【🇸🇪スウェーデン日記】#18: 最終課題

どこまで書いたかさっぱり忘れたが、コースと最終課題、およびそれについて取り組むプロセスについて書いておこうと思う。もしかすると別のフォーマットで発表するかもしれないので詳細については書くのを伏せるが、私が好きだったこととか、記憶に残っていることとかについて述べたい。

私がスウェーデンにいるのは、サマースクールにおいてManaging Migrationというコースを取るためであるー主にサステイナビリティの観点から。ここから先カタカナと英単語が併用されていくと思うが、翻訳が面倒くさいので各々感じ取ってほしい。こう、フィーリングで。

で、このコースは、私は行政学的な観点から移民政策について述べるのかなとか思っていたけれど、実際には二つの側面があった。一つはフィールドで働く人々の話を伺って、問題を感じることーこちらはトラディショナルな授業の形といえよう。二つ目は、社会科学の手法について考えることー今まで文献だけで、また倫理観などがよくマージナライズされてきた中で、どのように責任ある形でデータを集め、研究に使用できるだろうか？という問題提起で、その答えがArt Based Researchであるということはどこかに書いたと思う。

で、最終課題はMake Something!というもので、なんでもいいから一つ、移民に関する作品を作れというものだった。ふむ、私はアートなんで何もできないぞ。トピックはあった。私はイギリスに住んで3年になるので、定義上立派な移民である。それから、私は物語をそこそこわかりやすい形で語るのと、アルバムを作るのが好きである。さて、それはアートになるだろうか。

そこから、メソドロジーに関する学習が始まった。コラージュとABRの中での可能性。コミック(の形でのストーリー・テリング)の可能性。それから、私がしようとしていることには名前があって、それをautoethnographyというらしい。翻訳は「オートエスノグラフィー」です。先生が色々サジェストしてくれて、それを読みながら、おすすめとかReference listに出てくる文献とかを辿っていったけど、もっと時間があればもっと読めた。

合わせて、先行文献のディッギングも始まった。学生移民(student migrantを便宜上こう訳すこととする)の英語能力、社会統合、アイデンティティ。Journal of international educationのような教育学関係の論文に大変お世話になった。趣味で教育学やイギリスにおけるBAME Attainment gapについての論文を読むことがあったから、その延長という感じだったと思う。

で、それを元に私はあーだこーだして、一つものを作った。私は精神安定のためにシールブックを持ち歩いているので、それからちょっと借りたりして、切ったり貼ったりした。

作るのを言い訳に、街中の画材屋に何回か行って素材を集めた。イギリスと違って、文房具が可愛かったりオシャレだったりして見て回るのも楽しかった。

提出前の金曜日に教授に見せたら、「いいか、文化的な違いのせいで僕たちが『すすめる』ことを君たちは真面目に捉えすぎる傾向があるが、僕はコピーを何部か作ることを勧めるね」というので、私は文化の違いをそのままにして、街中を走り回っていちにちでカラーコピーをできる店を探して、頼み込んでコピーしてもらった。16時半に引き取りに来てというので行ったらまだできていなくて、対応してくれたお姉さんが、「ごめんねえ、もっと時間があると思ったのよ…」というので、こちらこそ無理を言ってごめんねと思った。思ったけど、無料で黒くて綺麗な表紙と、同じく黒くて綺麗なバインダーリングを付けてくれた。It’s not as nice at the original, but it works,というので、It’s more than enoughだよと言った。小さい頃文学少年少女だったかつての少年の皆さんは、自分の作ったものに綺麗な表紙と綺麗なバインダーリングがつくことがどれだけ嬉しいか想像できるに違いない。

その段階ではまだ表紙と目次とエピローグを作り終わっていなくて、私は金曜日にそれをコピーに回した後、土曜日に作って本体に貼り付けて、後から足したページは図書館でコピーして貼り付ける形となった。図書館のお姉さんに「スウェーデンに住んでないけど図書館カードって作れる…？」と聞いたら、すごく感じよく5分くらいで作ってくれて、私の手には硬い「スウェーデン市立図書館」の図書館カードが残された。俺の実家の最寄りの図書館は、住民票がないとカードを発行しないというのに。それでカラーコピーをして、もっかい貼り付けて、完成した。