デッキのタネ -天才のひらめき- Vol.2
≪デッキのタネ -天才のひらめき- とは?≫
あまりメジャーではないカード、新しくリリースされたカードのシナジーやコンボになりそうな気付き/アイデア。
そういった「それだけではデッキになりきれないが、可能性を感じられる気付き/アイデア」を紹介していきます。
そして、あわよくば読んでくれた方々がそれをデッキへと昇華してくれることを期待するコーナーでもあります。
※主に、エターナル環境の話がメインになります。
こんにちわ。
Mana Capsule東京支部のNinjiNです。d('A' )
世間では史上2回目の緊急事態宣言が行われたこともあり、紙でのマジックの機会が減ってきてしまって新しいデッキを作って試す機会が無い…!!
そんな中ですが、マナカプのグループチャットは通常営業。
新エキスパンションである「カルドハイム」のカードが日々公開される度に色々なアイデアが飛び交っております。
今回の記事は「カルドハイム」のカードもいくつか紹介します。
このマナカプからのフラッシュアイデアのブン投げを受け取り、是非デッキへと昇華してください!!
■《船殻破り/Hullbreacher》×《ボガーダンの金床/Anvil of Bogardan》
「統率者レジェンズ」で登場した問題児。
船殻破り/Hullbreacher
(2)(青)
クリーチャー — マーフォーク(Merfolk)・海賊(Pirate)
瞬速
対戦相手が、自分の各ドロー・ステップ内で初めて引くカード以外のカードを1枚引くなら、
代わりに、あなたは宝物(Treasure)トークンを1つ生成する。
3/2
対戦相手の追加ドローを咎める能力を持っており、相手がキャストしたドロースペルに合わせて出すことで大きなアドを得ることができます。
迂闊にキャストした《渦まく知識/Brainstorm》に合わせられると、そのままGGとなるくらい強力なクリーチャーです。
そんな強力な能力
“能動的に”使わないと損ですよね。
能動的に能力を誘発させるために、レガシー界隈では《永劫のこだま/Echo of Eons》《一日のやり直し/Day's Undoing》が相棒に選ばれております。
レガシー神であるMOパンダさんもこれらのパッケージを様々なデッキに入れ込んで、様々な「やり直し●●デッキ」を日々試しています。
\(自分だけ)たくさんドローしようぜ!/
…ですが、《永劫のこだま》も《一日のやり直し》も単体ではちょっと使いづらいカードです。
単体だけでも仕事をして《船殻破り》の能力を能動的に使えるようなカードとして、こんなのはどうでしょうか?
ボガーダンの金床/Anvil of Bogardan
(2)
アーティファクト
プレイヤーの手札の枚数の上限は無くなる。
各プレイヤーのドロー・ステップの開始時に、そのプレイヤーは追加のカードを1枚引き、
その後カードを1枚捨てる。
《吠えたける鉱山/Howling Mine》のような追加ドローを発生させるアーティファクト。大きく違う点としては、同時にディスカードをするので手札が増えないところです。
では、《ボガーダンの金床》と《船殻破り》がある状態で、対戦相手のドロー・ステップが来るとどうなるでしょうか?
ちょっとルール的に細かい部分になるので、wikiよりドロー・ステップの処理を転載します。
ドロー・ステップ開始時に、アクティブ・プレイヤーはカードを1枚引く。
この行動はターン起因処理であり、スタックを使用しない。
続いて、ドロー・ステップ開始時の誘発型能力が誘発する。
その後、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。
対戦相手はドロー・ステップのカードはドローできますが、その後の《ボガーダンの金床》で発生するドローは《船殻破り》によって防がれてしまい、ディスカードだけすることになります。
つまり、対戦相手だけ手札が増えない状態になる!強い!!!
《ボガーダンの金床》はドローの質を上げてくれる能力なので、単体でポン出ししても大丈夫!すごい!!!
むしろディスカードで《永劫のこだま》を捨てられたらアド!宇宙!!!
青白ボンバーマンとかにこのパッケージ入れられないかな!!!!
