気持ちがカサついた時、私が向かうのは
週末、穏やかな晴天に恵まれた東京近郊。
跡形もなく消えた雪に未練を感じながら、
私は亡き両親の眠る品川区の寺に向かった。
気持ちがガサガサして落ち着かない時は、
一人で墓参りに行くと決めている。
地元の最寄駅までは夫が送迎してくれた。
その先、懐かしい東急池上線に揺られるのも
楽しみの一つだ。
電車を降りて花を買い、急な坂道を登って
寺の裏の墓苑へ入る。
母の書いた字が刻まれた墓石が待っていた。
随分な労力をかけて母が田舎から移した墓に
夫婦二人、喧嘩せずに収まっているだろ