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書籍のバーコードから読み解けること

今回は本の話。

子どもが使う参考書をネットで買ったのですが、裏表紙を見てあれっと

本をよく買う方だとお気づきになるかもしれませんが、この参考書、一般的な本にあるものがない…バーコードが1段しかないのです。そしてアルファベットであれこれ書かれているコードもない。

一般的に書籍として流通させるためにはISBNコードとJANコードの2段バーコードが必要です。

日本の書籍だと下記の通り。上下段とも13桁。

9784【8桁の数字】【チェックデジット1桁】

192【Cコード4桁】【本体価格5桁】【チェックデジット1桁】

Cコードというのは本の分類を表すコードです。

2段目のほうは同じ数字の本が複数存在する場合が往々にしてありますが、1段目のISBNはユニークな数字になります。


話を最初に戻すと、ただよびの参考書にはこのISBNがなくて、Code128がバーコードで使われています。

これが何を指すのかというと、一般書店(amazonなどのネット書店含む)での流通を前提にしてないということ。

まぁ、書籍流通に新規参入はなかなか面倒です。

1)2段バーコードを使えるようにする手続き

ISBNを100冊分使えるようにする使用料が37,000円+税。

JANコード使用料が3年更新で、まずは10,000円+税。書籍の売り上げが上がるとこちらは値上がります。

これはまぁ初期投資としては仕方がないなと思える出費だとは思いますが、今時だと問題はこちらかと。

2)取引先を探す

新規出版社が取次(問屋)と新規口座を開くのはなかなか厳しいです。

オーナーの過去の実績が口座開設にはモノをいう世界という認識です。

今回例にとったただよびの場合、オーナーさんは出版関係の実績はないのかもしれませんが、1冊目に出した吉野先生、2冊目以降に出てくると予想される森田先生の過去の著書の実績があるので、やろうと思えば取引口座は開けたのかなと思います。でも他の手間を考えて正規ルートの書籍流通は見合わないという判断なのかな。

Amazonの直取引(e託)は新規出版社だとおそらく60%。本の原価を考えると、利益は3割あるかどうか。これもなかなかきつい。

1,980円(1,800円+税)の本なので、これをamazonで売ると

○1冊あたりの利益は1,080円+税

○原価3割とすると純利益はこの半分で540円+税

ここから送料や人件費払うと…全然だめですよね。手売りのほうがましに。ちなみにただよびは発送は倉庫会社に委託しているようです。

チャンネル登録者(認知度)が今よりずっと増えるとか、出版物が増えてきたらまた変わってくるのかもしれませんが、今の時点ではネット書店含め、書店にわざわざ卸す必要はないというのはごもっともに。更に一般書店だと返品があるので、卸した本の4割は返ってくる覚悟が必要だし。新規参入は厳しい世界だけど、正規ルートは参入するほうも逆にお断りなんかなーと思った次第。

とりあえずはこの参考書で古文嫌いな子どもに勉強してもらうかな。私自身も学生時代はあまり古文は好きではなかったので、こんな形で勉強ができる今の学生が羨ましかったり。


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