気づいていないことに、気づく
#DontBeSilent #GenderEquality #男女平等
この3つのハッシュタグをつけて、在日大使館がTweetしたことがトレンドにあがっていた。同時に、昨日NHKで放送していたらしい”RGB最強の85歳”も。なんという偶然。
とても驚き、そして心がザワザワしたのは、このハッシュタグでツイートする人たちの中で「(よく言ってくれた、)涙が出た」と言っている人達が少なからずいたこと。
私自身はこれまで性差別を受けたことがほぼない環境にいたと思っている。「女の子だから」と言わない両親、自由な共学校、genderにはとりわけsensitiveなアメリカ系外資での仕事。「女性だから」何かを制限されたり、あきらめろと言われたりしたことはなかった。だから「女性の人権」みたいな話はどこか自分から遠い話と思って暮らしてきた。
でも年末にNetflixで見られることに気づいて"RGB最強の85歳"を見たとき、何度も泣いた。私自身は恵まれた環境にいると思ってきたけれど、その環境を選び取る手前で、私もやっぱり差別や制限を感じてきたんだと思う。(そういえばヒラリーが大統領選挙で負けたときのスピーチでも泣いた)RGBで繰り返し言われていたことは「そこに差別があることを認知させることから始まる」ということだ。由緒と伝統のあるアメリカ軍の養成学校に女性が入学できないことは、それまで当然であり軍隊といえば体力が必要=男性のみ、という「常識」に疑問を持つ人は少ないだろうし、疑問を持っても「まあいいか」「私とは関係ない」と「なかったこと」「気づかなかったこと」にするのは不思議ではないと思う。差別する側は、ときに悪気がない。差別していることに気づいていないだけだ。
今回の政治家もそうなんだと思う。悪気があったわけじゃない。普段から女性を馬鹿にしているわけでもないのかもしれない。ただ、彼の常識の中では女性とはそういうもので、それを口にしただけなんだと思う。
でもそれは間違った常識だ。これだけgenderの話が出ていて、国も企業も取り組んでいるのだから、自分の常識を疑って学んだり考えるチャンスはいくらでもあったはず。それをせずに過去の自分の思いにとらわれてあんな発言をするのは地位ある人として怠慢だ。
自分が気づかないうちに持っているunconscious biasに気づこうとすること、気づいたら自分の考えを修正していくこと、それはdiversityを前提とした世界で生きていく上でとても大切なことだと思う。特に年長者がそれを意識していく必要がある。年をとってくると自分の過去の経験や古い常識に囚われてしまうのは否めない。頑固にもなってきている気がする。だからなるべくオープンに、今はみんなどう考えているのか、柔軟に理解しようとする姿勢を持ち続けたいと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?