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とある食べログの世界

よろしくお願いいたします:



Wikipediaでは
食べログは、
カカクコムグループが運営するグルメレビューサイト。
コンセプトは
『ランキングと口コミで探せるグルメサイト』。
ユーザーの口コミと共に全国のレストラン情報が掲載されている。
2005年3月サービス開始。

私は2008年から始める事になる。
ハンドルネームは「まめぞう」男性である。



現状ステータス(24年7月現在):
レビュー数:約5,800件
フォロワー数:8千人弱
レビュー主地域:東京都内
レビュー主ジャンル:カフェ・居酒屋・パン・イタリアン・食堂

食べログ以前:


勤め人の家に生まれ、
高校卒業後上京するまで
工夫好きな母親の作る料理だけで
ほぼ外食はなし。
大学生の間は母親が送ってきた
「NHKきょうの料理」のテキストで8割自炊。
社会人になり最初の7年は社員食堂がある環境、当時付き合っていた彼女とほぼ毎日居酒屋デート、安月給の中から月に一度少しいい店に。その彼女と所帯を持ち、週一外食ペース。彼女の実家は自営業で、仕事柄外食の機会が多く私より飲食店経験値が深く高い。

食べログのきっかけ:


食べログを始めるきっかけは
事務所が神谷町から目黒に移り、その昼メシ場所を探す事。
内勤サラリーマンの昼メシあるある、
大抵、部署数人のおっさん達のランチグループがあり、毎昼今日どこに行きます?
とグループの中のボス的存在にお伺いを立て中々決まらず、結局よく行く数店舗をローテでぐるぐる回る事になる。
たまにグループの若手にどこか開拓しとけと命じ、数度の提案で一度行き、その繰り返しのうちにようやく新たな一軒がローテ入りというパターン。
ランチグループの若手にとってはせっかくの昼休みなのに自由のない窮屈な今ならハラスメントのひとつにもなりかねない団体行動。
私もそういうランチグループの一員になり、一番の若手の時もあれば、長老の時もあった。
今回移った職場ではそこの長という立場だったのでランチグループが形成されるときっと私はそこの長にもなったであろう。
そんな事も考えながら赴任したので、前もって心に決めていた事があった。
「ランチは基本誰ともつるまずひとりで行き、店も自分で開拓する」
ということだ。
そうすると私から周囲にリーマンランチ問題を引き起こす事はなくなる。
そこから12年目黒の職場にいたが、
その決まりは守られた。

さてそのルールをスタートしたのはいいが
自分でランチ場所を探すのは結構大変。

神谷町時代、「じょにー」というハンドルネームで霞が関・虎ノ門・神谷町地域のランチ場所を紹介する個人ブログがあった。
時々使わせてもらい役に立っていた。
まだ食べログが世に出る前のことだ。
「じょにー」氏はその後NHKの取材を受け、あるドキュメンタリーに顔出しした。
なんと特許庁の若手職員であった。テレビに出たことにより公務員服務規程にでも触れたか番組終了後しばらくしてそのサイトは閉じられてしまった。余談だが特許庁の地下に食堂があり一般人も利用出来る。随分後、食べログ活動の一環で特許庁食堂に訪れ、この大きな食堂のどこかで「じょにー」氏が昼メシを喰ってるかもしれないと少し気分が高揚した覚えがある。

目黒の事務所に話は戻るがその経験からネットで目黒のランチを紹介してないか検索した。
イケてる、モノ・コト」というサイトを発見。そのブログは毎日まめに更新され、旅、テレビ、インターネット、そして目黒のランチを紹介していた。

