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東京の休日 159 〜【初春を祝う ―七福うさぎがやってくる!】展(静嘉堂文庫・丸の内)気分はふたたびの初詣でした〜

お正月からひと月。

すっかり日常に戻っていたところで
また新春の麗しい気分を
味わわせていただきました。


『静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展Ⅱ
初春を祝う ―七福うさぎがやってくる!』

2023年1月2日(月・振休)〜2月4日(土)

丸の内に移転して間もない
静嘉堂文庫美術館
(せいかどうぶんこびじゅつかん)」にて

現在開催中です。




お正月の華やかな雰囲気が好きな方、
卯年の方(わたしもです!)、
茶道をされている方、興味のある方に
おすすめの美術展となっております。




さっそく
今回の主役

『七福うさぎ』のご紹介を。


その正体は、
「御所人形(ごしょにんぎょう)」というお人形。

江戸時代中期から
京都でつくられるようになった「御所人形」は

宮中でお祝いの際に
飾られてきました。

真っ白な肌と、三頭身の
愛らしい子どもの姿をしているのが特徴です。




さて、今回の『七福うさぎ』。


七福神
(恵比寿さま、大黒天さま、
毘沙門天さま、布袋さま、
福禄寿さま、寿老人さま、
弁財天さま)と子どもたちが
兎の冠をつけ

お祭りのような行列をなす
御所人形の一大群像となっております。

総勢58体。



実はこちら
静嘉堂文庫美術館を創設した
岩崎家の

卯年生まれの岩﨑小彌太氏
(1879~1945 三菱第四代社長)の
還暦をお祝いするため

孝子夫人が

京都の人形司・ 丸平大木人形店の
五世 大木平藏(おおきへいぞう)氏に
依頼し制作したものなのです。

昭和14年の還暦祝賀会で
初めて披露されました。


「餅つき」
「輿行列(こしぎょうれつ)」
「宝船曳(たからぶねひき)」
「楽隊(がくたい)」
「鯛車曳(たいぐるまひき)」

の五つの場面からなります。


子どもたちの「餅つき」



孝子夫人を思わせる弁財天さま、
福禄寿さま、寿老人さまのいらっしゃる
「輿行列(こしぎょうれつ)」


岩﨑小彌太氏をイメージした布袋さま、
恵比寿さま、大黒天さま、
毘沙門天さまのいらっしゃる
「宝船曳(たからぶねひき)」

宝船の帆には、
岩崎家の家紋
「隅切り角に重ね三階菱」が
描かれています。



子どもたちの「楽隊(がくたい)」


こちらも
子どもたちの「鯛車曳(たいぐるまひき)」

といった内容に。




この素晴らしい行列との対面には
心が躍り続けておりました。

お人形の愛らしさ、
衣装の繊細さ、
行列の華やかさ

どの視点から見ても
惚れ惚れとするお人形たちなのです。





その他にも、

静嘉堂文庫の
シンボルとも言えるお茶碗
《曜変天目(ようへんてんもく)》


兎の絵柄の釜
香取秀真(かとりほつま)
《郡兎文姥口釜(ぐんともんうばくちがま)》



堂本印象(どうもといんしょう)
《兎》



そして、出迎えてくれる
横山大観(よこやまたいかん)
《日之出》

の神々しさも
素晴らしかったです。




もう一度新年の清々しさにふれ
気持ちの引き締まる思いのした
展覧会。

寒い季節の美術鑑賞は
暖も取れますのでとてもおすすめです。

(お写真は、ミュージアムショップで
購入しましたパンフレット、葉書
および館外の映像を撮影しております。)

写真・文=Mana(まな)

『静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展Ⅱ
初春を祝う ―七福うさぎがやってくる!』

会期:2023年1月2日(月・振休)〜2月4日(土)
開館時間:10:00〜17:00/金曜日10:00〜18:00
(入館はいずれも30分前まで。)
休館日:月曜日、1月10日(火)
https://www.seikado.or.jp/exhibition/current_exhibition/

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