鉄緑戦士に送る数学力
最近、大学の方が暇になったのでまた鉄緑会の記事でも書きたいと思います。
今回、何が一番後輩たちの為になるかを考えた結果、高1,2鉄緑生に向けて高3理系数学と東大(理系)受験本番に求められる数学力について記事を書くことにしました。僕が現役時代教えてもらえらなぁ〜と思ったことも書いていこうと思います。特に鉄緑会にいるけど、成績が伸び悩んでる子は読む価値は多少あると思います。
鉄緑の高2数学がクソ難しいは大ウソ
よくネットとか鉄緑生の間では、高2数学がめっちゃむずいとか、難しすぎて取りこぼしがあっても仕方ないみたいに言われがちですが、2次試験本番の数学レベルからしたら、鉄緑の高2数学なんて鼻くそレベルです。確かに高一に比べるとちょっと難しいんですけど、2次受験の最低レベルの問題なので、本番で出たら取れなきゃいけない問題だらけです。学コンとかで言えば難易度Bとかの問題だらけです。しかし、高3演習や東大2次試験の問題では、難易度C以上の問題が多く、これを解ける数学力を高2までに育成する必要があります。ただ、高2数学の例題だったり問題を解いて、解法をなんとなく理解したり、暗記してるのではダメなのです。
この事実を僕が認識したのは、高3初回の演習でした。もう手遅れ、、、。そこから、必死に数学力を磨き直しましたが本番には間に合いませんでした。
高3の演習や2次本番に太刀打ちできるようにするにはどうすればいいか
ここが一番伝えたいことです。私が、高3一年間の40何回に渡る演習を繰り返して大事だと思ったことは、"1つの問題からどれだけ知見を得られるか"と言うことです。
この問題をパッと見た時、皆さんならどう解くでしょうか?
高2例題とかを脳死で暗記して解いてきた人とかポイントをまとめてこなかった人は、これを純粋に積分しようとしてしまうのではないかなと思います。まず、ここが差が出る第一関門です。
積分を見た時に"解く"のではなく、"積分範囲を外して、一旦関数の大小評価にもっていく"という発想が必要になります。そんなの当たり前だろって思うかもしれませんが、本番とか演習解いてる時だとわりと思いつきません。(焦ってるからかな?)
次に、この関数をどう評価するのかが問題になります。数3の知識、関数の強弱を使おうと思うと、
logx<x<e^xなので、分母のx+e^xどちらかに適用したいかなーとか思います。
これを使うと、2/2x=1/xでこれを積分して、logxが出てくるんですけど、積分範囲に0が入ってくるので、なんと使えません。今回の問題では、分母をxだけにして積分するとうまくいかないのです。
しかし、logが計算できないからといって、思考停止してはダメです!
発想を逆転して、分母をe^xだけにして考える必要があります。この時、あんまり不等式が大きくなりすぎても困るので、分母のx+e^xをe^xだけにします。ここの工夫もわりと頻出だけど、できない人多いと思います。
そうすると、うまく、上側の不等式を定数で抑えられます。計算すると、(与式)<2が得られます。
次に下側の評価です。2/(2e^x)=1/e^xの積分とかを考えても、[-e^(-x)]=-e^(-2023)+e^0=1-e^(-2023)
となります。これだと、評価が甘いので別の方法を考える必要があります、、、。
ここで覚えていただきたいのが、入試問題で不等式評価をする時は、単純な不等式の大小計算ではうまくいかないことが殆どだということです。ただ、自明な大小関係を使って解けるなら、簡単すぎてみんな解けます。大抵は、図形的に処理すると上手くいきます。
なので、被積分関数のグラフを書いて、そこから、特徴的な点での接線を考えて、面積評価をすると上手くいきます。1次近次とかと似た考え方ですね。
こんな感じでこの問題を解いていくんですけど、ここまで何個か解くためのポイント見たいのが出てきたと思います。(黒字にしたところ)
こういうポイントは、試験その場で出てくるのではなく、予め今まで解いてきた問題から抽出してストックしておくものです。これが、"知見をまとめる"ということです。
問題を解いたら、<着眼>、<発想>、<一般>をやりましょう。どこの部分に着眼して、どういう発想が出て、それをどう一般化できるのかを、解いてきた問題1つ1つで行えるといいです。これを高3でやろうと思うとしんどいので、高1、高2からできると凄くいいです。
また、各問題の基礎的な手法をまとめた、ガイドブックとかも作れるといいですね。
東大志望の高3生は数学より理科やれ
僕は上記一連の作業で高3の殆どの時間を費やし、確かに数学力は上昇しましたが、東大には落ちてしまいました。敗因は、英語と理科ですね。英語に関しては、正直そこそこ勉強したけど全然伸びなかったので、やるなら本当に全フリするか全くやらないかだと思います。リスニングとかはやれば点数上がるとか言われてますけど、正直そんなことないです。僕はわりとリスニングやり込みましたけど、本番も全く点数取れなかったんで、正直才能ゲーな氣もします。高3で英語苦手で数学と理科は普通みたいな人は、リスニングは最低限取るのと他の大問で稼ぐみたいな方向転換して、理科と数学に時間当てた方がいいです。
そして、高2までに上記のような知見をまとめることができずに、数学も壊滅的な状態な人は、諦めて理科に全振りしましょう。まじで、理科は伸びます。120点分あるので、その分点数取り放題です。最近、理科難しくなったとか言われてますけど、それでも数学とか英語に比べたら全然簡単です。
数学壊滅的でも、鉄緑の演習の復習やってれば最低限は取れます。
勉強比率としては、全体100として、
英:数学:物理:化学
=20:20:30:30
が標準で、得意不得意に応じて英数はバランス変えればいいと思います。理科はなんなら、35:35とかでもいいと思う。そんくらい大事です!
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