹富島は思い入れがある土地だった。今は過去、これまでの人生で間違いなく1番ハードだったといえる出来事にようやく方が付いて、無自覚ながらも心身ともに疲弊していた時がある。そんな時に友人に誘われて飛行機で飛び、フェリーで海を渡って訪れたのが竹富島だった。

初めての竹富島

石垣空港から船に乗りやってきた竹富島は、信号もなければ電灯も少なく、牛車が道を歩き海の音が聞こえて、超・超のどかです。なのでちょっとセンチメンタルにもなる。
何度も見てはいるものの、船にも乗っているものの、入るのは初めて!! の海に入水!! 最初冷たいわ、なまこが不気味だわ、水が塩っぱいわ、足元のサンゴが痛いわ・・・超! 超! 楽しかった!!! やばし。海きもちいい。
沖縄の海は天気や時間によって簡単にその表情を変えます。めっっっっっちゃ綺麗。この青がとても、とても綺麗。そしてガンくれる猫がもぉ可愛い。のどかだぁーーーー、電波も入らず、時間も分からず、ただの私で過ごしています。

当時の日記

当時、初めての沖縄。初めての離島。初めての海。何もかもが初めて尽くしで新鮮だった。けれどそれらが落ち着き、美しく穏やかな自然にただ触れる静かな時間が訪れると、なんだか泣きそうになる自分がいた。(実際に少し泣いた。)

携帯の電波が3Gでぜんぜん何も繋がらなくて、だからこそ凄くボーーッとできてやばい、 なんか泣きそう。つかれてたんだなぁ。

当時のつぶやき

傷心旅行という言葉があるが、私にとって1度目の竹富島は自分が傷心であったことに気づくための旅だったように思う。内側にある頑なだった何かを癒し、赦し、溶かしゆくものが、竹富島の自然にはあった。この旅がなかったら、過去の私はうまく立ち止まることができなかったかもしれない。それ以来、竹富島は私にとって特別な土地になったのだ。

2度目の竹富島

「また来たい」

そう思いながら中々次の機会はなく、再び私が竹富島を訪れたのは5年の月日が経過した頃だった。知人の主催するリトリートの開催地が竹富島で、「竹富島に行きたい」という気持ちから参加することにした。当時はコロナ禍ということもあり県外の移動にはPCR検査が必須で、陰性結果を手に少し緊張しながら空港に降りたのを覚えている。

昨日から竹富島に来ており、日常から離れたところで色々と感じ、思考する時間を過ごしています。竹富島は5年ぶり2回目。竹富島は私にとって人生で初めて入った海がある場所で、「また来たい」と思う場所でした。
色彩が鮮やかな竹富島では時間の流れ、空気の流れがとても穏やかで。それでいて感覚刺激がとても多く、わずかな時間でとても情緒を揺さぶられます。ご時世的に色んなアクティビティはお休みとなっているそうですが、それらがなくとも窓から外の景色を眺めたり、ふらりと外を散歩するだけで余りある刺激を受けとることができます。

過去に縁あって訪れた場所をもう一度、今度は自分の意思で訪れることがここ何年かで何度も起こっているのですが、その度に当時の自分を思い起こしては懐かしさを感じ、その時その時に精一杯で生きていた自分を改めて認め、静かに讃えるような感覚と共に、今の自分がもう過去の自分とはまるで違う別の人間であることをまざまざと感じます。

当時はそうだった。そう生きた。そう思考して、それを選んだ。けれど今はもうそうではないから、そう生きることはしない。そもそもの思考が違うから選ぶものもまるで違う。改めて、過去は過去でしかなく今も今でしかなく、そんな今もやがては過去になり、その時の自分ごと懐かしさを覚える一方で、けれどただそれだけのものになるんですね。

今度はいつまたここに来るんだろう。またすぐかもしれないし、ずっと先になるかもしれない。いずれにしてもまたその時の私もきっと、私でしかないんだろうな。

当時の日記

かつて初めての海を体験したコンドイ浜に再びやってきた時、目の前に広がる変わらない景色に嬉しさが湧き上がった。大好きな海。還ってきたかった場所。遠浅の海に膝下までをつけて、冷たくて心地良い海水の流れを感じながら浜からできるだけ遠いところへと歩く。

還ってきた。還って来れた。それも、過去とは違った自分で。2度目の竹富島は、ただそのことが嬉しかった。

3度目の竹富島

そして今回3度目となる竹富島への訪れ。3度目にして初めて(というか人生を通して初めて)一人旅をすることになった。移動はもちろん、現地で誰かと合流することもない。「竹富の海に還る」という目的はあるけれど、他は何も決まっていない中で2泊3日の時を過ごす。民宿に着くまではどこか緊張感があって落ち着かずにいた。けれどその分、無事にチェックインを済ませた頃には1つ何かをやり遂げた気持ちになった。

「竹富島に来た」

これまでとはまた違った竹富島になるだろう。思い入れのある3度目のこの場所で、私は何を感じるだろう。

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