この「イケてる、モノ・コト」ブログは重宝した。ちゃんと昭和なオヤヂグループを作ってランチに行っているが、手持ちの店の数が多く、更には好奇心旺盛で新店ができると勇んで出かけていた。予算もリーマンランチの範囲内で食の感想もきっちり書いていた。
で私は安直にそのブログ通りにランチをしに行く事になる。ランチをしたら食べログにアップする。それをしばらく続けていたわけだがその行為は「イケてる、モノコト」の追っかけをしている事に他ならない。
そのブログ主「池照」氏のプロフィールも色々知るところとなり、そのうち職場はあそこじゃないかとあたりをつけるようになっていた。
更に時間が経つと「池照」氏が私の存在に気付き始める。食べログで目黒を見れば自分が行った店を追いかけてる奴がいるからだ。遊び心のある「池照」氏はある日、自分のブログに「明日は◯◯でランチします。まめぞうさん待ってます。」と書き込んでいた。
翌日そこで劇的な出会い。
そして私があたりを付けた通り「池照」氏は同じビルにいた!
それから仲良くさせてもらい、個人的なお付き合いはいまだに続いている。
その後、私は食べログ初心者にありがちなスランプに陥る。行った店のどれをレビューアップするか選り好みするうち筆が進まなくなったのだ。

最初のレビュー:


食べログでの最初のレビューの話をしたい。私が最初にレビューアップしたのは職場界隈ではなく、地元界隈の気に入ってるがまだ世にほとんど知られてないイタリアンの店だった。
後で知ることになるが
食べログで最初にあげるレビューでその人の方向性がだいたい決まるらしい。
私のようにいい店だから紹介したいというタイプとトンカツ定食を頼んだら店のスタッフが味噌汁をひっくり返し、それをもろに被るのだが店の対応が悪かった事に腹を立てその事を紹介するタイプ。
前者はどちらかというと全体的に好意的な論調に対し後者は批判的論調になるらしい。
食べログの世界にも三つ子の魂百まで理論が適用されるのだ。

大忘年会:


相変わらずスランプ状態が続いていたが、丁度その頃、食べログ初期メンバーによる大忘年会が企画された。青海ふ頭のイベントホールを貸し切って30名の幹事団で運営し、半年前から入念に準備、100人以上集める。日頃店の味やサービスの事を書いている人達だから、そのホスピタリティは最高であった。プログラムブックが配られ、それぞれのアイコンの名札と、洗濯バサミにアイコンをつけたドリンクマーカーも渡された。10人ずつにグループ分けされ、各グループにリーダー、サブリーダー、壁の花状態の人にも声をかける配慮。大阪で同時開催されスカイプで中継された。うどんが主食氏をはじめとする有名レビュアー達も参加し、どういう人が書いているのか、日頃ネットの上だけで仲良くさせてもらってる人がどんな人なのか、興味津々、楽しくてしょうがなかった。この時私に一番刺さったのはこの会のコンセプトとしてプログラムブックにも書かれていた
「食ったら書く!」
この言葉でそれまでのモヤモヤが吹っ切れ食べログ活動に邁進していく事になる。

大忘年会後:


ランチは毎日職場界隈をしらみつぶしに回ってアップし、仲良くなったレビュアーさんも増えたので、月に2、3回オフ会に参加し、個人的には毎週ビストロ、トラットリアに出かけ、グルメ本、食レポ、料理人エッセイを読み漁る。
そうやって経験を積み重ねる事で写真撮影も文章も上達していった。

伝えたいこと:
食べログレビューで伝えたいことは
味の感想:もちろん飲食店の基本である。
サービスの感想:味とサービスは飲食店評価の対である。
料理の値段:私が主に紹介するのは勤め人が少し背伸びして行ける価格を上限とし、昼なら今は1,200円(プーチンのウクライナ侵攻までは千円)まで、夜は飲み物込みでひとり単価1万円以内。
店内雰囲気(+BGM、トイレ):そこにいてどの程度快適なのか、単に食事スペースのインテリアだけでなく、どんなBGMが流れているか、トイレがどんな様子なのかということも含まれる。
客層:お店が客を選ぶのか客がお店を選ぶのかわからないが、客層によって店の雰囲気は決まる。性別、年齢層の偏りがある店に自分が少数派で行くときはあらかじめ知っておいて心の準備が必要だし、地元常連客が多いと常連席があって座る席から気を遣うこともある。
メニュー:自分で決めた予算内に収める時にどういう組み合わせにするかの事前検討、コース仕立てでプレートがチョイスできる場合の事前組み立て、最初にあらかじめまとめて頼んでおかないと料理と料理の間の時間が随分空いてしまうこともあるので事前チェックと、メニュー情報は結構重要である。
店のバックグラウンド:店主がどういう思い、どういう経歴でこの店をやっているのか、その店の奥の深さやこれから進んでいく道も想像でき、いただく料理に魂が加わることになる。

