自分以外の基準点
中学の時の教師に国語科の日野と言う男の先生がいた。
よく笑う先生で、頭頂部が若くして薄くなっていることを生徒によくいじられていた。
そんな先生だったからすごく人気があったんだけど、定期テストではかなり人が変わって態度が厳しくなる。
一年の一学期。最初のテストだった
「テストを返却する。他の人と見せ合いっこしても構わないけれど、絶対に褒めたり貶したりしないで。」
そう言った。
僕は貶してはいけないは分かるのだけれど
褒めてはいけないはどう言うことなんだろうと思った。
理由を先生は言う。
「その結果に満足しているかどうかは本人が決めることであって、他人が評価をしてはいけない」
そう言われた。
例えば普段30点の人間が50点取ったら嬉しいだろう
でも普段80点の人が70点だったら?
それに対して普段30点の人間が「高得点だね」と言うのは失礼だ。
だって本人は納得してないかもしれないんだから。
当時の僕にはあまり理解ができなかったのだけれど、歳を取るにつれてその言葉を理解できるようになってきた。
あの話を聞いてから、もう7年くらい経つ。
今でも僕はたまに思い出す。
『誰にでも基準点はあって、全員が同じわけではない。
一人一人の基準をちゃんと理解してあげないといけない』
そんな風に人のことをちゃんと考える生き方をできたらいいなとあの話を思い出すたびに考える。
あなたは誰かの基準を見てあげられていますか。
自分本位に生きていませんか
あなたの周りの人間はあなたとは違うし、あなたも他の人とは違う。
自分ができることが全てじゃない
それを思考の端っこに置いておくことが大切かもしれません。
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