#推し短歌


こちらの企画に参加します。


哀しみと怒りの不協和音さえ
溶かすピアノの音色飴色

鍵盤を翔ける指先なめらかに
モニター越しの恋が始まる

ピアノの音色が好きだ。
優しく柔らかく、時に激しく情熱的に、メロディを歌いリズムを刻む。伴奏にももってこい、ピアノは何役もこなせる楽器。

ピアノの先生のショパン、近所から聞こえてきたラフマニノフ、礼拝の讃美歌、習い事のゴスペル、寝つけない夜のジャズ、そして推しのインスト。やっぱりピアノの音を選んでいる。

物心ついた時には家にアップライトピアノがあった。高校卒業まで毎日弾いた。
進路には選べなかったが、今も途切れ途切れになんとか続けている。
上手ではなくても好きなんだ。それでいい。
弾いている間、考え事をしているようでぼーっと流していることがある。そんな瞑想状態のようになるとリラックスできる。思春期の頃も私はわりと機嫌のいい子だったが、ピアノと関係あるかもしれない、と思った。

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