人生というキャンバスに向かって思うこと[67/100]
人生は短いという人がいる。
長生きしたいと、母もいう。
人生は、果たして短いのだろうか。
実は私、「人生は短い」とか「長生きしたい」と感じたことがない。
なぜだろうか。
明日人生が終わります、と宣告されたら「それは困る」と思う。それは、娘たちが悲しむかもしれないからなわけで、私が何かをしたいから…というわけではない。
こう書くと、なんだか欲求のない人のようだが、
実際は欲求だらけの人間だ。
欲しいものはたくさんあるし、行きたいところも山ほどある。でも、死ぬ前までに、必ずやりたいことなのか、と問われると、そうじゃないと思う。
これは若い時からそうだったから、そういう人間なのだろう。
『人生は死ぬまでの暇つぶし』とは、フランスの哲学者、パスカルの言葉だ。この言葉が、私にはしっくりくる。
生まれた時から、死ぬまでの間を、どう生きるのか。
すでにあるキャンバスに、どんな絵を描くかは気になるけれど、キャンバス自体を「描きたい絵には小さめだな」とか「もっと大きくしたい」とは思わない。
でも、ビビッドで、楽しい絵を、力の限り描きたいとは、思う。「洋服が汚れちゃうかも」とか「途中で終わっちゃうかも」なんて守りに入らず、伸び伸びと描きたい。
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