▪️生きる力は「生命力」生きていく力は「命の力」

ホスピスと言う終末期ケアを行う病棟では、患者さんが「痛くて、辛くて、もう生きる力がありません」とよく口にされ、精神科の外来では「もう生きていく力がありません」と言われるそうです。
もっと生きたいのに、自分の生命が終焉を迎えている人の「生命」の感じ方。生命的にはもっと生きれるのに、精神がもう生きたくないと思っている。人の「生命」の感じ方。

病気によって人生の終焉期を迎える人は、「もうすぐ死ぬかもしれない」という心の痛みと「痛くて辛い」と言う身体の痛みの両方があり、痛みを「緩和」させるには「心身」に寄り添うことが大切です。 言葉で書くと簡単ですが、心身ともに寄り添う事はとても難しいことであり、「感性」が必要です。一例を挙げると、重度の心身障害を持って生まれた息子さんを40年介護された老夫婦のお話です。ご夫婦の思いもむなしく息子さんは40歳で急に亡くなられました。悲しみのために両親は引きこもっておられたのですが、いつまでもそんな生活はダメだ、という思いで、旅に出られJALに搭乗されます。「今日は天気が良く富士山がよく見えます」というアナウンスに老夫婦は写真を取り出し、富士山がよく見えるようにいその写真を窓際に置きます。 言葉で書くと簡単ですが、心身ともに寄り添う事はとても難しいことであり、感性が必要です。一例を挙げると、重度の心身障害を持って生まれた息子さんを40年介護された老夫婦のお話です。ご夫婦の思いもむなしく息子さんは40歳で急に亡くなられました。悲しみのために両親は引きこもっておられたのですが、いつまでもそんな生活はダメだ、と言う思いで、旅に出られJALに登場されます。機内では客室乗務員がドリンクサービスを行っています。ご夫婦はジュースを注文し、お二人にジュースを渡した客室乗務員は窓際の写真に気付きます。そして、もう一つコップを取り出して、そこにジュースを注ぎ「窓際の方にお一つどうぞ」と差し出しました。

「窓際の方にもおひとつどうぞ」
という言葉は、たいへんな言葉です。老夫婦と窓際の写真に「気づけ」ば、多くの人が状況を理解し、「何かを感ずる」ことはできます。ですが多くの人が「窓際の方にもおひとつどうぞ」とジュースを差し出す「行動」に移すことがなかなかできません。


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