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【病理学】悪性リンパ腫について

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 今回は悪性リンパ腫についてまとめていきます。
悪性リンパ腫についての問題が、第67回臨床検査技師国家試験のAM57で出題されていましたね。私自身普通にわからなかったので調べて勉強し直そうと思いまとめてみました。


 【悪性リンパ腫とは】

リンパ節もしくはリンパ組織を構成する細胞に由来する非上皮性の悪性腫瘍の総称。Hodgkin(ホジキン)リンパ腫と非Hodgkin(ホジキン)リンパ腫に分類される。

 悪性リンパ腫の中でも、Hodgkin(ホジキン)細胞リード・シュテルンベルグ細胞といった大型の細胞が見られる場合にHodgkin(ホジキン)リンパ腫と分類するそうです。リード・シュテルンベルグ細胞は二核でフクロウの目のように見える特徴があります。

 【Hodgkin(ホジキン)リンパ腫について】

 ▶日本の悪性リンパ腫患者の約5~10%を占める。
 ▶ホジキン細胞やリード・シュテルンベルグ細胞が見られる。
 ▶B細胞由来とされている
 ▶古典的ホジキンリンパ腫と結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫とに分類される。

 
 日本では非Hodgkinリンパ腫が悪性リンパ腫の約9割を占めています。
非Hodgkinリンパ腫はB細胞性、T細胞/NK細胞性に分けられるのですが、B細胞性の悪性リンパ腫の頻度が高いです。

 【非Hodgkin(ホジキン)リンパ腫について】

 ▶日本の悪性リンパ腫の約90%を占める。
 ▶細胞の起源からB細胞性、T細胞/NK細胞性に分けられる。
 ▶びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫が最も頻度が高い

 びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫が35%と最も頻度が高いリンパ腫で、
それに次いでMALTリンパ腫が2番目に頻度が高いです。

 【B細胞リンパ腫の種類】

 ▶びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
 ▶MALTリンパ腫
 ▶濾胞性リンパ腫
 ▶マントル細胞リンパ腫
 ▶バーキットリンパ腫
 ▶リンパ芽球性リンパ腫
 ▶形質細胞性腫瘍

 B細胞リンパ腫の代表的なものを挙げてみました。
悪性度の高さで更に分類することが出来るので、今後国家試験に出るとしたら「悪性度の高いリンパ腫はどれか」といった問題が作れそうです。
 悪性度による分類は下記の表をご覧ください。 

悪性リンパ腫:B細胞リンパ腫の悪性度

 【T/NK細胞リンパ腫の種類】

 ▶成人T細胞白血病/リンパ腫
 ▶血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
 ▶未分化大細胞型リンパ腫
 ▶末梢性Tリンパ腫
 ▶鼻型節外性NK/T細胞リンパ腫
 ▶菌状息肉腫/セザリー症候群

 代表的なものを挙げましたが、悪性リンパ腫はB細胞性のリンパ腫がほとんどなので成人T細胞白血病-リンパ腫さえおさえておけば大丈夫かと思います。
原因ウィルスは成人T細胞白血病ウィルス(HTLV-1)でしたね。


 【練習問題】

Q.悪性リンパ腫で特に悪性度が高いのはどれか、2つ選べ。

1. マントル細胞リンパ腫
2. びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
3. 濾胞性リンパ腫
4. リンパ芽球性リンパ腫
5. バーキットリンパ腫

答え.4.5
【解説】
 1と2は中等度リスク、3は低~中等度リスクに分類される悪性リンパ腫でしたね。
 個人的には低リスクと高リスクの悪性リンパ腫と、頻度の高い悪性リンパ腫であるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、次に頻度の多いMALTリンパ腫、この辺りを押さえておけば大丈夫なのかなと思います。


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