レビューの基本スタイル:


私がレビューを書く時の基本スタイルは、居場所から店に向かい、外観を眺め、入店し、店内を見渡してから着席、注文して料理やドリンクをいただき、お金を払って店を出るまでを時間軸通りドキュメンタリー風に書くこと。そうすると、読者が頭の中で映像を浮かべやすくなるのだ。
また、これは社会人になってすぐ面倒を見てくれた先輩に教わったのだが、読む人が見やすい配置にする事を心がける。最初の頃は、2行書き、1行空けてまた2行という書き方だったが、スマホが普及してからは、長い一文の時は句読点の読点「、」にあたる部分で改行し、句点「。」の後は1行空けるようにして読みやすくしている。結果私のレビューは結構読み易い仕上がりになっているはずだ。

レビュー管理:


お店やレビューの管理はエクセルと食べログのお店保存リスト機能を使っている。なるべくすぐに検索できるようにするためだ。
現在5,800件ほどのレビューを公開しているが、下書きも含め全件エクセルにお店サイトのリンクを保存。下書きをいつ公開するかも記入。下書きストックは2ヶ月分ほど持っていて、一度新型コロナウイルス感染症で救急搬送され12日間隔離入院した時もリストに従って毎日一件ずつ病院のベッドから公開したので、読者に私がそんな状態だったとは一切バレなかった。
これから行きたいプロスペクト店については幾つものジャンル分けをして検索しやすいようにしている。「朝食」「ランチ」「家族」「ひとり呑み」「仲間呑み」「関西旅」……などタグを付け分類。「ランチ」「朝食」など更によく使うジャンルは更にエクセルにお店のリンクを貼り付け場所別値段別に分類し、必要な時にエクセルのフィルタ機能を使ってすぐにその時行く店を選べるようにしている。仕事で立て込んでいる時もすぐにチョイスできるのだ。

気を付けてること:


私がレビューを書く時に注意している事が幾つかある。都内のあるカフェに行ったときの事だ。今はスマホ、SNSの普及でいちいちお店の「ブログを書く為に写真撮影していいですか?」と確認する人はほとんどいないだろうが、最初の頃出会った本業金融関係のレビュアーさんから店への礼儀としてそれを確認するクセを付けた。
トーストが美味しいと評判のそのカフェでいつものように「ブログを書いてるんですが、写真撮っていいですか?」と聞いた。すると女性店主がわざわざ私の席までやってきて「困るんですよね。あることないこと勝手にネットにあげられて、嘘の情報が事実かのように世間に流れるんです!」
襟を正す思いで詳しくお聞きした。
用でほんの少し店を離れた時にお父さまに店番を頼んだらそのタイミングで来た人に
「初老のマスター」と書かれたり、
「近くの神社の神主の娘」と嘘八百書かれたり、それを受けてネット上で更に増幅していったそうだ。
「ひと言私に直接聞いてくれればいいのに」
まさにその通り。この時は嘘を書いた人達のところまで行ってあなたの情報が間違っているので訂正してくださいと私はひとつひとつお願いした。
以来私は裏が取れていない記述を2次情報として使う事はやめ、引用する場合は引用元を明らかにする事とした。
お店のレビューを上げる時にその店のバックグラウンドを知ることは大事だと考えている。そのお店の経営方針に大きく影響するから店主の思いが理解でき、寄り添ったレビューを書くことが出来る。

有名なのか無名なのか:


食べログをやっていても自分がどれくらい認知されているのかがさっぱりわからない。芸能人ならギャラが上がっていく事で実感できるのだろうが、食べログではギャラは発生しない。食べログ内で分かる指標として、いいね数、保存数、週間アクセスランキングというのもあるがあれも恣意性が十分あり得るので結局はわからない。

メダリスト:


食べログをやっていて全くわからないのが自分がどれほど知られているのかという事。芸人ならギャラが上がっていく事で自分の人気を測れるのだが、食べログの場合はギャラが発生しない。それを具現化しようとしたかカカクコムはレビュアーアワードというのを設定してゴールドメダル、シルバーメダル、ブロンズメダルと選んでいる。

