見出し画像

【病理学】塩基性フクシンを使う染色法

 このアカウントでは二級病理検査士や臨床検査技師の資格取得を目標にされている方に向けて、ゴロを交えながらわかりやすさを意識して情報を発信しています。

 今回は、試験対策として塩基性フクシンを使う染色法をピックアップしてまとめてみました。

【塩基性フクシンを使う染色法】


 ▶エラスチカ・ワンギーソン染色
 ▶PAS反応
 ▶フォイルゲン反応
 ▶チール・ネルゼン染色
 ▶グリドリー染色
 ▶アルデヒドフクシン染色

【ゴロ:え?フォアグラはパス?延期なら寝る】
え?(エラスチカ・ワンギーソン)フォ(フォイルゲン反応)ア(アルデヒドフクシン)グ(グリドリー)ラはパス?(PAS反応)延期(塩基性フクシン)なら寝る(チール・ネルゼン)

【エラスチカ・ワンギーソン染色について】

 ▶ワイゲルトのレゾルシンフクシンを使用
 ▶弾性線維の染色法の一つ
 ▶弾性線維を紫黒色に染める

弾性線維以外も染め分けますので簡単に表にまとめてました。

エラスチカワンギーソンの表

【PAS反応について】

 ▶シッフ試薬を使用(塩基性フクシンのパラローズアニリン含む)
 ▶中性粘液多糖類の染色法
 ▶過ヨウ素酸で対象を酸化、アルデヒド基と反応で赤紫色
 ▶カンジダなど真菌や赤痢アメーバなども染め分けられる

PAS反応は日常検査でもよく使われています。
陽性の物質が多いので省略していますが、国家試験では腎臓の糸球体のPAS反応標本が図で出たりしますね。

【フォイルゲン反応について】

 ▶シッフ試薬を使用(塩基性フクシンのパラローズアニリン含む)
 ▶DNAの染色法
 ▶塩酸で生じたアルデヒド基とシッフ試薬を反応させる
 ▶DNAを赤紫色に染める

同じくDNAの染色でメチル緑・ピロニン染色があります。
そちらはDNAをメチル緑で緑色に、RNAをピロニンで赤色に染色します。
日常検査ではどちらもやったことないです。


【チール・ネルゼン染色について】

 ▶塩基性のカルボール・フクシンを使用
 ▶結核菌などの抗酸菌の染色法
 ▶抗酸菌を赤く染める

抗酸菌の染色といえばチール・ネルゼン染色。
蛍光染色による検出法もあります。

【グリドリー染色について】

 ▶シッフ試薬を使用
 ▶真菌を染め分ける染色法
 ▶クロム酸で酸化、アルデヒド基と反応して赤紫色

こちらの染色法もシッフ試薬を使います。
また、グロコット染色が真菌の染色法で最も有名です。


【アルデヒドフクシン染色について】

 ▶アルデヒドフクシン液を使用
 ▶弾性線維を染める染色法の一つ
 ▶HBs抗原や膵ランゲルハンス島B細胞なども青紫色に染まる

膵ランゲルハンス島B細胞はアルデヒドフクシン染色、A細胞はグリメリウス染色で検出できます。


 塩基性フクシンを使う染色法を6つ挙げましたが、いかがでしたか?
臨床検査技師国家試験でも二級病理試験でも出題される所なので、今一度確認して取りこぼしのないようにしていきましょう。

【練習問題】

Q.酸性のフクシンを使う染色法はどれか

1.マッソントリクローム染色
2.フォイルゲン反応
3.チール・ネルゼン染色
4.ワンギーソン染色
5.PAS反応

答え1.4 
【解説】塩基性フクシンもあれば酸性フクシンもありますよね。
酸性フクシンはマッソントリクローム染色とワンギーソン染色で使うので覚えておきましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?