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Arrest of a stone Buddha(プレイメモ)

ロシアの個人デベロッパー・yeo氏が制作した2D横スクロールノンストップガンアクション『Arrest of a stone Buddha』クリアしました。

1976年10月。
主人公が自室で来月のカレンダーに丸を付ける(丸をつける日は任意)ところから物語は始まる。
そうして、主人公が出掛けた先は教会。
祈りを捧げるために訪れたわけではなく、ただ『仕事』をするために。

主人公は元•海兵隊員らしい。
退役後は•••それまで何があったかは推測するしか無いが、まともな職には就かず『殺し屋』となっていたのだった。
公園でたまに言葉を交わす『友人』も元•海兵隊員でかつての仲間だったらしく親しげ。そして、主人公に殺しの仕事を斡旋している。

主人公はひたすら『仕事』をこなして死体の山を築いていき•••

終わった後の日常は、あまりにも虚無。
孤独で、空しく、何も無い。

主人公は不眠症だった。
睡眠薬を飲み、何とか夜を越える。
日常は睡眠薬を飲むまでの時間を潰すためだけにあり、その空虚な時間は街を彷徨う亡霊のよう。

眠れない夜に苦しんでいるように見えたが•••これが過去に従軍していたことによる一種のPTSDなのか、殺し屋という業への罪悪感からもたらされていることかは分からない。

こうして、仕事と日常、動と静を繰り返し•••

カレンダーに丸を付けていた、その日。
主人公は自ら命を絶つ。

生きる意味が見いだせなかったからなのか、虚無に堪えられなかったのか、もうどうでもよくなったからなのか、主人公の心はやはり分からない。

終!!
なんてこったい•••

あまりに尖りまくってる展開、結末に置いてきぼりな私。
なんで自殺する?!あんなにガンアクション頑張った私の努力は一体•••←

というわけで、クリアすると好きなステージや難易度を選んで『仕事』が出来るように。

ちなみに自殺しないエンドもあって、プレイヤーが引き金を引かずにいると、彼は死ねないことに、死ぬ決断を下せない自身に絶望したのか、頭を抱え、身を震わしている(噎び泣いている?)ところで終わります。

結局、タイトルの意味がわからない。
直訳するなら『地蔵を逮捕する』
想像を膨らませるなら『死の世界で安息を齎す仏陀は阻まれ、この身を救うことはない』とか?
それとも、主人公は仏陀という安寧の象徴に囚われているが、彼が死によって救われるか、生によって絶望するかはプレイヤー(仏)が選ぶのだ、とか?

スタート画面で、左上のバルコニーに石像みたいのが描かれているんだけど•••

クリア後のスタート画面には、いなくなってるんだよね。

これの意図するところも気になるなぁ。
あれが囚われていた石像(仏陀の)だったのなら、解放されたということか、救いは去ってしまったってことなのか。

まぁとにもかくにもプレイ中にバグ?のようなのに遭遇してクリアを諦めかけました。
とあるステージで、バイクに乗って去るシーンなのに何故か乗れない。

敵は全滅させててもういないのに(待ってても出てこない)いつまでも銃声が鳴り止まない(怖)
そして突然、血を流して倒れる主人公(怖)
何回もやり直したら巧く敵が捌けたみたいでバイクに乗れました。一体何だったんだ•••

というわけで、感想を一言で言っちゃうならホットラインマイアミを虚無に染めたような感じでした。
日常の退屈さ、居心地悪さをゲームでここまで見事に表現するとは。脱帽。アーティストだわ。
戦闘では、ダッシュできないのがもどかしいが、それは仕様だから良いとして、寄ってきた敵から銃を奪って使用し進み、大量に沸く敵を捌きながら巧く攻撃を繋いでいかなければならないのがなかなか難しかったけど慣れると楽しかった。雰囲気、BGMも良かった。

何だか圧倒されるゲームでした。
面白かったなぁ。印象に残るゲームでした。