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道草のたしなみ|日々の雑記 #91

ほら、年初から新NISAや株高やらで、投資の機運が高まっているじゃないですか。勤め人の皆さんは、受け取った源泉徴収票で、年収が確認できるタイミング。師走に滑り込んだふるさと納税も、件数によっては確定申告の準備を始める頃でしょうか。

そんな訳で今月は、お金について考えるのにいい時期だと思います。

私も嫌いな方じゃありません。向こうがどう思っているかは存じ上げないですが、なるべくならお金と仲良くしたいタイプ。昭和な雑誌の裏表紙、札束風呂を見てきた世代なもんで、胡散臭げな儲け話も大好きです。

ですからこの年末年始は、ビールを片手にビジネス誌や家庭系雑誌にあふれる、お金にまつわる記事を読み漁りました。

書いてあったのは大概、
「無駄を減らして、投資or貯蓄に回そう」
みたいなことばかり。

はい、確かにその通りですし、仰ることは至極ごもっとも。ご高説ありがたく拝読しましたけれど、なんとも腹落ちしないのです。ノンアル系をガバガバやるようで、いくら読んでも気持ち良くなれません。

はて?と考えてみると、私たちの仕事は第三次産業がほとんど。言わば人様の無駄遣いが飯の種になる、因果な商売に身を置いています。
なのに自分ばかり無駄を減らして貯め込むなんて、スジ悪で、ケチな了簡じゃありませんか。お互い様の心意気が欠けております。

そりゃ、使い捨てや濫用を率先するのは如何なものかと思いますよ?

だけどあれもこれも無駄だと切り捨てていったら、結局どこかしらにしわ寄せが来るのが物事の道理です。金は天下の回り物ですから、こちらで誰かが堰き止め独り占めしたら、他方で食い詰める人が生まれるのです。

なんて偉そうにご託を並べておりますが、まあ、つまり申しあげたいのは、お酒を呑むことは無駄ではありませんし、投機や転売目的にウイスキーを買い占めることは、くれぐれも止して欲しいということなんです。

そして願わくば拡大一辺倒でなく、今あるもので満足できる、引いた世の中が訪れることを期待しています。それと余っているところから足りないところへ融通する、優しく甘ちゃんな世界。

脇目も振らず、目的地に向かってまっすぐ進むのも大事です。だけど道端には綺麗な花が咲き、時には食べられる野草も生えています。

そろそろ梅の花がほころぶ頃。
物見遊山無くしては暮らせません。寄り道あってこその人生、たしなみとしての道草をおすすめ致します。


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