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登場人物、全員死ね

(1)

わたしは母に対してジャイアンのようにわがままで、彼女を支配してるところがある。っていうか、彼女が勝手に、激しくへりくだって、スネ夫をやるから、わたしはジャイアンにならざるを得ない。ダメ男製造機みたいな女性っているけど、母は子供をジャイアンニートにしてしまう、いわばジャイアンニート養成のプロなのだ。

すごく悲しいことに、家族に対してジャイアンの人格を持っている人って、外ではスネ夫になってしまうことが多い。無意識のなかに母親の生き方が刷り込まれていて、外で、ふとした時に出てしまう。ってゆーかもうまる出し。かなしいことに、ジャイアンとスネ夫は、セットなのだ。一人の中に、加害者と被害者の人格があるように、誰かを支配しないと生きていけない人と、誰かに寄生しないと生きていけない人は、無意識で惹かれあってしまう。

家には、同居している人格障害の祖母がいる。彼女は、自分の不安のために、常に周囲の人間を監視する。わたしがバイトの次の日、疲れて夕方まで寝ていると、「ご飯を食べたのか?」とわたしや母に執拗に聞いて回る。夕方に家の中の誰かが出かけていると、不安でケータイに電話をかけてくるし、わたしがニートで引きこもっていると、「全然出かけない。病んでるんじゃないのか?」と他の家族に言ったりする。反論したり、言い返したりすると、泣いて暴れる。完全にキ※ガイである。

最近、叔父が亡くなった。ストレスによる心筋梗塞で、62歳にして自宅で急に亡くなったのだ。彼はこの毒祖母のもとに生まれた末っ子で、毒祖母が安心するために、その精神を、体の健康を、人生をむしり取られたひとだった。
祖母は何よりも世間体を大事にしていた。彼が小学生のとき、「学校に行きたくない」という彼の背中を、玄関で、竹ぼうきで殴っていたと聞いた。
大人になった彼はアルコール依存症で、へべれけになってゲロを吐き散らかす彼のとなりで、「も~わたしがいないとしょうがないんだから」と聖母のように背中をさすっていたということだ。彼の訃報を聞いた時、祖母はいかにも「子供に早く死なれた親」みたいに、悲劇のただなかで泣き叫んでいた。お前が殺したくせにな。

わたしは、家の中で、祖母に対してスネ夫になってしまう。自分を捧げてしまうのだ。そして、この世で最も憎んでいる相手に自分を捧げたことに対して、ものすごい後悔と腹立たしさに襲われる。毎回。


(2)

カフェのお手伝いは、時給300円である。そして、交渉したら今月は400円になった。私が入ったばかりのとき、めちゃくちゃ激務でクソ忙しくてキレていたけれど、最近、平日はガラガラでお客さんが全然来なくて超暇。400円だけど、まあこんなもんかな…?とわたしは思っていた。

でも、最近、またモヤモヤして眠れない。
今月の頭、先月働いた分の給料を受け取った。英世が3枚と小銭。わたしは、これまで、元恋人からお金を貰っても、「サンキュー!」と軽々しくすぐに使った。でも、この時の封筒に入った英世の重みは忘れられない。心がじんわりして、ちょっと泣いた。わたしの体が働いて稼いだ、大切なお金。英世に、「わたしのところにきてくれてありがとう」と、思った。

お金は、その人の価値であり、エネルギーだ。そのひとの体が、がんばって働いたお金。だから、お金を大切にするってことは、体を大切にするってことだ。でもね、この間、わたし2weekのコンタクトしてるから、アイボンと、保存液と、それからメイク落とし買ったら、もう3千円だった。

「なんで…?」
無性にかなしかった。わたし、カモられてない?スタッフ並の仕事してるよね? 「新しいパートさん雇うからそれまでは我慢して」? パートさんは時給800円なんだよ?しばらくは大体同じ作業量なんだよ…?わたし、忙しい休日出てるんだよ…?ホントは夜型なのに、めっちゃがんばって、活動範囲外に起きて来てるんだよ…?

この間まで、久しぶりに社会に出て、社会的に人に必要とされて、ハイになったわたしは、もうここのパートになろうかという勢いだった。そして上機嫌で、死ぬほど憎んでる祖母に対して、「私、カフェで働いてるんだよ♪(安心して)」と、言ったのだ。


(3)

どうして?
ねえ?これでいいの?

わたしは、何のために働いてるんだろう?
それは、祖母の世間体のためだ。
祖母の世間体のために、自分を殺している。
中学の時もそうだった。不登校になって、もう二度と学校なんか行きたくなかった。それなのに、わたしは、また全日制の、フツーの高校に行ったのだ。祖母の世間体のために。わたしのせいで、父と母が責められるのを恐れて。

死にたいなぁ。
いや、もうすでに死んでるな、わたしは。
いままで、自分自身で在れたことなんかなかったのだ。
「自分を捧げない」とかそんな記事を書きながら、家でも外でも、振りまくように、無料のティッシュみたいに、どんどん自分を捧げていたのだ。それが、この結果だ。
家でも、外でも、カモられ尽くしてるじゃん、わたし。
何なんだ。何これ。
かなしい。

自分であってはいけない。
親を(祖母を)安心させないといけない。
だから、まるでアンパンマンみたいに、自分の心をむしり取って、捧げる。親の心に空いている不安の穴をふさぐ。わたし自身は不安なまま。どんどん、体がボロボロになっていく。ストレスが溜まる。見せかけの人生を送った罰だ。体の許可、取ってないもん。体に聞く前に、人にいい顔するためにやった仕事。だから、ストレスで、しょうもない買い物してお金を使う。そうやって自分のこころと体を消費していく。いいの?本当に、それでいいわけ?


いいわけねーだろ!
じぶんで安心することのできない、人に不安なすりつけて、人の人生を奪おうとするババアなんかもう死んでしまえ!!!
そんなババアに人生うばわれていいわけないだろ!!!!
なんなん、、、、
かなしい。ほんとうに、かなしい。ひたすら、かなしい。
これだけ自分を捧げても、尽くしても、ただナメられるだけなんだよ?
だれもわたしを、大事にしてくれないんだよ?
自分を大事にできるのは、わたしだけなのに。
ああ…ほんと、自分ごめんすぎてどうしたらいいか分からない。
これまで、わたしは私で在ったことすらなかったのか。
自分がやりたいことをしたことがないのか。
かなしいです。
もうお手伝い辞めます。仕事楽しかったけど。先輩けっこう好きだったけど。
祖母にまたニートについてぐちゃぐちゃ言われるのは怖いけど、もう、わたしは、わたしでしか生きてけない。

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