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続・自由な顎のお話

このお話の続きです。

頭蓋骨から吊り下がっている顎はエゴが溜まる場所、と聞いたことがあります。思い込みにより生じた我慢が溜まっていく場所。無意識の食いしばりも顎が固まってしまう原因でした。だからこそ、解放の場所でもあると思うのです。

声の学びに参加していたとき、顎関節の構造のお話を伺いました。顎っていったい、どこからどこまで?そのお話の中で、わたしたちが思う顎、下蓋骨は下あごで、頭蓋骨は上あご!だと知ってびっくり。いつも「アタマ・頭部」と捉えている部分その全体があごだなんて!

声の学びでは、顎を自由にしてじぶんの本来の声を響かせるために、まず顎関節まわりをほぐします。指やこぶしを使って、やさしくマッサージしたりストレッチしたり。そのあと、顎をぶら下げるように力を抜きます。ぶら下げた顎をやさしくつかんで奥歯が合うところまで持ち上げます。簡単な動きですが、これが難しい!何が難しいって、ゆるめているつもりの顎に力が入り、無意識に自分で顎を開けたり閉めたりしようとしてしまうのです。じゅうぶんに顎がゆるんでいれば、顎をつかむ手は自由に顎を動かせるのですが、なかなかそうはいきません。わたしの頑固な顎も、はじめは笑ってしまうくらいゆるまず、先生にゆるめてもらうまでガッチガチでした。

この、顎が自由になることは非常に大切です。自分でじぶんにはめている輪っかのようなもの、これはあってもなくても自由なので良いのですが、その輪っかを自分自身ではめたり外したりすることができるということだからです。普段からあなたの顎は自由でいるのか、気をつけてあげると良いと思います。

そして、声の学びでのわたしの顎、先生に手伝っていただいてはじめより自由になった顎。自由な顎で出した声は、稽古場をびりびりと震わせながら響き、わたしは心の中で「なんじゃコレー!!」を繰り返していました。声とじぶんが空間に広がって、自由な顎ってすばらしい…

こうして、からだを感じる時間はじぶんが間違いなくここにいることを教えてくれます。それは心にも深い安心を生み出し、からだの神聖さへの感謝から、あらゆるものへの感謝につながってゆきます。

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