【ソニックブランディング】音響環境: 売り上げが激増するBGMデザイン
私の考えるBGMの役割を書きます。
BGMの役割
なぜBGMが重要なのか?
自分なりの回答がある。
基本の考え方としては、BGMは"聴かせる音楽"として考えない方が良い。
ライブやクラブなどの類の、音楽鑑賞目的で流すと、逆効果の場合がある。
日本古来の音風景
BGMの定義は広義であり、自然音も立派なBGMである。
言い方を変えると、サウンドスケープという概念である。
日本は自然の美しい国であり、その自然音から影響され独自のサウンドが豊かに存在している。
風鈴や水琴窟、お祭りの音など、日本独自のサウンドデザイン文化がある。
例えば、お祭りの際、BGM(お祭りの音)無しの無音だったらどうだろう?
お祭りは、以下のようなBGMがあるからこそ、”雰囲気”が作られ風情なんだと思う。
日本人は面白くて、日本語は擬音語や擬態語が豊富に使われる言語としても有名で、例えば雨の音を表現する言葉は多彩だ。
場の雰囲気を文字で表現するため、雨の音を言語化する日本人は素晴らしいと思う。
雨音だって、立派なBGMである。雰囲気を作っているのだから。
日本は歴史的に音文化が豊かで、それが受け継がれ、現代の音風景作り出している要因の一つであろう。
風景とは雰囲気である。風景に音は欠かすことができない。
音は音楽の一部であり、BGMになる。
BGMはその場の雰囲気を作る。
マスキング効果
そもそもなぜBGMを流しているか、考えるべきである。
大体の人がBGMを流している理由を予想すると、3つある。
しかし、なぜBGMを流す必要があるか、本当の理由をしっかり考えてほしい。
自社のロゴデザイン、インテリアデザインなど、外観のデザインは気にするが、目に見えない音のデザインは軽視しがちである。
例えば、マスキング効果のためのBGMという観点で考えてみよう。
もう一つの効果は、BGMを流すことによって、自分の会話を周りに聞こえづらくし(マスキングする)、プライベート空間を作ることにが出来る。
マスキング効果が不必要な自然音豊かな場所にあるカフェのBGMと丸の内のカフェのBGMが同じである必要があるのか?
もし私が、自然音豊かなカフェのBGMを選曲するなら、自然音を聞かせるために、隙間がある音楽を選ぶと思う。音数が少なく、音と音の間があるような音楽だ。
デザインされたBGMプレイリスト
世界的音楽家の坂本龍一さんは、レストランやお店向けのBGMプレイリストを提供し、BGMがお店の雰囲気や味覚にも大きな影響を与えることを示唆している。
https://courrier.jp/news/archives/130623/
BGMはデザインされた要素であり、その重要性を再評価することが求められている。
一方、Tei Towaさんも、INTERSECT BY LEXUSで流れる音楽の選定を行なっている。毎月1回のペースでオリジナルMIXを提供している。
微力ながら、私も2019年に、we+がデザインする表参道ヒルズのクリスマスツリーへの楽曲提供をした時、ヒルズ内のクリスマスミュージックのプレイリストも提供させてもらった。
意識したのは3点。
1の理由は、他の施設のBGMと差別化するためである。あとは、なるべく空気のようなBGMを流したかった。
あくまでメインは、表参道ヒルズ店内とクリスマスツリーである。
BGMはその場の雰囲気を良くするサポート役に徹したかった。
2の理由は、表参道ヒルズはバランスの良いラグジュアリーな施設だ。
誰でも入店できるカジュアルさがありながら、高貴な雰囲気も持っている。この絶妙はバランスの良い高級感を出すため、BGMはアナログ感がある温かい中低域が豊かな曲を選んだ。
最後の3の理由は、BGMテンポを遅くして、お客様の歩く速さを遅くして、なるべく表参道ヒルズ内に滞在してもらいたいという狙いである。
クラシック音楽は高級品を買わせる力がある?
こんな記事がある。
人は、音楽を聴くことによって無意識に行動が変わってしまう。
クラシック音楽 = 高級という固定観念があり、それが自分の無意識な感情を刺激し、いつもと違う行動をしてしまう。
BGMにはそういった力もあり、主にマーケティングとして考えているブランドも増えてきた。
これは、新しいブランディングの一つであり、ソニックブランディングが注目されている理由である。
デザイン、ブランディング、商品開発などあらゆるサービスは総合的に考えるべきで、音楽家はアルバム制作やライブパフォーマンスだけではなく、ロゴデザインやブランディングにも参加できるポテンシャルがあると思っている。
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