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FACTFULNESS~宿命本能~

・宿命本能とは、持って生まれた宿命によって、人や国や宗教や文化の行方は決まるという思い込みである。

・この思い込みは、前章の間違ったパターン化も1章の間違った分断も「そういうさだめなのだ」と正当化してしまい、思考停止状態に陥ってしまう。

・社会や文化の変化は劇的ではなく、ゆっくり変化していくもので、気づかれにくく、日々のニュースにならない。そのため、古い情報が脳内に残り続けてしまい、こういった思い込みが起きてしまう。

・しかし、文化も国も宗教も人も、常に変わり続けている。何度も言うが、ゆっくり変わり続けているため、気づかないだけなのである。

・宗教は宿命本能の的となりやすい。例えば、多くの人は避妊を禁止している宗教を信仰している女性は子どもの数が多いと思い込んでいる。しかし、実際には宗教と子どもの数の間には関係性はなく、むしろ所得が大きく関係している。下記のバブルチャートを見れば、一目瞭然である。どの宗教でも所得がレベル1が最も子ども数が多くレベル4になると子ども数がぐんと減る。

・補足として、女性一人あたりの子どもの少なさはその国の所得レベルを表す。所得のレベルが上がると子どもは教育を受けることができるようになり、教育にはお金がかかるため、親は子どもの数を減らそうとする。また、違う側面から見ると教育を受けることで、夫婦で対等な対話ができるようになり、子どもの数が減る望まない妊娠が減り、子どもの数が減る。

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・筆者は宿命本能を抑えるために4つの方法を紹介している。①ゆっくりとして変化でも、変わっていないわけではない。②積極的にデータをアップデートする。③おじいちゃん、おばあちゃんに話を聞く。④文化が変わった事例を集める。

・特に②は重要であると考える。テクノロジー、国、文化、宗教等の社会科学の情報はすぐに鮮度が落ちる。数年前の常識が数年後には、ステレオタイプになっていることも稀ではない。常にこの情報は古くないか?もっと新しい情報があるのではないか?とアンテナを張っておくことを心がけてなければならない。




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