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デランネリの村から

パウダースノーが舞う夜空
雪雲の隙間から覗く朧げな星光

宿舎の二階にある小部屋には僕と彼女だけ
僕はこの小窓からデランネリ村を眺め
彼女はベッドで静かに息をたて眠る
部屋の隅にはどこからか入り込んだ雪虫が
僕のフラスコを見つめるようにそっと佇んでいた

村の外れにはステンドグラスの花畑が見える
光っているもの 割れてしまっているもの
ステンド草が好きだ どこか彼女に似ているから

彼女が造られた存在であるということ
彼女の生命が今なお削られていること
穏やかに眠るその姿からは
誰にも想像できないだろう

読んでくださりありがとうございます!! ちなみにサポートは私の幸せに直接つながります(訳:おいしいもの食べます)