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ラジオNIKKEI賞

今週は福島競馬、ラジオNIKKEI賞(G3)が行われる。ラジオNIKKEIは、2004年まで「ラジオたんぱ」という名称だった。なのでレース名も「ラジオたんぱ賞」だった。ラジオたんぱの思い出を書きとどめたい。

トップ画像は「ラジオたんぱ専用ポケッタブルラジオ(以下 専用ラジオ)」であるが、私が高校生の時に愛用していた機種だ。画像と同じモデルだったかは定かではないが、名刺サイズのコンパクトラジオだった。地元の電気店で購入した、このラジオで競馬中継をよく聞いていた。当時はインターネットも普及していなかったし、グリーンチャンネルは有料なので土日の競馬開催は、12:30~の「中央競馬ワイド中継」、土曜日14:30~テレ東「土曜競馬中継(現ウイニング競馬)」、日曜日15:00~フジテレビ「スーパー競馬(現みんなのKeiba)」に頼るしかなかった。今はJRAホームページの速報で結果が分かるし、動画も再生できる。私も大人になったのでグリーンチャンネルに契約することもできる。便利な世の中になったと改めて実感するが、1995年当時はラジオたんぱで聞くしかなかったのだ。とはいえ、プレステのソフト1本分に相当する専用ラジオは気軽に購入できるものではなかったので、我慢をしていたのだが、どうしても専用ラジオを手に入れたい出来事があった。ちなみに、普通のラジオでラジオたんぱが聞けないものかチャンネルを合わせようとしたことも覚えている(笑)

専用ラジオを購入したきっかけは、1997年の第2回ドバイワールドカップだ。時差のあるドバイで開催されるレースは日本時間では深夜になる。当然テレビ中継はなかったが、ラジオたんぱで生放送することを知り、どうしても専用ラジオが欲しくなったのだ。
1997年のドバイワールドカップは、砂の女王ホクトベガが出走したレースだ。当時ホクトベガはダート転向後、ダート戦に限れば9連勝。すべてのレースが圧勝続きであり、ダート界の最強馬として君臨していた。そのホクトベガが、世界最高のダートレース・ドバイワールドカップに挑戦するということで、「ホクトベガならドバイワールドカップでも勝てるかも…」と胸の高鳴りを感じていた。
そして、近くの電気店で専用ラジオを購入。ワクワクしながら迎えた当日、胸のドキドキが、張り裂けそうな痛みへと変わったことは、23年たった今でも鮮明に覚えている。
「あぁ一頭落馬、ホ、ホクトベガ落馬。ホクトベガ落馬!」
ラジオだから映像は無い。耳から頭に鳴り響く落馬の声に「うそだろ」という言葉が浮かんでいた。
ホクトベガはこの転倒によって、予後不良の処置がとられた。中野調教師の「この馬はモナ・リザ。強さの理由は永遠の謎。」と言っていた。ドバイの地で羽ばたくはずのモナ・リザはあまりにも切ない思い出を残してこの世を去ったのである。ホクトベガ関係者はこのチャレンジを悔いたには違いない。当時のジョッキー・横山典弘はその後何度かこの時のことを悔やんでいると語っている。
しかし、ホクトベガのチャレンジは、一人の競馬大好き高校生の胸をときめかせ、そして世の中の無常さをも教えてくれたのである。

【ラジオNIKKEI賞予想】
福島1800はスタートしてすぐコーナーに入るためペースが落ち着きやすく先行有利な舞台。通常であれば先行馬が穴となるが、今年のメンバーをみると先行したい馬がズラリ。ハイペースになり、差しが届くと予想する。さらにハンデ戦で斤量差がポイント。キャリアが浅い3歳のこの時期でハンデ戦は珍しく、実際の力差が反映されていないこともある。
今年もキャリアは浅いが、ハンデに恵まれた馬がいる。狙い撃ちだ。

◎ 2 ディープキング
ディープインパクト産駒の良血馬。まだキャリアは3戦だが前走の内容に今後への大きな可能性をみた。今回も相見える11パンサラッサの大逃げに完敗だったが3着には7馬身差、レース上がりは唯一の34秒台。ハイペースが予想される展開に加え、2キロの斤量差があれば逆転は可能だろう。52キロに戸崎を配した陣営の気合いからココは勝負だ。

〈買い目〉
単勝 2

馬単 2流し 1、4、8、10、11

三連単 フォーメーション 2→4、10→1、4、8、10、11

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