マイルチャンピオンシップ
マイルCSはマイル王決定戦の名前の通り、名勝負が多い。
オグリキャップ、シンコウラブリイ、ノースフライト、モーリス…などなど、パッと思いつくだけで沢山の名馬が出てくる。
その中でも私の思い出は、2013年のトーセンラー。
父ディープインパクトに走りがそっくり武豊が話したことからデビュー当時から期待された馬だったが、春のクラシックでは皐月賞7着、ダービー11着と結果は残せず。
秋になって菊花賞を3着と好走したが、翌4歳はパッとせず未勝利に終わる。この頃は武の手綱からは離れていた。
そして5歳を迎え武豊に手綱が戻ると京都記念を制覇。春の天皇賞でも2着に好走。
京都大賞典を2着した後、適距離よりも短いと思われたマイルチャンピオンシップに出走。
2400m→1600mのステップ、しかとこれが初の1600mということでさすがに厳しいと思っていた。
しかし、レースは直線外から末脚一閃。2着に1馬身をつける圧勝。
ちなみに天才・武豊マジックと呼ばれるレースは多々あるが、私はこのトーセンラーのマイルチャンピオンシップが3本の指に入ると思っている。
道中の位置どり、京都の下り3コーナーを我慢してから外に出すタイミング。
先行、インベタが全盛の最近の競馬とは一味違ういかにも武豊という華やかで鮮やかなレースだった。
トーセンラーという馬は珍しい馬で、距離よりもコースによって成績が左右されるタイプだった。
何より京都競馬場が得意、というか京都競馬場じゃないと結果が出せない馬だった。
3000mの菊花賞3着、3200mの天皇賞・春を2着、1600mのマイルチャンピオンシップを制覇。
今年は牡牝の三冠馬という特異な名馬が出現したが、トーセンラーも負けず劣らずに特異な名馬だったと思うのである。
今年は初の阪神競馬場でのマイルチャンピオンシップとなる。
阪神競馬場が大好きな馬が現れるのも悪くない。
<マイルCS 予想>
◎ 3 ケイアイノーテック
3歳のNHKマイルカップから2年以上、勝ち星なし。天皇賞・秋や安田記念といった超一線級との壁に跳ね返され続け、G3でも負けを繰り返してきた。ダートや1400mにもチャレンジした、でもダメだった。それが春の安田記念に復活の兆し。グランアレグリアにはぶっちぎられたが、2着アーモンドアイとは0.3差。そして前走の富士ステークスは0.4差の3着に好走。勝馬、2着馬と斤量差が1キロあったことを考えると逆転のチャンスもある。
本命にした理由は、この馬のベストパフォーマンスは2勝目を挙げた阪神1600mのレースだと思っているからだ。それから阪神1600mのレースは出走していない。ベストの条件、父ディープインパクトの血統、復調の兆し。後は運が味方してくれればと思っていたが、内枠をゲット。乾坤一擲、一世一代のイン強襲に期待する。
◯ 14 サウンドキアラ
前走のスワンSで10着に負けたことから評価ガタ落ちだが、今年の新春にはオス馬相手の金杯を完勝し、重賞レース3連勝を飾った馬。ヴィクトリアマイルでもしぶといレースで2着。勝ったのがアーモンドアイだし、この馬も1分31秒3で走っている。前走京都内回り1400mは特殊なレースになった感じで無視できる。前走を無視すればここでも十分勝負になる。
松山ジョッキーも前回の反省を踏まえて今回は積極的に勝負するはず。
▲ 7 アドマイヤマーズ
この馬のベストパフォーマンスは朝日フューチュリティSに他ならない。グランアレグリアを外からねじ伏せたレースぶりは圧勝と言っても良い内容だった。NHKマイルカップも出遅れから外を捲っていってねじ伏せたレースぶりから着差以上に力差があった。そして香港マイルを制覇。日本からも多くの馬が参加している中、1分33秒台の決着を勝ち切っている。休み明けはパフォーマンスが落ちるのは戦歴が証明しているし、叩き2走目で結果を出すタイプ。実力が過小評価されているのはこの馬だ。
その他、ヴァンドギャルド、ペルシアンナイト、サリオスを抑え。グランアレグリアは強いレースの後は必ずパフォーマンスを落としている。休み明けでこその馬である。朝日フューチュリティ、NHKマイルでアドマイヤマーズに完敗したのを忘れたのか?
ラウダシオン、レシステンシアの3歳、NHKマイル組だが今年のNHKマイルははっきり言って低レベル。斤量差があったとしてもここでは勝負にならない。
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