2020-10-01 最後までフォークを落し続けた歳内と西田の捕手としての成長と #087

歳内先発としてのプロ初勝利。正直7回無失点で抑えるなんて思っても見なかった。しかも序盤のしぶーい2点のみでその2点を守り切ることができるなんてちょっと奇跡に近い。ただ、投げてる球は決して奇跡では無かったよ。

例えば序盤の梶谷。

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3球目4球目とストレートの意識付けをさせたタイミングで外のカーブを引っかけさせた。西田が「コース間違えるなよー」と手で縦に線を引くジェスチャーを見せ、そこに満額回答で投げきった見事なボールだった。

その後は段々とフォークの頻度を上げていく。本来フォークは諸刃の剣で、使えば使うほど握力が落ち、落ち方が弱くなっていくものらしい。ただ今日の歳内はしっかりとフォークを落とし続けた。

例えば5回ウラ1死一塁で蛯名相手

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全球フォーク。ただ2球目で追い込むフォーク。1球外すフォーク。空振りを取りに行くフォーク。最後は泳がせるフォーク。全部意図の違うフォークを投げきった形。

極めつけは最後の山下の打席。

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2球で追い込んだ後2-2になった時点でフォーク連投も覚悟はしてたよ。

ただそれでも7球全部フォークはなかなか要求する方もなかなか勇気がいるもの。そのうえで全て低めに投げきることが出来たんだから歳内西田のバッテリーがお見事だったんだ。

この2つのフォーク一辺倒は今日の歳内の制球力があればこそできたとは思う。さらに相手がキャリアの浅い選手だったことも同じ球を続ける根拠にはなったかもしれない。相手の苦手をつき続けるリードはどちらかというと中村のほうがやってきたイメージだったが、今日はお株を奪うような配球だったと思うよ。

試合自体はとてもしぶーい試合だったけど、配球面でいうととっても楽しい試合だった。

最終回の配球も面白かったので一言ずつ。

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ソトは昨日今日とインハイの直球が廣岡レベルに合ってなかった。そのうえでのインコース3球勝負。石山の球威があれば行けるやろってやつ。

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佐野へはストレートのファーボール。逆に弱点の見当たらない状態になってたので勝負自体を7割避けた形。

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宮﨑に関しては対戦打率1割弱とカモにしてる相手。ここもストレート3球で仕留める。

2アウトまでいけばロペスに対しては一発警戒のみ。続く打者に長距離砲は居ない。

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スライダーをコースいっぱいに投げきるもレフトに運ばれる。ただ長打は打たせなかった。

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最後倉本に対しては3球目で追い込んだ時点で勝負があった。更にインハイかませてのフォークなので石橋を叩けるだけ叩いた配球で打ち取っている。

勿論ピッチャーの制球力が大前提でもあるんだけど、こういうリスクヘッジを西田も出来るようになったんだなぁと。ちゃんと捕手として成長してるよ。

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