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日本美適進化論:センスの正体

センスが良い人・センスが悪い人とは、洋服のセンスだけを指すわけではなさそうです。場の空気が読める、人付き合いがうまい、ビジネスセンスがあるなど、その人の感じ方や世界観、さらに生き方なども含む感覚的な要素が多分に影響しているのです。

「美意識」もセンスが大きな幹になります。実は、美意識ほど結果にコミットする概念はありません。実際、私も高リピート率やたくさんのリファーラルを頂ける、持続可能な結果を出し続けています。

ではいったい、その感覚的な差はどこで身に付くのでしょう。
センスとは:「物事の微妙な感じや味わいを悟る心の動き。」「微妙さを感じる感覚」という意味。感受性や繊細さなどがその正体です。相手の心情の機微や感情の流れなどに関心を持つ繊細さを、言葉がけや態度にできる感情的な教養が求められる時代です。

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■■■センスの正体■■■■■■■■■■

1)センスは先天的?後天的?

2)感受性の放棄

3)感受性の教養

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1)センスは先天的?後天的?

遺伝子が体質や体調などの身体的健康状態に影響するのは40歳ぐらいまでと言われています。それ以降の健康状態は自己管理次第ということですね。では感覚的なものはどうでしょう?生まれつき体調を崩しやすいなどの特性が、全く感受性に影響しないわけではありませんが、例えば社会性や人間関係などで培われる後天的な感受性は、生まれ育った環境に影響されることが多いようです。生まれた地域や長く住んだ土地や環境・家族構成・受けた教育・幼い頃からの友人関係などが、個人の「感じ方」に大いに影響を与えています。そもそも、自分が発する言葉もアクションも、接した物事や相手の言動や態度行動について「どう感じたか?」によって表現やアクションが決まります。センス(感受性)「どのように感じるか?」が、発言や行動のおおもとの動機付けになっています。

いま自分が相手や物事に対して「どのような感情を持っているか?」と、冷静に俯瞰できる客観性が大切ですね。

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2)感受性の放棄

弊社では顧客の9割が大手企業の社員の方々です。日々の行動責任を数値で管理しながら結果にコミットする毎日に、セルフコントロール術に長けているプロフェッショナルが多いのですが、時に感情の鈍化を引き起こしている印象を受けます。私はメンターとしての役割も担い、特に女性のリーダーの生態(失礼!)に着目していると、いま非常に気になる問題点が浮き彫りになっています。

それは、個人的な心情を表現することに戸惑う女性リーダーが以前よりかなり増えていることです。感情を押し殺す習慣はもちろん、例えば目の前の上司が、どのような感じ方を求めているのか?周囲の空気を探ることを優先して自分の感受性を後回しにしてきた結果、個人の意見がまとまらない、または、どのように表現すればいいのか即答できない方が多く、ユーモアや楽しそうな様子は微塵もありません。

メンターはコーチと違い、メンターがメンティーに対してある程度のプライベートなどの自己開示をしながら良い関係性を築き、上下関係を越えて考え方や価値観の違いを認め合うことで、同調圧力を防ぎ働き難さを回避して、離職率を防ぐ狙いも併せ持ちます。

メンタリングのトレーニング中にこんなことがありました。「最近プライベートで印象的だったトピックスは?」と、とてもシンプルなワークを行ったところ「自分のプライベートを話したことがないので、とても難しかったです。」と回答した女性リーダーがおりました。勤務中はリーダーとしての役割を真摯に果たそうと生真面目な面が伝わりました。しかし、そのような自分の言葉を持たないリーダーが発揮するリーダーシップでは、部下の仕事のやりがいや熱意ある職業観は育ちません。結果にコミットするあまり個人の感受性を放棄してしまったリーダーの硬化した感受性では、仕事はうまく行きません。リーダー個人としての職業観や仕事へのこだわり、熱意、失敗してもカッコ悪くても這い上がる姿を見せることができるリーダーに、部下は心が動かないわけがありません。

私が尊敬する「人たらし」と言わしめ、最強チームで結果を出し続けた上司の着任時の挨拶を覚えています。「僕はこの部署での経験がありません。皆さん、私に色々なことを教えて下さい!私を皆さんの仕事がしやすいように大いに使ってください!」と、20歳も下の部下に向かって目線を併せそう言えるフランクさに、新鮮なやる気が湧き上がりました。年月が経っても、コミュニケーションセンスも人としての魅力も豊かだと感じます。今ではハラスメント問題も根深いですが、「美味しいお鮨が食べたいね。」と同僚と話していると、「おう!穴子が美味しい鮨屋を知ってるぞ。」と、グルメ情報にも精通し公私共に頼りになる上司でした。仕事とプライベートのメリハリや、自分時間こそ感情を抑えずに遊びやスポーツなど豊かな経験をすることで感受性のバランスを取りたいものです。

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3)感受性のバランス感覚

例えば、怒りや悲しみなどの湧き上がる感情を制御したりコントロールすることはできません。しかしインターバルを置きながらでも客観的に捉えることで、感情を好転させる習慣をつけることができます。無理に変えようとせずに「いづれ感情は変わるものだ」と冷静に捉えて時間の経過を味方につける。ネガティブな感情に支配されている時は、出来るだけ思考より行動を優先して気分の切り替えを行いましょう。

モーションはエモーションを変える。行動することで思考や感情は変化します。私も辛い時こそ外出する、人に会うことで自分の感受性を護る努力をしています。自分の感情の揺らぎを上手く扱えるのは、自分だけだということを忘れずに、喜びも痛みも、感受性という生まれてきた意味や醍醐味を十分に感じる豊かさが人生だと納得しながら、この社会の荒波を乗り越えて参りましょう。


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