あとはよろしくお願いします
※《ボガーダンの金床》の誘発スタックでドローしたカードを使用することはできるため、完全な手札ロックにはなりません。
※《ボガーダンの金床》のポン出しに合わせて、相手が《船殻破り》を出してくると、見事な友情コンボになるのでご注意ください。
※《ボガーダンの金床》は再録禁止カードなので、気になる方はお早めにどうぞ。
■《船殻破り/Hullbreacher》×《精神の輝き/Minds Aglow》
話題の《船殻破り》を紹介させてもらったので、もう1つ新しい相棒の提案をさせてください。
前述した通り、現在のメジャーな相棒である《永劫のこだま》と《一日のやり直し》はマナコストがプチ重なところがちょっと使いづらいと思います。
カウンターされると隙が大きくなり、キャストに合わせて《船殻破り》を除去されてしまうのも悲しいですね。
相棒の要件に「隙が少ない」=「マナコストが低い」というものが求められる今、こんなカードはどうでしょうか?
精神の輝き/Minds Aglow
(青)
ソーサリー
同調 ― あなたから始めて、各プレイヤーは好きな点数のマナを支払ってもよい。
各プレイヤーはカードをX枚引く。
Xはこれにより支払われたマナの点数の合計に等しい。
なんと“1マナ”の相棒です!!(ソーサリーですが)
パッと見では、ただのXドロー呪文に思われがちですが、このカードの良いところは「解決時にXコストを支払う」という点です。
《精神の輝き》がカウンターされず、さらに《船殻破り》が除去されていなかった場合は、コントロールする全ての土地から出るマナを注ぎ込むと、その分だけカードと宝物トークンが手に入ります。
カウンターされてしまっても1マナなので隙は少なめ!
キャストに合わせて《船殻破り》が除去されてしまったら同調は無視すればOK!!
大量ドローと宝物トークンから、次の《精神の輝き》に繋げて…みたいなグルグル繋がる可能性もゼロではない!!!!
あとはよろしくお願いします
※《永劫のこだま》《一日のやり直し》に比べて、単体での使いづらさがあるので、もう少し何かメリットが無いと厳しめか…。('A' )
■宮廷サイクル ×《運命のちらつき/Flicker of Fate》
次は「統率者レジェンズ」で登場した「宮廷サイクル」です。
恩寵の宮廷/Court of Grace
(2)(白)(白)
エンチャント
恩寵の宮廷が戦場に出たとき、あなたが統治者になる。
あなたのアップキープの開始時に、飛行を持つ白の1/1のスピリット(Spirit)・クリーチャー・トークンを1体生成する。
あなたが統治者であるなら、代わりに、飛行を持つ白の4/4の天使(Angel)クリーチャー・トークンを1体生成する。
狡猾の宮廷/Court of Cunning
(1)(青)(青)
エンチャント
狡猾の宮廷が戦場に出たとき、あなたが統治者になる。
あなたのアップキープの開始時に、望む数のプレイヤーを対象とする。
それらのプレイヤーはそれぞれカードを2枚切削する。
あなたが統治者であるなら、代わりに、それらのプレイヤーはそれぞれカードを10枚切削する。
緑以外の宮廷は、それぞれが単体だけでもフィニッシャーになれるポテンシャルを持っています。
ただし、安定して自分が「統治者」でアップキープを迎えられる状態であることが求められます。
その状態を作るために「宮廷を設置してから、どのように相手のターンで統治者を奪われないようにするか」を色々なプレイヤーが悩み、考えていると思います。
現状では、
・コントロールしきった状態で設置する
・コントロールデッキ相手にサイドインする
といった運用に落ち着いているように感じています。
いや、相手のターンに出せば解決じゃね?
運命のちらつき/Flicker of Fate
(1)(白)
インスタント
クリーチャー1体かエンチャント1つを対象とし、それを追放する。
その後、それをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
テフェリーの時間改変/Teferi's Time Twist
(1)(青)
インスタント
あなたがコントロールしているパーマネント1つを対象とし、それを追放する。
次の終了ステップの開始時に、そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
それがクリーチャーとして戦場に出るなら、それは+1/+1カウンターが追加で1個置かれた状態で戦場に出る。
全ての宮廷サイクルは「戦場に出た時に統治者になれる」というテキストを持っています。
そこで「インスタントタイミングで宮廷をちらつかせる」というアイデアです。
対戦相手が予期しないタイミングでのちらつき、そして統治者を奪うことによるアド(対戦相手の追加ドローを防ぐ)、アップキープを迎えた時の爆発力…ワクワクしませんか?
