ビーチ・ボーイズ、ジャン&ディーンに続くサーフィン&ホットロッドのグループ、リップ・コーズのベスト・アルバム?のようなのですが……実はこれ、CBSから彼らがリリースした2枚のオリジナルアルバム(それしか出ていない)、『Hey Little Cobra』『Three Window Coupe』からそれぞれ数曲カットして、AB両面に押し込んだアルバムです。
A面はアルバム『Hey Little Cobra』からビーチ・ボーイズのカヴァー「Little Deuce Coupe」と、お手軽なインスト「’40 Ford Time」、ジャン&ディーンのカヴァー「Drag City」の3曲をカットした9曲。ビーチ・ボーイズのカヴァー「409」「Shut Down」は原曲よりも勢いがあって素晴らしいです。タイトル曲はもちろん最高。後に大滝詠一さんが「Cobra Twist」でそのまんま引用したアレです。
B面はアルバム『Three Window Coupe』から、まったりした「Old Car Made in ‘52」、ジャン&ディーンのカヴァー「Surf City」、エレキインスト「Big Wednesday」をカットした9曲。一応捨て曲っぽいものをちゃんと選んでカットしているみたいです(もちろん全部聴けるに越したことはないのですが)。
裏ジャケットにある解説らしき文章は、オリジナル盤の『Hey Little Cobra』の裏に掲載されていたものをそのまま転載したもので、この盤と内容が合わなくなっています。しかも、レコーティングに関して言えばブルース・ジョンストンとテリー・メルチャーの「ブルース&テリー」がサウンド・プロデュースから歌唱までをガッツリ手がけていて、人前に現れヒット曲を歌うリップ・コーズのメンバーは影武者に過ぎなかった、というのはマニアにとっては周知の事実です。「The Rip Chords as Touring Group(ツアー用グループとしてのリップ・コーズ)」というキャプションがまぁ切ないこと……自分の勉強も兼ねて訳しておきますね。