No.9🌸幻視について🌸　　　　　　　　　　　　　～主治医からの言葉～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～そして容態急変～　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　前回錯視や幻視について投稿しましたが、私は時間にあまり関係なく見ます。そのことを医師に伝えると、薬を増やされてしまうのではないかと少し恐怖もありましたが、（事実を隠すこともできないので）診察時に伝えることにしました。すると、主治医からは予想外の言葉が返ってきたのです。

　「パンダさんや妖精さんたちの幻視なら大丈夫だね。だって可愛いもの　　　　　
　　ね。幻視で困ることがあれば、アリセプト内服を検討するけれど、内服　　　　　　　　
　　をしても副作用のリスクのほうが高そうだから、前回と同じ薬で経過を
　　みましょう。

　　　また初期段階では、ある物が何か別の人や物に見えて、明らかに自分　　　
　　自身で幻視だと理解できるようです。しかし進行してくると幻視なのか
　　本物なのかも区別ができなくなってくるようです。」

　私は主治医の言葉を聞き、「幻視は悪いものじゃなくて楽しいものなのか
のしれない」と思い、少し心が軽くなりました。
　
　この頃（申請から約3か月後）に精神障害者保健福祉手帳3級を取得しました。

 　そして、私の体調に異変が現れ始めました。
　
　すり足歩行や歩行中の眩暈による転倒を予防するため、私は杖を使って通勤していました。ようやく夏の暑さから解放され涼しさが感じられるようになった朝のことです。通勤の途中から段々と両脚が鉛のように重くなり、次第に痛みも出始めてきました。私は顔を顰めながら脚を引きずるようにして駅から職場へと向かいました。

　何とか職場にたどり着きましたが、もう両脚が動きません。すぐに休憩室で休ませてもらいましたが、上司から帰宅して休息をとるように指示されました。こんな身体の急変は初めてで、恐怖や不安から子どものように泣き出してしまいました。

　一人では帰宅できません。職場の最寄り駅まで母に迎えに来てもらいました。手で脚を持ち上げながら一歩ずつ歩行し、段差は母の介助がないと上がれない状況です。この現実に「進行」という言葉が頭をよぎります。少しでも長く「現状維持」することを目標にリハビリも頑張ってきたのに。それがここで終わってしまうのかと思うと、情けなくて悔しくて怖くて不安で惨めな気持ちになりました。
　そして強く願いました。
　
　「できることなら、もう少し、今の私でいたい」

　結局、会社は5日間休みましたが、体調は元に戻りませんでした。そして、フルタイム勤務から午前中の3時間勤務に変更してもらい、様子を見ることになりました。

　しかし、これで終わりではなかったのです。。。