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「ただ生きること」を願うことと「死んじゃダメ」

生きる希望や力をすっかりなくしてしまった人に、どんな言葉をかければいいのだろうかとときどき考える。がんばってとは言えないし、よく休んでねというのもなんだか軽いし、かけるべき言葉がみつからない。何を言っても裏目に出てしまうかもしれなくてこわい。ただただ生きていて欲しいと願うことしかできない。実際、ただ生きていてさえいてくれればいいのだ。今生きることが苦しくても、いつかその苦しみが紛れる可能性が少しでもあるのなら、今をどうにか、生きのびて欲しいと思う。

ただ生きること

親を早くに亡くしているせいかな
ただ生きること
それ以上の
生きる意味を知らない

友が若くして逝ってしまったせいかな
ただ生きること
それ以上の
喜びを知らない

夢が今 持てなくても
傷がもし癒えなくても
誰からも見放されても
自分が嫌いになっても

ご飯が美味しいとか
風が気持ちいいとか
ただ生きること
それだけでいい
生きる意味が何もなくても

追記

その後、2003年3月に、これと同じようなテーマの歌を作った。

死んじゃダメ

毎日毎朝絶望のうちに
目を覚まして起きるのがつらい
やり直すことにくたびれて
はい上がる気も起きない

夢さえ持たなければもっと楽に
楽に生きられたかもしれない
人と競い合うこともなく
みじめさも味わわず

だけど死んじゃダメ
今は死んじゃダメ
生まれてきたことが間違いでも
生きる意味など何もなくても

好きで生まれてきたわけじゃないから
好きに死ぬことも許されない
この世には何の理由もなく
しちゃダメなことがある

だから死んじゃだめ
今は死んじゃだめ
残された人を悲しますとか
迷惑かけるからとかではなくてダメ

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