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ラムネのビー玉

 久しぶりのnoteです。
 今回は6月18日・19日に公演した『ラムネの白、ビー玉の碧』について、思いをつらつらと綴りたいなぁと。思い付くままに書き連ねますので、読みにくかったらごめんなさい。。

 2日間に渡る全5公演、無事に終了してホッとするやら寂しいやら。公演か終わる度にやって来るこの感覚は、どんなに回数重ねても慣れません。

家劇場@北千住
縁側。昔っぽいガラスに風情が。
見学時のメンバー。古民家に興味津々。

 今回、公演を行うにあたりお借りした「家劇場」は、6畳の和室が二間という昔ながらの平屋。ここで演劇できるの?っていうくらい、本当に「家」です。
 この空間に出会ったからこそ『ラムネの白、ビー玉の碧』は生まれました。客席と舞台のこの近さで、どこかの家を覗き見しちゃってるような気まずくなるような物語を観てほしい……ふふふ。と言う、作者のいたずら心に火がついちゃったんです←

 さてさて。
 今回は「はらぺこてふてふ」にしては大人っぽい物語でした。いわゆるところのメロドラマ。愛だの恋だの憎しみだの、詰め合わせてみました、はい。でも昼ドラのようなドロドロではなく「朝ドラのように爽やかな感じ」に仕上げたい。という、なにそれどうすんの?みたいなプランで走り出しました。歴代の作品の中でも、書いていてとてもしんどくて楽しかったです。
 メンバーのスキルも人生経験的なものも豊富になってきたし、ここはいっちょ、大人の階段上ってみようぜ☆と、今までは敢えて避けてきた要素をてんこ盛りにしたら見事に胸焼けしました。
 これ、反対されやしないかしら……と書き上げた脚本をヒヤヒヤしながらメンバーに見せると、楽しいと言いつつも「これ、やるんですか……(困惑)」的な雰囲気はありました。そりゃそうだ。反対されなかったのが奇跡です。
 で、稽古。産みの苦しみはいつものことです。が、「前作(プルキニエ)よりは心のダメージ少ないから大丈夫!」と言いつつ、毎度毎度カロリー消費の半端ない手強さでして。私自身も演者として読みながら「うわぁ、むっず……」と(笑)それでも、「絶対にあきらめない、掴んでやるから覚悟しろ!」という役者たちの気迫と根性に救われました。みんなすごい。えらい。
 それぞれの役を掴むことはもちろん、物語が破綻しないように一つの流れ・空気感をみんなでちゃんと共有して創ろうということが、今回はいつも以上に重視されていたように思います。それも役者たちが自主的に、明確に言うというよりは、お互いに感じ取ってやっていたように感じまして。すごいメンバーだなぁと、しみじみ。感謝です。みんなすごい。
 それぞれに「今までの自分」を打ち破ろうと稽古の度に、もしかしたら稽古場を離れても模索していたんだろうなと。(私も、とあるメンバーの一人と役作りのために鬼子母神付近を歩く、なんてことをしました)
 
 今までと同じではいられない。瓶の中のビー玉を手に入れるために、この瓶を割らねばならぬ。
 
 瓶を割ることに少しの躊躇いもない、なんてことはメンバーの誰一人もなかったと思います。悩み抜いた末に「だぁりゃぁっ!!」と、それぞれのタイミングで最後は思いきりよく見事にぶち割ってました。
 そして私は、割れて飛び散るその破片を「キラキラしてる、キレイだなぁ」と、感謝と尊敬の眼差しで見つめていました。もちろん、手に入れたビー玉も。

 そんな感じでそれぞれが、ぶち割った瓶から取り出したビー玉を携えて臨んだ本番。アンケートや直接うかがえた感想から、思っていたよりも好評価を頂けて嬉しい限り。色んな受け止め方をして頂けて、役も役者も喜んでおります。伝えたいことがちゃんと伝わるって嬉しい。あ……お尻や背中が痛くなってしまったのは、あの……すみません。よくぞ耐えて下さいました。
 そうそう。客席は舞台をL字に囲むように2方向にあるという変則的な配置にしたため、見る位置によって物語の雰囲気は違ったかなぁと思います。役者も、どこに向けて芝居すんだ?前?横??全方向か!?と、まぁ戸惑いました(笑)
 もっと公演回数があれば、リピートで違う席に座って見比べとかできたら……なんて思ったりも。いつかやってみたいですねぇ。なんて。

最後まで駆け抜けました!

 とまぁ、そんな感じで、今回もたくさんの人に支えられてさらなる挑戦と成長ができた公演でした!

 今回、予期せぬ別れもありました。これに関しては決着をつけた今でも悔しく、残念でなりませんが、もうそれは置いていきます。囚われることなく、ここから先は嘆かずに進むのみ。
 やりたいことをやりたいようにやる。好きなことをあきらめず、絶対に手放さない。胸を張って「大好きだ!」と言えることを頑張って生きていきたい。
 11年目のはらぺこてふてふも、そんな感じでゆるっとふわっとやりたいようにやっていきます。
 これからも応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。そしてお心が向きましたら、私たち紡ぐ物語を見届けに劇場へいらしてください。

はらぺこてふてふ 水沢透子


 


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