バディミッションBOND(プレイメモ)
キャラデザインに漫画『ワンパンマン』や『アイシールド21』の作画で有名な村田雄介氏を迎え、コーエーテクモの乙女ゲーを制作してきたルビーパーティーが任天堂とタッグを組んで放たれたswitchソフトADVゲーム『バディミッションBOND』
さっそくプレイしてみました。
主な舞台は世界的なショービジネスの中心地・ミカグラ島。
そこで暗躍する姿なき犯罪組織 “DISCARD” により首筋に鼠のような形の刻印を刻まれ、ミカグラ島に伝わる歌がトリガーとなって自我を失い、狂暴化するという事件が多発する。
“DISCARD” は一体何を企んでいるのか?
亡き養父の夢を継ぎ、ヒーローを目指す警察官ルークは、とあるきっかけで国家指名手配中の大怪盗アーロンに出会い、行動を共にすることとなる。
更に元忍者(ショーマン)のモクマ、詐欺師のチェズレイと出会い•••様々な思惑の元、犯罪組織 “DISCARD” を追うため極秘の潜入捜査チーム 『BOND』が結成される。
四人は頼れる仲間として助け合い、時にはぶつかり合いながら、ルークの父の死の謎、そして世界を揺るがす “DISCARD” の陰謀に立ち向かっていくのだった。
というのが主な概要。
ではシステムについて。
推理したり、捜査したり、ADVゲーム部分は単調だったりもしましたが•••
そこはかと漂う逆転裁判ぽさ•••↓(笑)
潜入ミッションはパズル性があったり戦闘がQTEだったり。
switchコントローラーでのQTEは慣れられないし、タイミングは外すし、終始キョドってましたw
とにもかくにも、潜入時にちゃんと黒い服に着替えるとこが細かい。素晴らしい(?)
ミッションには評価があり、ちゃんとやって評価Sを目指さないとバディエピソードやサイドエピソードが解禁されない。
一緒に組んだ相手によって解禁されるエピソードが変わったりもする。
なので。サイドストーリー全解放にはミッションをもう一回やらなきゃならなかったり、そこがちょっと面倒でした。
あと、乙女ゲー開発部が制作したからかノリが乙女ゲーでした(乙女ゲーやったこと無いから知らんけども)
だが、メンバーは男四人なのでBLゲーのような趣に??(BLゲーやったこと無いから分からんけども)
きゅんきゅんしまくるおっさん•••(可愛い)
↓の彼氏みたいなアーロンの顔には咽せた。
惚れてまうやろ•••(?)
ではキャラについて。
みんなとても良い味出してました。
ルークとアーロンの熱~い友情については、見たまんまなんだけど•••(色々あっても障害を乗り越えて結ばれる系)
モクマとチェズレイの間柄は複雑だったな。
いつもヘラヘラしてるが20年前に主君を死なせた罪を背負って苦しむモクマは、自らを罰したくて死に場所を求めてはいつも自死を夢見る、ちょっと病んだおっさん。でも「後追い(自害)はするな」という主君が遺した命令によって自分では死ねず、懊悩し続けている。
そんなモクマを嘲り、なら私が殺してあげても良いと誘惑(?)するチェズレイは事あるごとにモクマに絡むが•••
不意に見せる、モクマが抱える闇の中にある烈しさに惹かれ、執着するようになる。
チェズレイは過去の因縁により “DISCARD” のボス『ファントム』をひたすら憎み、殺そうと追っていたのに、モクマの葛藤(死にたいのに死ねない。殺して欲しいのに生きようとする歪なアンビバレンツ性)に関わるうちファントムへの憎悪からの妄執は薄れていき、モクマと一緒にいることで満たされ、彼を誰にも殺させたくないと思い、傍にいることを望むようになったんだなって•••解釈が難しい(この解釈も大概間違ってる気がするw)
終盤、ファントムとの決戦にチェズレイは覚悟を決めて挑むんだけど、そんなすんなり計画通りにいくわけも無く、最悪の展開の中、大切だと思わせてくれたモクマを救うのか、それともファントムに一矢報いるのか、選択を迫られ•••
そこで考えるよりも先に体が動き、なりふり構わずモクマさんを選ぶとこなんかは正直ヤッタァァ!!とガッツポーズしました(?)
