非情 アスファルト事件


マン・オブ・ザ・カコガワ~バイク昔ばなし~


1984年、マンはVT250F(初期型)に乗っていた。二十歳そこそこの貧乏な若造でした。
一生経済的な250に乗ってるのかな、なんて若さのない頭でいた梅雨空のころ突然、
限定解除に目覚めてしまった.なぜか?それは、ギリギリ手の届きそうなVF750Fの新古車が某全国チェーンバイクショプ店頭にズラリ並んでいたの見てしまったからだ。ゴールドのホイールが
、スペシャルでゴージャスでステイタスだったからである。当時はまだまだバイクブームが続いていたので、
バイク屋に行けば何かしらの新古車があったのよ。バイクのロードサービスなんて
無い時代、ツーリング中にエンコ(ふる⁓)したらどうしようとか考えしまう小心者のマンは、
目利きでも無いので中古車を買う勇気はない。でも貧乏なのでバリバリの新車もムリ。
ならば行き着く所は新古車、こうなっちゃう。
で、先に限定解除に成功していた知り合いに指南してもらって事前審査までたどり着いた。
当時、明石の試験は予約制であったが事前審査は予約なしだった(と思う)。試験の前に徒歩で
コースを歩くことが許されていたので、事前審査にも通ってないくせに真剣にポイントを
確認したりするアホなマンであった。舐めてたのよ、事前審査を。運動音痴だったけど
ガタイはいい方だ。引き起こしは怖くない。メインスタンドさえ起こせれば後は楽勝だと思っていたので完全に眼中になかった。
 
というのもある人にスタンドを起こすコツを伝授して貰っていたのだ!
⌈体重をかけて起こすのは当然なんやけど、メインスタンドって地面に二箇所接地するやん。その二箇所がちゃんと当たってるのを確認してから起こすこと。どっちかが浮いてたら不安定やし力も伝え難いねん。⌋
なるほど! 両方とも地面に当たっていることをしっかり確認する、これがコツだな。ありがとさん、勝ったも同然! なんて思ってました。
今の内容は知らないがあの頃の事前審査は、引き起こし>スタンド>取り回し(押すやつ)
>次の人のためにバイクを寝かす。この順番(やったと思う)。さすがにバイクを倒すのは
試験官がやってたかな?
で、マンの順番が来た。まずバイク起こし、これはなんとかクリア。バイクの下に潜り込む様にとか、腰や尻を密着させてとか、色々聞いていたが勢いとガムシャラで成功。
次、スタンド。アドバイス通り二箇所とも地面に付いているのを確認して、落ち着いて
引っ張り上げる、やった! 成功‼
次、取り回し>そのためにメインスタンド解除。苦手課題を通過できたのでやや集中力低下。
ハンドル両側を普通に握って前に押す。ン? もう一度押す。ン! 押す、押す、押す‼
メインスタンドが戻らない!!!
しばらくして試験官から終了宣告。タイムオーバーか、こいつはもうムリと判断されたのかは知らんけど․․․․
ガーン、マンは誰も心配していなかった所で落ちてしまった。掛けることでいっぱいで
戻すことは考えていなかった。こんなことになるなら戻すコツも教わるべきだった(そもそもそんなコツあるのか?)。
後で親切な人がおしえてくれた情報によると、スタンドの前にアスファルトみたいな突起物があって、それがジャマして戻らなかったらしい(上手く説明出来ずスマヌ)。
マンはかなり落ち込んだ。いつものように諦めのいい(良すぎる)性格が発動するのか。
どん底の状態のマンの次回は⌈自動車専用道路は125侵入禁止事件⌋です。


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