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臆病な僕らのためのハンマー。

秋のデザインフェスタの申し込み書が届いた。

デザインフェスタとは、春と秋とたまに真夏も、東京ビッグサイトで開催される、クリエイターのお祭りです。

わたしは友達のぴろこちゃんと連名で、春だけだったり、春秋両方だったり、毎年楽しみに出展していた。

申し込みが多くて抽選で当たらないと出れないし、場所も抽選。両隣りや後ろと密着してるので、周りの出展者の人柄によっても、その日の楽しさは全然違う。

お互いのお店の間を通るなとか言ってくる人もなかにはいたけど、お菓子を交換したり、買い物しあったり、トイレ行く間店番を頼んだり、だいたい仲良くなれた。「次の出展のときも隣になれたらいいなー」なんてかわいいことを言ってくれる人もいた。

大人になってからもこんな楽しいことあるんだねー!って、初めて出展した日の帰り道、ぴろこちゃんと熱く語った。大人の文化祭だねーって。


こんな感じ↑


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出展予定だった去年の春のデザフェスが秋にそのまま延期になり、秋は開催されたけど、ちょっと怖くて辞退した。

それから、今年の春、そして、今度の秋。

取り寄せてもないのに、申し込み書が届く。(前からそんなシステムだったかな?違うよね。)

パンフレットの写真を見ただけで、ゾッとする。
これぞ「密」。人がいっぱい。

怖くて出展もする気になれないし、遊びに行く気にもなれない。



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一年前はこうだったけど今はこうです!的な報道を観るのが嫌いです。
テレビに向かって「だからなに?」ってひとりで言ってる。

今までと変わってしまったことを言うのにはもう、飽き飽きしてる。

違う楽しみかたも見つけてるし、慣れてもきてるし、そんなに優等生には暮らしてないし、それなりに楽しんでもいる。

悲観することにも楽観することにも飽きてしまった。またその話?って。


だけどたまに、びっくりするのだ。ふいに。

人混みを怖いと思ってしまう自分に。
思考回路を一切使わず、瞬間に怖いと思ってしまうことに。

映画を観ても、マスクしないで話したりできていいなあーって思うし、ラブシーンなんて違う意味でドキドキする。

この感覚をまた忘れられる日が来るのかな。


バスの停留所のベンチの張り紙の「詰めて座りましょう」って文字が消されていて「間を空けて座りましょう」ってなおされてるのを見て、ちょっと笑った。真逆やんか。


だれもなにも怖いと思わないくらいに世界が元どおりになって、晴れてデザフェスに出展できる日がきたら、みんな会いに来てね。

それで握手したりハグしたりしてやりましょう。


✳︎タイトルは、andymoriのゴールデンハンマーの歌詞です。

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