とにかくチェズレイってキャラが不可解で、面白かったです。
あと、時折見るイッちゃってる顔が怖かった。←
そんなこんなで、双方、助けられるだけの間柄ではなく、守り守られ、掬い上げ救い上げられる、対等な『相棒』として描かれていて、趣旨がきっちりしていたなと感じました。良いね。
ストーリーについては•••
かなりしっかり練られていて、伏線を回収し、ドンデン返しもあり、秀逸でした。
ラストの流れは熱かった!
詳しくは明記しないが、素晴らしかったと思った。
盛り上がりました。感動した。
で、完!
なんだか凄く良いものを見せて貰った気がしました。アニメ化待った無し。
その後。
評価や条件クリアすると解禁されるバディエピソードやサイドストーリーを全て見ました。
物凄い量でした。
バディエピソードは本編の補完やキャラ同士の交流が描かれ、どれも必見な内容でした。
ちなみに、みんなで温泉に行くというエピソードがあり、なんだその二次創作みたいなご褒美エピソードは、と正座して挑んだら•••
ちっとも風呂に入らない(入ったかもしれないが、はぁ~サッパリした~という一文で済まされた)
入ったのはサウナ。
まるで私が汚い大人でしかないことを嘲笑うかのような、すごくちゃんとした配慮がされた(?)サウナだった。
ごめんな心の汚い大人で。
一方、サイドエピソードは敵や脇役達との過去もわかる話がてんこ盛りでした。
あぁぁ~腹いっぱい!!
全編通して、やはりチェズレイというキャラが私には魅力的に感じました。
とは言え、チェズレイとファントムとの因縁とその妄執がどう昇華されたのかや、アーロンがルークと再会してから彼が何をどう思ってミッションをこなしていたのか、そういうアーロンの心境なんかも掘り下げて欲しかったが、まぁやっぱり腹いっぱいだからもう良いかなw
実は、チェズレイが粘着する相手はファントムとの関係でモクマさんではなくルークなんじゃないかと当初は考えてまして•••
清廉潔白で正義感の塊のようなルークに酷薄な現実を突き付け、貶めることを楽しむのかと(酷い想像)疑っていました。
なのに、すっかり保護者みたいな慈愛をルークに見せるので意外でした。仲良くなって良かった!(すっかり私の方が保護者目線)
だからこそ、チェズレイはモクマさんよりルークを選んだ方が幸せになれるんじゃないかな、なんて思ったりして。
でもチェズレイはモクマさんと出会ったことで、あんなに嫌悪してた『濁り』は素晴らしい『風味』なんだと、身をもって気付けさせられたから、やっぱりモクマさんが一番なのかな。
で、チェズレイのその後というと•••
彼はモクマさんを相棒に裏社会を牛耳っていくらしい。
(↑『交わり』って何だ)
一生一緒にいようって指切りまでして。
しかも、潔癖症で絶対手袋取らなかったチェズレイがちゃんと手袋外して、素手で指切りしてました。
モクマさんはモクマさんで、誰のものにもならず何もかもからずっと逃げてきたわけだけど、もう逃げたりせずにチェズレイと向き合うことにしたんだなぁ。
それにしたって私は一体何を見せられているのだろう。
多分、セッ○スの暗喩なんだろうが(??)
は~素晴らしいね。←?
何だかとてつもないモノを沢山見たのに、どんどん端から忘れていくような感覚•••
いやいや、忘れないように、色々思い返しながら余韻に浸りたいと思います。
ホント、良いもの見せて頂きました。
プレイして良かったです。