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天皇賞・春

今年のゴールデンウィークも静かな1週間になった。
遠くに行けないから家で読書をしようと未読の本を探していたらついつい手に取って読み耽ってしまった。その本は「名馬列伝」。

名馬ごとの関係者エピソードや出走全レースの回顧が掲載されていて(しかも独目線の)、さらに競馬ライターや識者のエッセイが載っている。
色々な名馬の名馬列伝があるが、手に取ったのはメジロライアン。

メジロライアンの名馬列伝で印象的なのが、横山典弘とのストーリーだ。弥生賞で鮮烈な豪脚でねじ伏せてから、メジロライアンの末脚に横山典弘も全国ファンも魅了されることになる。

そこからダービー、菊花賞とも後方から届かずの惜しい敗戦。ちなみに2着に敗れたダービーはアイネスフウジンが逃げ切って、コールの先駆けとなった「ナカノコール」が生まれたダービーである。

そして暮れの有馬記念は「あの」オグリキャップが引退レースで奇跡を起こした有馬記念。
テレビ解説の大川慶次郎先輩が「ライアン!ライアン!!」と声をあげ、レース実況にその声が入るという競馬ファンには有名なエピソードがある。
大川慶次郎先輩が本命だったメジロライアンが外から来てるのにアナウンサーがオグリ一色だったのが気に入らなかったと、この本に書いてある。

この名馬列伝の中であまり触れられていないのが、今週行われる天皇賞・春だ。メジロライアンの中で初めて完敗したのが天皇賞・春だったのだからだと思う。相手は同じ冠のメジロマックイーン。菊花賞でも後塵を拝したがこの時は実力負けではなく勝ちに行ったライアンが展開のアヤで負けたというイメージだった。

それがこの天皇賞・春はマックイーンに完全に突き放され、古馬になったら本格化すると信じていたライアンが無冠で終わってしまうのでは・・・といよいよファンが思ったレースだった。
それゆえ、名馬列伝ではあまり触れられていないのだ。

メジロライアンが臨んだ天皇賞は1991年。

あれから30年。

今年の天皇賞には横山典弘、次男和生、三男武史、親子で3人が騎乗する。
30年という時間の重みを感じながら、こんな時代でも競馬ができること、そして3200mの天皇賞が変わらないことに感謝して予想をしたい。

<天皇賞・春 予想>

京都競馬場の改修工事によって今年は阪神競馬場で開催される。阪神競馬場の3200mは基本的に施行されないので特殊なコース形態がポイントとされている。
そのせいなのか、オッズを見ると大混戦。
馬の格か、距離適正か。
馬券師のそんな迷いが伝わってくるオッズだ。
ただ阪神競馬場と京都競馬場どちらがトリッキーかといえば3、4コーナーに上り降りの坂がある京都だろう。

阪神競馬場では好位からねじ伏せられる力がある馬が力を発揮するだろう。
つまり本来の能力が出やすいはずだ。

◎ 17 オーソリティ
東京2400mの青葉賞、2500mのアルゼンチン共和国杯を制覇。前走のダイヤモンドSを2着。スタミナは間違いなくある。ダイヤモンドSの勝ち馬グロンディオーズは相当な能力がある馬(私は菊花賞の時に自信の本命だった)。3着は5馬身ぶっちぎっており、力は最上位だと思う。
そもそも2歳からその素質は高く評価されていた。ホープフルSで私はオーソリティを本命に押したし、そのレースぶりも外外を早目進出の厳しいレース。弥生賞も似たようなレースだった。今まで大敗したのは有馬記念のみ。
たまたまかもしれないが小回りの中山では結果が出ず、東京競馬場ではG2を2勝。左回り、右回りの得手不得手ではく、コーナーがキツいコースは得意ではないのかもしれない。今回の阪神競馬場は改修後内回りと外回りができコーナーは厳しくない。
このメンバーでは正直能力が2枚抜けていると思う。ジョッキーもトップジョッキー川田。外枠を引いてしまったが最初のコーナーまで距離があるから不利にはならないだろう。
自信の本命!

◯ 3 カレンブーケドール
ジャパンカップ4着、有馬記念5着の実績はここでも上位。勝ち運に恵まれないだけで力はある。
長距離は牝馬が不利だがこれだけ実績があるので問題ない。牡馬より2キロ軽い斤量も有利。

▲15 オセアグレイト
ステイヤーズSの勝ち方に見どころあり。なかなか3600mでゴール前差し切りはない。それだけスタミナがある証拠。横山典弘の長距離の腕に期待する。

★6 マカヒキ
阪神競馬場は得意。底力で来る可能性あり。

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