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トム・ブラウンの無人島ライブを観に行きました

2023年4月14日(金)に、「トム・ブラウン全国四大都市ツアー がちょん十郎 ツアーファイナル in無人島 スーパーソーシャルディスタンス単独ライブ SSDT 2021振替公演」が開催されたので観覧に行って来ました。これは一生の思い出になるライブだと感じましたので記録に残すことにしました。

なお、ネタの内容については公開できませんので、ライブの雰囲気や感じたことを中心に書いていこうと思います。

遡ること1年前の2022年4月15日(金)、私は幸運にも抽選に当たり、とても楽しみにしていたトム・ブラウン無人島ライブの会場に電車で向かっていました。しかし、会場にたどり着く前に無念の開催中止のメールが届き、途中の駅で呆然としたのを覚えています。中止の理由は、台風1号の影響により安全にライブを開催することが出来ないと判断したというものでした。ただ、無人島ライブは時期をみていつか必ず開催するとトム・ブラウンのお二人からの強いメッセージがあったので、いつかやってくるその日を楽しみに待とうと思いました。

それから1年がたち、2023年3月半ばについに届いた開催日決定のメール。思わず「うぉぉぉ!やったー!」と声が出ました。それからは、高性能の双眼鏡をレンタルしたり、持ち運びやすい組み立て式の椅子を購入したりしました。ライブ前日には、イヤホンを持ってきてくださいとの案内メールも届き、当日は遠足に行くようなウキウキした気持ちで、会場に向かいました。

ライブ会場は横須賀市うみかぜ公園

会場のうみかぜ公園は海沿いの立地だけあって、かなりの強風が吹いていました。開場時間より早く着いたので、集合場所近くのベンチでサンドイッチを食べながら、双眼鏡を試してみようと思ったのですが、かぶっていた帽子や、双眼鏡のケースなどが、強い風に飛ばされてしまい、あわてて追いかけたりしました。

開場の12時30分になり、受付をすませて、希望者が2000円で購入できるネタ台本を手に入れ、トム・ブラウンの直筆メッセージ入りのオペラグラスが全員に配られました。他のお客さんも集まってきて、それぞれ折り畳み椅子を組み立てたり、シートを敷いたり、双眼鏡のピントを合わせたり、みんなでワクワク準備しながら開演の時を待つ感じがたまりませんでした。私は買ったばかりの折り畳み椅子が組み立てられずに困っていたところ、二人の男性ファンの方達に助けてもらい無事に組み立てる事が出来てとてもありがたかったです。

ちなみに、客席といっても公園の芝生広場の一角なので、通りすがりの人からみたらとても不思議な光景だったことと思います。

購入したネタ台本と配布されたオペラグラス

客席から肉眼で無人島を見ても、あそこに人がいるのかな位の大きさだったのですが、双眼鏡で覗くと、かなりはっきりと布川さんやみちおさんがいるのが見えました。他のお客さんも口々に「見える!」「ほんとだ!見える!」とおっしゃっていました。
開演前にQRコードを読み込むよう案内があり、上演中に合図があったら、リンク先を開いてくださいとのことでした。開場してから、ずっとみちおさんの歌う「新宝島」が流れており、ついにがちょん十郎無人島ライブが始まるんだなぁと胸が熱くなりました。このみちおさんの歌、一度聴いたら忘れられない中毒性のある歌なのですが、がちょん十郎東京公演以来久しぶりに聴けて嬉しかったのと、周りのお客さんとも、「最高だね」「笑っちゃうね」「ずっと頭の中ぐるぐるしちゃう」と盛り上がれて最高でした。

ステージとなる猿島

開演時間となり、包帯を顔に巻いた奇妙な紳士、ワイフダブルダッチ漆山さんが登場すると、のどかなうみかぜ公園が、一気にがちょん十郎の世界、非日常の空間に変わりました。イケボのワイフダブルダッチ漆山さんは、無人島と客席を瞬間移動しながら、ライブを進行していくナビゲーターで、実際に無人島に現れては、本土側の客席にも戻ってきたりと自在に空間を操られていました。

幕間映像はペッパーくんがタブレットでみせてくれました。近くに寄らないとタブレット画面が見えにくかったので、お客さんがペッパーくんを取り囲んで見える角度を探しながら映像を見る感じになりました。

