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平尾昌晃♥畑中葉子『カナダからの手紙』(ビクター SJX-20056)

カナダのイメージって雪山なんですね

 平尾昌晃さんと畑中葉子さんが歌うデュエット・ソングの大定番「カナダからの手紙」をフィーチャーしたアルバムです。1曲だけ畑中さんのソロ曲がある以外はすべて2人のデュエットになる11曲入り。

"眠れる森の美女"もめざめる、フレッシュなデュエットの誕生!
大ヒット「カナダからの手紙」をのせて、あなたの心に架ける虹のデュエット"

LP『カナダからの手紙』帯コピーより


B-4「ひとり歩き」のみ畑中葉子ソロ

 全作平尾作品かと思いきや、2曲で筒美京平さんのお名前も。「愛すべき僕たち」「傷だらけの軽井沢」これはどちらもブレッド&バターのカヴァーですね。とてもデュエット向きです。特に「傷だらけの軽井沢」はオリジナルのアンニュイなムードを上手く活かしつつも、大幅にテンポアップしたアレンジになっています。タイトル曲の「カナダからの手紙」が橋本淳さんの作詞なので、つややかな世界観が共通していてぴったりとハマっています。「めぐり逢うために」は1971年に東宝レコードからリリースされた森るみ子(末期の若大将シリーズで二代目若大将・大矢茂の恋人役)のカヴァー、というより平尾作品ですからセルフカヴァーですね。そんな普通の人はまず気づかないであろう発掘楽曲も含まれているので、もしかすると橋本=平尾コンビの楽曲のなかにもそんな過去作が隠れているかもしれません。

たぶんこれはカナダじゃなくて立川とかあたりの広い公園だと思います

 アレンジと言えば、森岡賢一郎さん、船山基紀さん、萩田光雄さん、馬飼野俊一さん、竜崎孝路さんと、当時の第一線の歌謡曲アレンジャーが勢ぞろいしていて、そのスタイルの違いを聴き比べることができるようになっています。全体的にベースの音が大きめでディスコ歌謡の一歩手前的なサウンドが絶妙のバランス。本当はもっとここがこの人の特徴で……などとご説明したいところですが、まだその境地に達するまで聴き込めていないので、しばらくじっくり聴き込んでいきたいと思います。しかもサブスクでは彼らのセカンドアルバム『サンフランシスコ物語』とさらにアルバム未収録のシングル曲までもきちんとフォローしている『ゴールデン☆ベスト』が配信されています。これで2人の楽曲はコンプリート。ずっとイイ雰囲気で楽しめます。


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