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No.4✨運命の出逢い✨          ~医療センターの医師との出逢い~

 いよいよ最初に若年性DLBと診断された医療センターへ。

 また治療を拒否されたらどうしようという強い不安と、「治療をお願いしますと書きますから」と励ましてくださった精神科医の紹介状を胸に抱えながら、母と共に医療センターに向かいました。梅雨に入ったばかりの重苦しい空の下、とても緊張して行ったことを覚えています。

 脳神経内科の待合室は寒く感じられました。名前が呼ばれた時、「期待するな」と心の中で呟きながら、ドアをノックしました。そして診察室に入ると、そこには笑顔を浮かべて温かく迎えてくれた柔和な医師がいらっしゃいました。

 これまでの経過を全てお話しし、こちらで治療を希望していることを伝えました。私が話している間、医師はパソコンには目をやらず、きちんと私の目を見て聞いてくださいました。そして、私の目と母の目を交互に見ながら、こう話してくださいました。

 「今までこんなにたくさんの病院やクリニックへかかって大変でしたね。正直なところ、僕にとっても、とてもレアなケースです。40歳の若年性DLBの方は初めてです。それは若い患者さんの多くが先にうつ病を疑い、精神科を受診してしまうのです。そして、症状が改善しないまま高齢になってから脳神経内科へ受診するからなんです。
 
 僕自身も何とか現状維持できるようにしたいと思っていますが、進行性の病気であり、個人差があることを考えるとあまり先のことを言えません。だからこそ、まずは若年性DLBという敵を知るということから始めていきましょう。敵を知らなければ、何も治療することができません。僕が担当しますから、一緒に頑張っていきましょう。」

  医師の言葉が胸に響いて、私と母の目には涙が溢れていました。医師に「宜しくお願い致します。」と心を込めてお辞儀したことが記憶に残っています。ようやく私と、私の病気を受け容れてくれる「治療の場」が見つかりました。
 
 そして、やっと「運命の医師」に出逢うことができたのです。

 

 


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