ペッパーくん。とことこ歩く。

最初のネタが始まり、双眼鏡を覗きながら布川さんとみちおさんの動きをみて、今は台本のこの台詞のあたりかなと想像しながら集中して漫才を観ました。みちおさんの合体の動きが始まり客席の熱量がぐっと高まりました。布川さんが「ダメーー!」をした瞬間、めちゃくちゃ面白くて声を出して笑ったら、他のお客さんもみんな笑っていました。それは、ライブならではの、客席が笑い声でいっぱいになるあの瞬間でした。油断すると色んなものが海に向かって飛んでいくような強風の中で、残念ながらお二人の声は聞こえなかったのですが、1.2㎞の距離を超えて無人島から熱いエネルギーが伝わってきました。

ネタは漫才とコントで全部で7本でした。どのネタもトム・ブラウンが全身全霊全力全開フルパワーMAXでやっているのが双眼鏡でもはっきりわかりました。私は2021年に全国四大都市ツアーがちょん十郎東京公演を観覧したのですが、そのツアーの最終公演にふさわしい、ものすごい熱量を感じました。

ネタ中に、トム・ブラウンのさまざまな試みが行われました。ダメーーの代わりにドラをぶっ叩く布川さん。コロナ禍のディスタンス対策でトム・ブラウンが編み出した棒の先にみちおさんの頭と布川さんの手をつけたあの小道具が登場して興奮しました。馬鹿でかい巨大な手を抱えた布川さんが強風にあおられながらついにダメーーを成功させた時は思わず拍手していました。読み込んだQRコードを開くよう合図があり、みちおさんのお姉さんのお話を聴きながらネタをみる時間もありました。

幕間のトム・ブラウン劇団による寸劇と物販タイムでは、かぎしっぽさん&蟹パーティー仲山さんの熱演と、作家の川瀬さんの熱唱に胸を打たれて、2枚目のGATTAI Tシャツを買いました。

シークレットゲストの1組目は登場してすぐに誰かわかりました。勢いと熱量がものすごくて、ネタの時間も長かったです。めちゃくちゃ元気もらいました。観れて嬉しかったです。2組目は、ピン芸人さんと思い込んで観ていたので、残念ながら最後まで誰かわかりませんでした。でも、とてもいろんなチャレンジをしているのは双眼鏡でもわかりました。

最後のネタの時には、無人島にいる布川さんとみちおさんの身体の一部が、本土の客席前に突如現れる現象が起こりました。この身体の一部がすごくシュールで、仕掛けも含めてじわじわきました。ネタ中には、双眼鏡からでも、布川さんとみちおさんが、ダイナミックに生モメしているのがわかりめちゃくちゃ気持ちが高ぶりました。

客席に突如現れた二人の身体の一部

私は最後のネタが終わるまでずっと双眼鏡で観ていました。約2時間の公演が終わる頃には、双眼鏡の重さで腕がプルプルし、強風の中でずっと集中して観ていたので、それなりの身体への負荷を感じました。ライブ中には、幾度となく、客席の前の歩道を公園に来た人たちがこちらを不思議そうに見ながら通りかかったり、目の前を鳩が歩いていたり、双眼鏡の視界に海鳥の群れが飛び込んで来たりといった事が起こりました。

8人の観客の間にも、このライブを観るという事を通して、いわば同士のような不思議な一体感が生まれた気がします。お客さんの中には、ライブが終わったら急いで仕事に行く予定の方や、札幌から前のりでいらした方もいて、とても濃くて熱いお客さんが集まっていたのだなぁと思いました。

4回もの延期と中止を乗り越えて、トム・ブラウンが無人島ライブを行った事は、本当にすごい事だと思います。海を間に挟んで遠く離れた舞台と客席、物が吹き飛ぶような強い風、予期せぬ色んな事が起きる自然環境の中で、無人島から確かに届いたエネルギーに身体が熱くなるほどの元気をもらいました。

この奇跡のような無人島ライブのことは、一生忘れないと思います。全力で素晴らしいライブを観せてくれ、たくさん笑わせてくれたトム・ブラウンにありがとうと伝えたいです。


ライブの終わりにペッパーくんが叫んだ三文字の事も忘れないよずっと。◯◯ぽ!