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食あたりと空腹

もう2年ほど前の出来事になるのですが、外食したときにひどい食あたりになったことがあります。そのときに、面白かったのが(いや、事態そのものは少しも面白くなかったのですが)、食あたりの焼け付くようなお腹の感じを、激しい空腹と錯覚したことです。お腹を下してゆるくなっているにも関わらず、そちらに気をとめずに、「入れる分が足りないから不調を来してる」と言わんばかりの暴食でそれに応えるという奇妙な状況。

さすがに2日後に食欲がなくなっても下痢が続くし、発熱したので気づいたのですけれども。

この一件は、自分の感覚というのも自分自身のことを知るのに必ずしも正確な情報をくれるわけでもないんだな、って教訓になっています。これ以外にも、睡眠をとるのが一番マイルドな解決策になるような、不安がある状態で眠れない。睡眠不足が引き起こしたハイな気分で動き回って消耗する、なんていうのも多くの人が経験されてることかもしれません。まあ、自然界なら脅威が迫っている状態で疲れて寝てしまったら生き残れなかっただろうな、と考えると、妥当なメカニズムなんでしょう。問題は、受験も恋愛も仕事も家庭も、闘争逃走の二択によって解決できない方にあります。歴史的には役割を果たしたものもいまでは当てにならないわけです。

何が正しいかどうかは頭で考えるものではなくて感じるものだ、などという人が実際問題どれくらいいるかは知りませんが、感じというのは事態を知るために不正確なものだと私は思います。測定しているものと測定したいもののあいだにズレがあるものなんですね。

だから、頭で考える。こちらも各種バイアスが示すように割といい加減にできているのですが、体で感じるだけよりは頭も併用したほうがうまくいく場合が多いと思います。

問題は頭の方も一緒になって誤答しちゃうことなんですけどね。食あたりのときの「異常な空腹」はまさしく異常だった、それは正しいけど、下痢と合わせて良い判断をくださなくてはならないわけです。医療の初心者が、間違ったアラートのもとに。こういうとき、どうすればいいんでしょうね。

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