それを有名レビュアーとカテゴライズしたいのかも。私も何回か選ばれた事はあるが、ルールの逆手を取って有用なレビューを上げることよりもメダリストになる為の方法に注力している人たちが少なからずいて結局あてにならないと私は思う。因みに現在のルールはその人のレビューにあるお店の保存ボタンを押してもらった数の通算数でゴールド、シルバー、ブロンズを決めるとなっている。相手の保存ボタンを押す見返りに自分のを押してもらう相互保存で堂々メダリストに選ばれたと悪びれずに書いているレビュアーさんも少なからずいる。もはやメダリスト獲得はゲームのようになっていて本来の趣旨から外れている。実際メダリストのレビューを読むと本当に役に立つレビューを書いている人はひと握りで、読むのが時間の無駄というレビューも散見されるのは否めない。

常連:


気に入ったお店に自分のこと覚えてもらうことはその店の思いをより深く知ることができるので重要だと思っている。
若い頃、名前の一文字が同じ漢字と云うよしみで長年製薬会社の営業をやってきた引退間際の重鎮のMさんと仲良くさせてもらった。製薬会社にとって大病院のアカウントをゲットすることは重要で、薬の採用の決定権を持つ医師にいかに食い込むか、その成功例をひとつ教えてくれた。Mさんは病院だけでなくそれこそ夜討ち朝駆けで医師の自宅まで行くが会ってくれない。めげないMさんはその医師の行きつけのバーをなんとか聞き出し、そのバーに行くことにした。行くがお目当ての医師には会えない。その日は帰り、Mさんは次の日もそのバーに行く。会えない。更に3日目もバーに行く。会えない。が、そこのママがMさんにとても興味を持ってくれた。
Mさんは単に3日続けてその店に行っただけではなく、普通ならツケかカードで払うところ、3回とも現金で払ったのだ。それでママがMさんに大いに興味を持ち、なぜ?とMさんに聞いたら、なんとかその医師に会わせてくれませんか。ママは二つ返事でOK、そしてその病院のアカウントをゲットできたという。
3日続けていくと常連さんになれるんや、
と京都出身のMさんが笑って教えてくれた。これは目からうろこな話だが、考えてみたら当たり前のこと。1年に3回その店に行くとして、4ヶ月ごとに3回行くか、三週続けて3回行くか、三日続けて3回行くか、どれが一番お店にとって印象が強いか誰でも分かる事だろう。この話はずっと自分の頭の引き出しに入れている。
もう10年以上前のことになるが、サイドメニューが充実してる当時から人気のインド料理屋があった。予約が取れて出かける。そこで食べたタンドリー砂肝とタンドリーラムがすこぶる美味しかった。普通はコリコリしてる砂肝がとても柔らかく旨みたっぷり、骨付きラムもとても柔らかく旨みたっぷり、ちょっと感動の美味さだった。あとで、砂肝の柔らかさとラムの柔らかさは理由が全く違うことを教わることになる。
その日折畳傘を忘れて帰り、翌日取りに行く。そして一週間後、またその店に行って、タンドリーラムを含めたインド料理を堪能する。その翌週は別の店に予約を入れていたのだが、2次会でまたそのインド料理店に行き、扉の窓から覗き、店主と目が合ったら、笑って中に入れてくれた。そしてタンドリーラムとお酒だけ注文。これで私はこの店の店主に覚えられた。3日連続は無理だったが3週連続で常連さんになれたわけだ。その後は月に1回ペースで通うようになる。そして、創作意欲たっぷりの店主の新作メニューの実験台にもなった。カレーだけでなく、美味しいタンドリーラムを友人にも紹介したいとオフ会を企画した時は店主もノリノリになってメニュー作りに勤しんでくれ会は大成功になった。

食べログ冥利:


