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少女漫画、大人の自覚|日々の雑記

デートする夢を見ました。

お相手が誰だったか分かりませんが、初めて手をつなぐかどうかというシチュエーションに、夢の中でも胸がキュッと苦しくなります。勇気を出して手を伸ばし、震える手を優しく握り返されたところで目が覚めました。

私生活で恋をしている訳ではございません。動悸の原因が酒による不摂生でないのなら、最近読んでいる少女漫画のせいかと思います。
「食べ物にまつわる本」を集める中で素敵な作品に出会いまして、ひとつは京都を舞台にした料理と恋のお話、もうひとつは九州を舞台にした器と恋のお話に夢中なのです。(掲載誌からすれば少女漫画ではなく、女性漫画、恋愛漫画と呼ぶべきでしょうか)

自分に熱量がないせいか、落ち着いたキャラの物語に感情移入します。どちらも故あって少し消極的な主人公。日常とトラブルを重ねていく中、お相手との関係性が変わっていく様子に、年甲斐もなくドキドキしています。

ええと「年甲斐もなく」って書きましたが、ちょっと嘘ですね。大人になったからといって、人間の趣味嗜好は、そんなに変わるもんじゃありません。

子供の頃から好きだったピンク色は今でも好きですし、いろいろなジャンルの漫画に目移りしますけれど、頬が緩るむのは変わらず少女漫画を読むときです。呑みながら読んだ日は感情の振れ幅が大きくて、普段、家人にも見せない種類の笑顔がだだ漏れになって困ります。

なのに勝手なもんで、自分より年上の人たちに対しては「いい大人なんだから」なんて思っちゃうんですよね。
自分自身、歳を重ねてもろくなものにはなれませんでしたし、そもそも大人が立派だったら、酒で失敗する連中は一人もいないはずなのに。

だからもう、いっそ開き直ることにしました。お酒に関しては今さら何を言ってるんだって話ですので、少女漫画方面についてです。とりあえず『失恋ショコラティエ』の全巻セットを購入し、次は『パティスリーMON』、隙あらば『夢色パティシエール』にも手を広げる可能性があります。

今でも大人になれたとは思えません。だけど大人買いできる年齢にはなりました。

いずれは年金暮らしになりますが、支給日には缶ビールとマーガレットを買って、公園のベンチでご機嫌に過ごせる老爺になりたいです。そしてオールウェイズ震える手を伸ばし、優しく握り返してくれる老婆がいたら、そこそこいい老後ではないでしょうか。

そのためにもせっせと少女漫画を読み、いつでも老いらくの恋に身を焦がせるよう、イメトレを重ねていこうと思います。

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