見出し画像

【鶴亀杯】俳句三首


楽しい企画をありがとうございます。
今回もめでたく
『鶴亀杯・みんなの俳句大会』に参加します。
どうぞよろしくお願いします。

はらの子にせがまれて枇杷びわふたつ

手花火てはなびの手に手を添へて見つめをり

あいみょんを口ずさむ吾子あこ金魚玉きんぎょだま

一句目 (季語・枇杷)

枇杷の実の形は妊婦のお腹に似ている。
カーブがリアル。質感や色も少し近い。
「抱っこしあって~うれている」という歌も
枇杷を見るたびに思い出す。
2人目の子の生まれ月は7月だった。
暑く重かった。早く産ませて〜と思っていた。
もともと枇杷は好きだが、お高く、旬も短い。
妊婦だからと特によく食べた思い出もない。
あらら‥類想句。
ちなみに、つわりの時はレモンキャンディや
塩味のクラッカーをよく食べていたな。

二句目 (季語・手花火)

恋の句と思われるだろうか。シメシメ‥
「胸キュンアンチエイジン句」を提唱する私。
ときめく女子の句として読んでもらって大歓迎。
でも、この句の着想は親子の情景だ。
火のついた花火を怖がる幼い子。
その手に自分の手を重ねて、
一緒にパチパチする一点を見て楽しむ。
緊張して体を固くする我が子がまた可愛い。

話は長くなるが、我が家の前の路地には近所の子ども達がいつも集っていた。ままごと、ゴム飛び、ボール遊び、バドミントン、キックボード、そしてやっぱりDSや遊戯王カードも。夏は水鉄砲、ビニールプール、かき氷、スイカ割りまで。
とっておきは夜の花火。手持ち花火と水の入ったバケツを持ち寄り、次から次へと火をつける。ネズミ花火ではじまりドラゴンでクライマックス、おしまいに線香花火。
この日ばかりは思春期の子達も弟妹の付添いのフリをして花火に興じ、大人もビールを持ち寄って親父トークが盛り上がっていた。
今になれば懐かしく幸せな思い出ばかりだが、小心者の私はいつもヒヤヒヤして、お目付け役として注意や世話に忙しかった。
ありがたいことにご近所にご迷惑をかけながらも温かく見守られて、みんな大きくなった。感謝。

三句目 (季語・金魚玉)
「金魚玉」と金魚鉢とは少し違うらしい。

「金魚玉」とは
金魚を飼っておくためのガラス製の円い器。軒などにつるして、すずやかなおもむきを楽しむ。

『きごさい歳時記』

あいみょんとかけて金魚玉と解く、その心は‥
どちらもエモいでしょう。
いや、この取り合わせはいったい何?かも。
水を張った丸い鉢を吊るせば
魅惑的な小宇宙の趣。
隔てられたガラスの内には
鮮やかな金魚が涼しげに華麗に泳ぐ。
ガラスの丸い輪郭に大きく屈曲して金魚の顔。
覗き込む私の顔も金魚には歪んで見えるのか。
本当のところは解らない。
年齢的には青春時代真っ盛りのわが娘も
言葉にならない想いを閉じ込めて
私には入り込めない世界を持っているのだろう。
あいみょんを歌いながら漏れ出る彼女の想いを
つい詮索してしまう母の私なのだ。いかんね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?