食べログ冥利に尽きるのはお店に感謝される事と私のレビューを読んでその店に行き満足してくれる事。最初お店に行く時には私が食べロガーとは明かさないが、気に入って何度か行き、何度もレビューをアップするといずれ店主もまめぞうと私が同一である事に気付く。そして私のレビューが宝物だとかウチの宣伝部長だと言われた時にはやはり嬉しい。無名で客が中々集まらなかった店がミシュランや食べログ百名店に選ばれ繁盛店になるのは感動だ。もちろん店主の才能と努力の賜物なのだが集客に少しでも力になれたかと思うと嬉しい。ただ8人ほどのカウンタービストロに居た時、偶然知り合いのレビュアーさんが入って来て「あら♪まめぞうさん!」と声をかけられた時、それまで賑やかな店内が一瞬にして凍りつき、そこに居た客全員が(あぁこの人がまめぞうなんだ!)という顔で私の顔を見つめた時には冷や汗。店主も苦笑いするだけだった。
また、会った事もないレビュアーさんが私のレビューを読んでお店に行き、店主にまめぞうさんのレビューを読んできました、店主もまめぞうさんは優しいレビューを書いてくれるんです、とか、そこの料理を食べたレビュアーさんが美味しかったというレビューをあげてくれるとか、という一連の流れは大いに喜びを感じる。

ある日の活動:


3ヶ月に一度くらい平日に休みが取れて食べログの日にして日中回る事がある。ある場所に狙いを定めてぐるぐる回る日もあれば、何ヶ所か巡る日もある。割と面白いのが東京メトロ24H切符を使った食べ歩き。
各電鉄会社は1日切符を用意してるが東京メトロのは入場した時間から24時間有効というユニークな切符で翌日も使えるのがいい。600円で回る事ができる。JRは範囲が広すぎて移動だけで疲れる事もあるが東京メトロは都区内をほぼ網羅していて便利。地下鉄は車窓から景色を眺められないのでつまらないという人もいるが、駅を降り地上に上がると全く違う街に来てるというワープ感が好きだ。

ある1日を紹介。
朝10時四谷三丁目が起点。
立ち食いながら蕎麦にも天ぷらにもこだわりのつぼみ家に入店。朝ごはん時間帯後なので店内は余裕。券売機で野菜天と缶ビールの食券を買い、一緒出しでお願い。注文を受けてから揚げてくれる。呼ばれてトレイを受け取りプシュっとプルトップを開けグラスに注いでグビグビ。インゲン3本、レンコン、茄子、玉ネギ。天ぷら名人店主鈴木氏自ら揚げた甘みたっぷりの天ぷらを塩と天つゆで頬張る。お代は710円。

丸の内線に乗り赤坂見附で半蔵門線に乗り換えスカイツリーのある押上まで。ソラマチのアパレルショップ内にあるカフェ。
コンランショップも展開する家具デザイナー中原氏のカフェ事業ビーアグッドで400円のエスプレッソマキアートをいただきながらこの日の作戦を練る。

一服した後は池袋で昼メシ。
半蔵門線から大手町で丸の内線に乗り換え、池袋下車。西口の東武ホープセンターにある立ち食い寿司、さくら寿司。
時間は12時半で案の定行列。5番目に並び6分で案内。カウンター内には職人さん2人。菊正宗550円とセットのランチ2番924円をお願い。
赤身、海老、トロ、煮貝、穴子、飛び子軍艦、白身、ヤリイカ、サーモン、
鉄火巻3切れ、干ぴょう巻2切れ。この値段で立派な量だ。キクマサは甘めだったが呑みながら摘まんで1,474円。

続いて神保町の老舗喫茶に向かう。
丸の内線に乗り大手町で半蔵門線乗り換え神保町下車、1949年創業の文人、芸術家たちに愛されたラドリオ。13時半で余裕かと思いきや満卓。6分待ってここ発祥のウィンナコーヒー600円をいただく。酔い覚ましと時間調整。

続いて新宿御苑前の洋食コバヤ。
半蔵門線からの丸の内線。
「洋食エリーゼ」「洋食たけだ」の流れを汲む小林さんの店、コロナ禍休業や時短でタイミングが合わなかったここにようやく。
14時15分はランチタイム後だったので余裕で座れる。Aランチ(エビフライ+メンチカツ)単品750円とハートランド中瓶600円を一緒出しでお願いする。
ここは良心的な値段設定で注文を受けてからのメイクトゥオーダーと分かっているので15分待つのも楽しい。ビールがデカいグラスとどーん、プレートが届くと大きなエビフライと大きなメンチカツがどーん。肉肉しいメンチとぷりぷりのエビフライをビールで流し込む。