あとはよろしくお願いします
※「インスタントでエンチャントを対象にちらつかせるカード」が長らく存在していませんでしたが、「灯争大戦」と「テーロス還魂記」という近年のエキスパンションで次々に登場しました。前述した2種類8積みができるので、他にエンチャントでちらつかせると爆アドになる組み合わせがあるかもしれません。
■《魔力景の屈折体/Manascape Refractor》×《変わり谷/Mutavault》×《グリフィンの峡谷/Griffin Canyon》
こちらの内容はマナカプ内のアイデアではありませんが、Twitterで見かけてめちゃくちゃ気になったので紹介させてください。
主役となっているのはこれらのカード。
魔力景の屈折体/Manascape Refractor
(3)
アーティファクト
魔力景の屈折体はタップ状態で戦場に出る。
魔力景の屈折体は、戦場にある土地すべての起動型能力をすべて持つ。
あなたは魔力景の屈折体の起動コストを支払うために、マナを望む色のマナであるかのように支払ってもよい。
変わり谷/Mutavault
土地
(T):(◇)を加える。
(1):ターン終了時まで、変わり谷はすべてのクリーチャー・タイプを持つ2/2のクリーチャーになる。それは土地でもある。
グリフィンの峡谷/Griffin Canyon
土地
(T):(◇)を加える。
(T):グリフィン(Griffin)1つを対象とし、それをアンタップする。
ターン終了時まで、それがクリーチャーであるなら、それは+1/+1の修整を受ける。
手順①
《変わり谷》と《グリフィンの峡谷》が戦場にある状態で《魔力景の屈折体》を《変わり谷》の能力で「多相の2/2クリーチャー」にする。
手順②
《魔力景の屈折体》が持つ《グリフィンの峡谷》を自身を対象に起動すると、+1/+1したうえで自身がアンタップする。
手順③
手順②を繰り返して無限パンプアップ!!
というコンボです。
「統率者2020」という影の薄いセット(主観)と、「ビジョンズ」という古のエキスパンションが繋がった衝撃。これに気が付くのは凄い。
3枚コンボなので一見揃えるのが大変かと思いましたが、全て無色(かつ2枚は土地)なので幅広いデッキに入れることができる可能性があります!
《魔力景の屈折体》はアーティファクトなので、《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》からサーチしてくることも可能!!
2枚の土地もアンタップインで無色マナが出るのでさらに相性良さそう!!!
プリズンとかストンピィでワンチャンあるのでは!!!!!
あとはよろしくお願いs
と記事を書いていたら、すでに結果出しちゃったみたいですねw
※例のごとく《グリフィンの峡谷》は古のエキスパンションのカードなので、再録禁止になっております。気になる方はお早めに。
■《多元宇宙の警告/Behold the Multiverse》×《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》
ここからは新エキスパンション「カルドハイム」のカードに注目した内容になります。
記事の執筆時点ではフルスポイラーはまだ出ていませんが、すでにエターナル環境でも活躍できそうな強力なカードやキーワード能力が見られますね。
コンボ視点から悪さができそうなキーワード能力といえば「予顕」です。
多元宇宙の警告/Behold the Multiverse
(3)(青)
インスタント
占術2を行い、その後カードを2枚引く。
予顕(1)(青)
(あなたのターンの間、あなたは(2)を支払って、あなたの手札からこのカードを裏向きに追放してもよい。後のターンに、これの予顕コストでこれを唱えてもよい。)
「予顕」は「前のターンにコストの前払いをしておくことで、実際に使用するターンのコストを下げる」というキーワード能力になります。
この「予顕」が強いと思うのは、「コストが下がる」という部分ではなく、「手札からカードを追放する」…いや、「手札を追放領域に逃がす」という部分です。
カードが追放領域に行ってしまうので、ハンデスに引っかからなくなるだけでなく、手札が無くなったり、手札がリフレッシュされるような効果に影響を受けなくなります。
ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond
(0)
アーティファクト
あなたの手札を捨てる,ライオンの瞳のダイアモンドを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ3点を加える。
この能力は、あなたがインスタントを唱えられるときにのみ起動できる。
例えば、カードを予顕で追放しておけば《ライオンの瞳のダイアモンド》を起動して得たマナをそのカードに使用することができます。
昨今のレガシーで活躍しているDoomsdayデッキで新しいルート/パイルができるかも!!!!