最後に向かうは新橋の老舗ショットバー壱番館、なおみさん、美加さん母娘が1999年から新橋駅前ビル1号館2階で営業。丸の内線から赤坂見附で銀座線に乗り換えて到着したのは15時20分、表には「スナック壱番館」の看板。先客のおじさんが一人呑み。カウンターの真ん中に立ち、目の前のプラケースに千円入れて、ハイボール350円をお願い。無料のお通しのミカンも置かれる。濃いめのハイボールを頂きながら、お新香300円を頼み、グラスは進む。呑み過ぎ注意のコーヒー焼酎350円を頼んでここでこの日は打ち止め。切符と合わせ6,134円であがった充実の1日、切符は翌日朝10時まで使える。

そもそもの外食への興味:


食べログを始める数年前、英語学校に通っていた時、仲良くなった4人で平日夜の授業終わりに学校のそばにあったスペイン料理店に行ったのをきっかけに不定期に食事に行く約束をする。持ち回りでおススメの店を予約し飲食する事に。徐々にメンバーが増えていき、主要メンバーの男性の職場が昭和な雰囲気でオレの酒が飲めないのかモードで、上には注いで回り、下には盃を差し出す。その窮屈さから抜け出したいという心の叫びから「手酌の会」と命名された。アクティブな女性が多く彼女たちは色んな店を知っていて、それまで安い居酒屋か会社接待で行くような店しかストックを持ち合わせない私に取っては新鮮でとても役に立った。例えば四ツ谷ビストロサンク、六本木バンコク、新橋チェゴヤ、神田味坊、代々木アンコールワット、恵比寿タベルナクアーレ、麻布十番鳳仙花、八重洲ダバインディア、蒲田ミレイ……
べらぼうに高くはないけど少し予約が取りづらい女子に人気の店に行った。
いつのまにかメンバーは20人ほどに膨れ上がり毎月の定例会となり、飲食店だけでなく多摩川べりでBBQをしたり、都の多摩川20キロウォークに参加したり、陣馬山高尾山縦走をしたり楽しい活動であった。それがある日終焉を迎える。「手酌の会」と名付けた彼が大阪転勤の辞令を受けたからだ。
実際彼が転勤してからは徐々に休眠状態への道を進む。
突然の転勤に彼の送別会を私が仕切る事になる。
その時には食べログを始めていてその様子は「奇跡の連鎖」というレビューにあげてある。
かい摘むと設定する日は、送られる本人の都合で新橋界隈、給料日の金曜日の19時半スタート、そこに10人以上で3時間の宴会。かなり厳しい条件、案の定断られまくる。食べログで条件に合う店のレビューをあげてるレビュアーさん達にも聞きまくる。皆いい人で情報をくれる。でもダメ。ようやく一軒だけ2時間コースで受けてくれるところがあった。そこを紹介してくれたレビュアーさんにお礼のメッセージ。その後、お店に打ち合わせの電話を入れたら、なんとコースでなくアラカルト、時間無制限で受けてくれるとのこと(驚)!後で分かったがお礼を言ったレビュアーさんがその店に強力なコネを持っていて後で口添えしてくれたのだ。
6年分の「手酌の会」のやり取りを冊子にまとめたり、当日参加出来ない人のメッセージをもらったり、サプライズゲストも呼んだり、最後はお店のスタッフまで宴会場にやってきて最高に盛り上がる宴会となった。
そしてその時彼が残した一句
「さかづきを 重ねて語る そのうちに 他人(ひと)も記憶も 雲散霧消」

今になってこの気持ちがよく分かる。その時はどれだけ仲良く過ごしてもいつかは忘れ去られる時が来る。その事を思って今この瞬間を精一杯過ごしたい。

最後に:


かつて神谷町や目黒で店探しに役立ったブログたちのお陰でいい店に出会うことができた。そのお返しを今しているのである。今日もまたお店のいい話を求めて。

#創作大賞2024 #エッセイ部門


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