知らんけど
(有識者の方が研究されるはず)
その他にも《一日のやり直し》のような手札がリフレッシュされる効果を受けても、予顕しておいたカードは影響を受けません。
こういった悪用を考えられるキーワード能力はワクワクしますね。
今後、さらなるヤバい「予顕」カードが公開されることに注目です。
あとはよろしくお願いします
■《神秘の反射/Mystic Reflection》×《波使い/Master of Waves》
続いては、ちょっと特殊なコピー能力を持つこのカード。
神秘の反射/Mystic Reflection
(1)(青)
インスタント
伝説でないクリーチャー1体を対象とする。
このターン、次にクリーチャーやプレインズウォーカー1体以上が戦場に出るなら、
それらはその対象にしたクリーチャーのコピーとして出る。
予顕(青)
(あなたのターンの間、あなたは(2)を支払って、あなたの手札からこのカードを裏向きに追放してもよい。後のターンに、これの予顕コストでこれを唱えてもよい。)
自分のクリーチャーを戦場のクリーチャーのコピーにしてもよし、相手のクリーチャーを弱いクリーチャーとしてしまうもよし。
プレインズウォーカー呪文への対策としても使えるタイミングがあるので、一見尖っていそうで実は丸いように思います。
…で、このカードですが、もうすでに色んなところで話題になっているので、細かいことは割愛します。
《波使い/Master of Waves》のCIP能力(トークン生成)にスタックして、《波使い》を対象に《神秘の反射》をキャストすると、めっちゃトークン出るよ!!!
波使い/Master of Waves
(3)(青)
クリーチャー — マーフォーク(Merfolk)・ウィザード(Wizard)
プロテクション(赤)
あなたがコントロールするエレメンタル(Elemental)・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
波使いが戦場に出たとき、あなたの青への信心に等しい数の青の1/0のエレメンタル・クリーチャー・トークンを生成する。
2/1
これだけだとモダンレベルかなと思いますが、《神秘の反射》が他にも美味しい組み合わせができるようであれば、爆発力のあるコンボなので一気にレガシーレベルに上がってこられるのではないかと思っています。
あとはよろしくお願いします
■《嘘の神、ヴァルキー/Valki, God of Lies》× 続唱
最後は、ついにアイツが帰ってきた!
≪表面≫
嘘の神、ヴァルキー/Valki, God of Lies
(1)(黒)
伝説のクリーチャー — 神
嘘の神、ヴァルキーが戦場に出たとき、すべての対戦相手は自分の手札を公開する。
対戦相手1人につき、そのプレイヤーがこれにより公開したクリーチャー・カード1枚を、
嘘の神、ヴァルキーが戦場を離れるまで追放する。
(X):嘘の神、ヴァルキーによって追放されていて点数で見たマナ・コストがXであるクリーチャー・カード1枚を選ぶ。
嘘の神、ヴァルキーはそのカードのコピーになる。
2/1
≪裏面≫
星界の騙し屋、ティボルト/Tibalt, Cosmic Impostor
(5)(黒)(赤)
伝説のプレインズウォーカー — ティボルト
何か能力たくさん
みんな大好きティボルトさん!!
…で、こちらのカードも話題になっちゃっているので割愛w(みんなティボルトさん好きだと思うので挙げさせてもらいました)
《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》とか《断片無き工作員/Shardless Agent》をキャストして、その続唱で《嘘の神、ヴァルキー》が捲れると、何故か《星界の騙し屋、ティボルト》が飛び出してくるよ!!!!
「出来事」でも同様の処理でちょっと怪しい感じはしていましたが、そこまで悪さはしていませんでした。(《亜麻色の侵入者/Flaxen Intruder》を捲って《おかえりなさい/Welcome Home》を唱える)
しかし、今回はちょっとやっちゃってる感が強いので、ルール改定が来そうな案件だなとw
(ルール改定無ければ)
あとはよろしくお願いします
■まとめ
今回の記事は以上になります。いかがでしたでしょうか。
今回紹介したアイデアが少しでも読んでくれた方のインスピレーションを刺激できたのであれば嬉しいです。
それにしても、昨今のカードパワーの高まりは凄いですね。
\1マナ1/2 飛行 先制攻撃/
いや、強くね?w
こういった単純なカードパワーを高めるよりも、新しいデッキ/シナジー/コンボを考えたくなるカードの収録を期待したいですね。(あわよくば僕の大好きなThought Lashデッキを強化するパーツを)
それではまた次回のデッキのタネをお楽しみに。
Mana Capsuleからブン投げられるフラッシュアイデアを見逃すな!!
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